【控えめな人、必読。】
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本日ご紹介する一冊は、米アマゾンと台湾で1位となった、内向的な人のための戦略書。
著者のジル・チャン氏は、「コーヒーを買ったときのおつりがまちがっていても、言い出せないほど」の内向型だそうですが、今はある国際機関で20カ国以上にまたがるチームのマネジャーを務め、数多くの国で講演活動をしたり、執筆をしたりと、大成功をしています。
どうしたら彼女のようになれるのか。
ヒントを書いた第1章には、所属するNPO法人のために資金を集めるべく、大物ゲストや大口投資家、CEOにプレゼンテーションを行った、ジェインというやはり内向型の女性のエピソードが登場します。
ジェインは念入りに情報収集をし、何度も練習して本番のプレゼンテーションに臨みますが、最初からずっと腕組みをして聞いていた男性に、不意にこんな質問を浴びせられます。
「私はこのプロジェクトに直接投資したいんですがね。なぜわざわざおたくの仲介を通さなきゃいけないんです?」
ジェインは一瞬、頭が真っ白になりますが、ぐっとこらえ、男性に微笑んで、こう切り返したそうです。
「では、あなたがレストランのオーナーだとしましょう。お客様が入店して、鶏肉の甘酢炒めを注文しましたが、料金は鶏肉の分しか払わないと言い出しました。油や塩、胡椒、酢、ピーマンなどの材料費、シェフの労働力、水道代や光熱費など、料理をつくるのに必要な費用を一切払うつもりはない、って。もしそんなお客様が相手だったら、あなたならどうやって商品を売りますか?」
このたとえ話で会場はどっと沸き、ジェインは多くの人に囲まれ、プロジェクトは大成功。彼女の存在感は、社内外でおおいに高まったそうです。
じつはこのジェインという女性は、著者であるジル・チャン氏のこと。
もともと内向的だった彼女が、どうやって自分の性格や特徴を活かし、仕事で成果を収めていったか、エピソードとともに語られた、じつに興味深い内容です。
「多様性の時代」と言いながら、まだまだ仕事で評価されるのは外向型人間であり、内向型人間は、依然不利な状況に置かれています。
本書では、そんな内向型人間が、どうやって長所を活かし、外向型人間と伍していくか、そのヒントが語られています。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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内向型であっても、外向型であっても、自分の個性を大切にして、安全地帯から一歩踏み出すこと。他人に貼られたレッテルのせいで、自分の可能性を狭めてはいけない
社会のメインストリームの価値観は、単一の基準になってしまいがちだ。美しさの基準や成功の基準というものが存在し、人の性格も、ひとつのタイプだけが「普通」とされる。私たちは、みんなそのひとつの基準を満たそうとして努力しているうちに、自分が本当はどんな人間なのかを忘れてしまうのだ
「情報集め」と「練習」がものを言う
「不意打ち」には慌てず、落ち着いて対処する
ジョンソンらの研究によって、たとえば「質問に回答する」といった刺激が与えられた場合、内向型の脳は外向型の脳にくらべて、前頭葉および視床への血流が増えていることがわかった。内向型の脳のほうが活性化していたのだ
「宇宙船」に誘われたら、飛び乗ればいい
内向型が新しい環境ならではの問題に直面したとき、それを乗り越えて環境になじむためには、必要なことが3つある。「仲間を見つけること」「仕事の能力を示すこと」そして「明確な成果を出すこと」だ
まずはひとりと仲よくなる
質問が明確であればあるほど、すんなりと助けてもらえるようになる
好かれるより「信頼関係」が大事
会議の冒頭に打ち解けるためのフレーズを考えておこう
「無理のない目標」を設定する
主催側の「手伝い」をする
毎回「同じ熱意」があるように見せる
深い川は静かに流れる
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内向型人間にとっては、「あるある」話とキャリア構築のヒントが詰まった本、外向型人間にとっては、内向型人間の良さを引き出すヒントが得られる本です。
ぜひ、読んでみてください。
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『静かな人の戦略書』ジル・チャン・著
神崎朗子・訳 ダイヤモンド社
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◆目次◆
INTRODUCTION 鎧を脱いで身軽になる
PART1 静かな人の「仕事」の戦略
PART2 静かな人の「人間関係」術
PART3 冷静な力を「人前」で生かす
PART4 静かな人の「潜在能力」
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