【YAMMAが仕掛ける「小さな産業革命」とは?】
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最近元気なブランドに共通するのは、「思想と世界観を持っていること」だと思っています。
つまり、目的が明確だから、やること、やらないことの線引がはっきりしている。(お客様から見たら、何に協力しているのかがよくわかる)
また、どんな世界観かがはっきりしているので、お客様との約束を守りやすい。(絆やコミュニティを作りやすい)
そして、ビジネス的にポイントなのは、カテゴリーや世代を超えることができる、ということです。
大きいところでいうと無印良品(良品計画)がそうですが、本日ご紹介するYAMMA(ヤンマ産業)もそうだと思います。
本日ご紹介する一冊は、アパレル業界の常識を覆した注目企業、ヤンマ産業の本。
在庫を持たず、セールをしない。シーズンごとに全国30か所ほどの雑貨店・セレクトショップ・ギャラリーなどで受注会を行い、受注してから提携する工房に縫製を依頼し、数カ月後にお客様に完成品を届けるという、新しいスタイル。
さらに、日本の伝統布である「会津木綿」をメイン素材に採用し、流行に左右されない、長く使用できる服を作り、SDGsの観点からも共感を呼んでいます。
ヤンマ産業のあり方は、これからの時代、中小零細企業がきちんとお代を取ってお客様に豊かさを、取引先にやりがいと永続性を与える、良いモデルになると思いました。
本文のなかから、さっそく気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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“リサイクル”というのはゴミだけの問題じゃなく、ゴミが出ても、昨日食べたご飯はおいしかったなあとか、思い出すことで昇華されるものもある、つまり“記憶のリサイクル”もあるのじゃないかと思いつきました
どんなに素晴らしい表現でも、それを作ったあとの人間としての責任の取り方も軽視できない
“みんながやっている、みんなが持っている”は理由にならない(父の教え)
長く使ったモノは、長く使ったコトになる
“よい服=長い間着られる”ために大事な要素は“素材がしっかりしている”ことと、“飽きのこないデザインである”こと
極力装飾を省いてシンプルな洋服を作るようにしています
南方熊楠が真言宗の高僧・土宜法竜と交わした往復書簡に、熊楠が“事不思議”について語るくだりがあります。「物(もの)」と「心(こころ)」が重なるところに「事(こと)」が起きるという話で、「物」を表す円と「心」を表す円が一部で重なり、重なった部分を「事」とする図が添えられています。私はこの図と考え方が非常に気に入っていて、誰かの気持ちと重なって出来事になれるようなもの作り、“コトになれるモノ”作りができたらいいなあと思うのです
ものを大事に使う、長く使う、飽きずに使う、ということは、なぜか人間の自信につながります
ヤンマの洋服は一番初めから“洗濯までして出荷”というスタイルをとっていました。洗濯することで、傷や欠陥もすぐに見つかるからです。(中略)洗って縮ませたあとで出荷するほうが、お客様も「自分で洗ったら縮んだ!」とならずにすみます
お店というのは売り手が商品を理解して、愛情をもてるものであれば、もっともっと売れる場所だと思っています
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Clubhouseでリスナーの方におすすめされて読んだのですが、確かにユニークな商売のやり方ですね。
お客様のためを思って、当たり前のように非常識にチャレンジする。
これぞ起業家精神ですね。
儲けと惰性に毒された企業ではおよそできない斬新なやり方が記されており、じつにワクワクする内容でした。
アパレルの方はもちろんですが、自分の業界で「小さな産業革命」を起こしたいすべての起業家におすすめの一冊です。
ぜひ、読んでみてください。
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『YAMMAの服にできるコト』山崎ナナ・著 小学館
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093070040
<Kindleで購入する>
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◆目次◆
Chapter1 ヤンマ産業ができるまで
Chapter2 会津木綿を使うわけ
Chapter3 百年先をめざして
Chapter4 日本の美しい布を探して
エピローグ
Column YAMMAを支える“あの人”たち
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