2022年11月21日

『1位思考』猿渡歩・著 vol.6124

【愚直な戦略で年商300億円。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478116083

本日ご紹介する一冊は、創業9年目で年商300億円を達成した、モバイルバッテリー・充電器の国内オンラインシェア1位企業、アンカー・ジャパンCEO、猿渡歩(えんど・あゆむ)さんによる初の著書。

元コンサルタントかつITのイメージが強かったので、スマートな成功論かと思っていましたが、意外や意外、愚直な戦略と地道な努力を説いた、泥臭い成功論です。

本書の一貫したテーマは、後発でも1位になるために、何ができるか、どう攻めるかということ。

企業の競争戦略として読んでも、個人のキャリア戦略として読んでも面白い、ユニークな視点のビジネス書だと思います。

あえて「3LOW」(Low Passion=消極的な購買姿勢、Low Recurring Rate=低いリピート率、Low Average Selling Price=低い平均販売価格)のビジネスに挑む、「ノーオーシャン」を避けるためあえてレッドオーシャン市場を狙い差別化する、マーケティングの4Pはプロモーション以外の3Pをしっかりやる、お客様へは性能比較表を見せるのではなく利用シーンを訴える、仕事はやり抜くためにサボる…。

徹底して流行の逆を行く姿勢が、中小零細企業の戦略として、参考になると思います。

ビジネスの成否を決めるのは競争環境ですから、今後IT企業であっても、似たような戦略思考の会社は淘汰されることになると思います。

どうすれば、自社のコアを大事にして、着実な成長を果たせるか。本書には、そのヒントが書かれています。

さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。

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◆誰でも1位になれる、6つの習慣
1.全体最適の習慣
2.バリューを出す習慣
3.学ぶ習慣
4.因数分解の習慣
5.1%にこだわる習慣
6.サボる習慣

自分が日常取り組んでいることと、会社にとってのベストな選択はつながっているべきだが、意外と全体最適を意識している人は少ない

全体最適の習慣が身につくと、経営者の視座・視野・視点が手に入り、成長が加速する

仕事におけるNGワードは何だろう。まずは「それは私の仕事じゃない」だと思う

新規事業をやる場合は、1プロジェクトに集中的に投資するより、常に復数のプロジェクトを走らせたほうがリスクを減らせる

当時のバッテリーは価格1万円程度の純正品と、1000円程度で品質は不安定、保証もない製品とに、2極化していた。そこでアンカーは、3000円程度で保証付きの良品を出せば売れると考えた

バリューを出すうえで大切なのは「お客様の声を聞く」ことだ

コミュニケーターになるな、プロジェクトマネージャーであれ

やらなければいけないことより、やらなくていいことを徹底的に考える。人生は選択の連続。やらないことを決めることで、やりたいことに使える時間が増える

「分ける」とは「わかる」ことであり、「わかる」とは「手が打てる」こと

オフラインでは、別の仮説を考えた。「性能比較表で伝わらないなら、利用シーンを訴えればいいのではないか」という仮説である。「2泊3日の旅行以上に最適」「スマホだけでなくPCも充電可能」

お客様がプロダクトもプレイスも選ぶべき

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経営者としては、どうやって花形部署とそれ以外を平等に扱うのか、具体的なところが書かれていればもっと良かったのですが、戦略思考のヒントとしては、大いに参考になります。

これからキャリアを築こうとする若い方にとっては、どうビジネスを学べばいいか、何を経験すればいいかが明確になる一冊だと思います。

なぜか巻末付録に「面接を通過する10のコツ」があるので、就職・転職活動中の方は、ここも読んでおくといいでしょう。

これは、おすすめの一冊です。

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『1位思考』猿渡歩・著 ダイヤモンド社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478116083

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0BGJDJKWX

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◆目次◆

はじめに
第1章 全体最適の習慣
第2章 バリューを出す習慣
第3章 学ぶ習慣
第4章 因数分解の習慣
第5章 1%にこだわる習慣
第6章 サボる習慣
おわりに
巻末プレミアム 面接を通過する10のコツ

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