2023年1月20日

『運をつかむ』永守重信・著 vol.6159

【日本電産創業者、永守重信氏の成功哲学】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344986822

本日ご紹介する一冊は、日本電産の創業者、永守重信さんによる成功哲学。

人生は「運が7割、実力が3割」と述べる永守さんの、運を良くする考え方と行動指針が示されており、経営者、ビジネスパーソンは必読の一冊です。

原理原則は、自己啓発書の王道の内容が書かれている印象ですが、なんといっても事例が面白い。

著者がグローバルビジネスでチャンスを掴んだエピソードや、トランプ氏はじめ海外の要人のハートを掴んだ話、常識を超えたプライベートのエピソードに、ぐいぐい引き込まれます。

なかでも、ゲン担ぎの2000本のネクタイの話や、方角を重視するあまり奥様と反対を向いて寝る話、勤めた会社で日の向きに合わせて机の位置を変えて「ひまわりくん」と呼ばれたエピソードなどは、読んでいて大爆笑でした。

エンターテインメントとしても秀逸ですが、いずれも、デキる経営者の徹底ぶりを示す、興味深いエピソードです。

「すぐやる」「必ずやる」「出来るまでやる」という運を呼び込む心構えや、「人の名前」や「メールの返信」にも手を抜かないコミュニケーション術、著者オリジナルのToDoリストの作り方などは、実践的で、今すぐ取り入れたい知恵に溢れています。

また、企業買収を重ねることで成長してきた日本電産のトップらしく、時代の波に乗る投資のヒントなども示されています。

この手の本は、大体著者の与太話が広がって、本来のテーマから逸れてしまうものですが、本書は徹頭徹尾、「運」にこだわって話をまとめています。(雑談のバリエーションはすごい)

新書で薄いこともあり(188ページ)、今、スキマ時間に一番おすすめの本を挙げろと言われたら、真っ先に本書を推薦すると思います。

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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もし戦争がなければ生まれてこなかったはずなのに、というところから、私の人生は始まっている

もう一つ、今の私の仕事につながる大きなきっかけは、小学校4年生の理科の授業だった。コイルを巻いて模型のモーターを組み立てて動かすという実習をしていたとき、私がつくったモーターがクラスの中でもっとも速く安定して回った。それを見た先生が「すごいじゃないか。お前のモーターが一番だ」とみんなの前でほめてくれたのだ

「人との縁」は、すなわち「運」といってもいい。新しい仕事も幸せな出会いも、みな縁が運んでくれる。人の縁に恵まれている人は、運にも恵まれる

高いEQを身につけるには、その人の核に真剣な思いや情熱、誠意がなくてはならない。そうでなければ、相手を深く理解すること、相手を本心から動かすことはできない

世の中が悪いときほど会社が伸びているのは、創業以来ずっと「足元悲観、将来楽観」という考え方を基本にやってきたからでもある。調子がいいからといって「今のやり方で、これからもやっていこう」と思っていたら、将来は明るくない。市場はさらによいものを求め、それに応じて技術はどんどん向上する。今脚光を浴びている商品も、あっという間に陳腐なものになってしまう。足元を楽観して努力を怠ると、将来は危ういものになるが、今を悲観していち早く周到に準備をすれば、変化した市場でおおいに伸びることができるはずだ

「すぐやる」「必ずやる」「出来るまでやる」は運の宝庫

好かれる条件とは何か。それはユーモアと謙虚さである

件名にも、ひと工夫入れる。ただ「Re:」をつけて返すだけでは素っ気ない。できれば社員の心に引っかかるものにしたい

運がほしければ、運が集まっている場所に行くといい

「泣かない」「逃げない」「やめない」「ごまかさない」

少なくとも明日するべきことは、前の日にちゃんとイメージしておかなけれいけない。私は毎晩必ず、明日やらなければならないことのリストを作成する。紙を半分に折って、片側には明日中に済ますべきことを、もう片側には期日を設定した、多少時間を要することを記す

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永守氏が幼い頃、どのようにして志を抱いたのか、天職に気づいたのか、偉大になる前の、大変興味深い話が書かれています。

逆境や誹謗中傷を恐れない著者の根底にある思想も、読者を勇気づけてくれると思います。

やはり、経営者はこれぐらいの器と包容力がないと、成功できませんね。

ぜひ、読んでみてください。

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『運をつかむ』永守重信・著 幻冬舎

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◆目次◆

まえがき 運に近づく「道筋」がある
第1章 私が考える「運」
第2章 「ユーモアを言える余裕」が運を招く
第3章 誰も気にしないほどの「細部」にこだわる
第4章 「運気を落とさない」習慣を徹底する

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