【これでバッチリ。】
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本日ご紹介する一冊は、国内初の「ビジネス数学検定」1級AAA認定者であり、ビジネス数学教育家・作家の深沢真太郎さんによる一冊。
ビジネスの現場でありがちな数字のトリックを見抜く方法を説いており、過剰な「ウリ文句」を正しく解釈するヒントになります。
たとえば、出版の世界でよくある「著者累計100万部」という表現。
本書では、このように解説されています。
<実際は、これまで延べ100冊を出版した作家で、電子書籍のダウンロード数と海外での出版も含めて市場に出た部数の合計が100万部であると定義していたのに、一方のあなたはたった1冊が国内で100万部も売れたと思い込んでいたら……。とんでもない思い違いをしていることになります>
最近よく使われる表現ですが、こういう表現のなかにも、「水増し」する狙いがあるのは明らかですよね。
同様に、研修講師などがよく使う「顧客満足度90%」という表現に対しても、「ちっともスゴくない」とバッサリ切り捨てています。
理由は、<もとの数をどう定義したかが明らかではない>からだそうです。
「はじめに」で著者は、「数字を正しく読む技術」の2つの要素を紹介しています。
その2つとは、
1.数字そのものを読む技術
2.数字を示す人の心理を読む技術
です。
累計の罠、平均の罠、単位の罠など、よく用いられる数字トリックが解説されており、ビジネス教養として、ぜひ読んでおきたい一冊です。
本文のなかから、さっそく気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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「当社の製品は、顧客満足度がなんと90%!」というフレーズだけでは、もとの数がいくつなのかがわかりません。
キラーフレーズは「その数字の定義を教えてください」
先ほどのポスターですが、私はコピーを見た瞬間、ポスターに近づきあるものを探しました。「5秒に1個」の定義あるいは前提です。実はこのポスターのいちばん下に、小さな文字でこんなことが書かれていました。
※全世界を対象としています
※1日を10時間として計算しています
あなたが今後なんらかの数字にだまされるとしたら、それは次の2つのパターンが考えられます。
(1)その数字自体がウソである場合
(2)その数字の定義や前提があなたの認識と違う場合
注釈や断り書きを必ず確認すること
そもそも東京ドームの広さとは、具体的にどこの広さのことを指すのでしょう
平均値にだまされないための2つの質問
「ちなみに中央値はいくらなのでしょうか?」
「最大値と最小値はいくらでしょうか?」
グラフは「形」ではなく「数」を見る
短期的(過去1カ月間程度)に見れば減少した(ポジティブ)
長期的(過去1年間程度)に見れば増加した(ネガティブ)
算出方法や調査対象者数などが書かれていないランキングは鵜呑みにしない
「その数字、なんかおかしいな」とすぐに気づける人は、いろんな数字を知っている人
◆「隠す」の3パターン
(1)定義を隠す
(2)比較対象を隠す
(3)傾向を隠す
人は「すごい数字」を信じたい本能がある
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メディアの世界には、本書で例示されているような表現がはびこっているのですが、1億総メディア化する現在にあっては、こうしたトリックを使うのはもはやメディアに限りません。
自衛のためにもぜひ読んで、数字トリックを見抜けるようになりましょう。
これはおすすめの一冊です。
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『数字にだまされない本』深沢真太郎・著 日本経済新聞出版
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◆目次◆
はじめに 数字との上手なつき合い方を学ぶ旅
第1章 数字を正しく読む技術[基礎編]
第2章 数字を正しく読む技術[実践編]
第3章 数字の裏にある「人の心理」を読み解く
第4章 「数字」を扱うすべての人へ
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