【確かにわかりやすい。】
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本日ご紹介する一冊は、ジミー・カーター元米大統領の会見通訳や、アトランタオリンピックでのカール・ルイスの通訳などを務めた、通訳者・翻訳家の牧野智一さんによる英会話の指南書。
通常、英語学習というと単語やフレーズを暗記し、リスニングを勉強し、いざ本番でたくさん話す! と考えてしまいがちですが、著者はまずスピーキングに集中することを推奨します。
スピーキング、リスニング、リーディング、ライティングを同時に学習してはいけない! と説いているのは、ちょっと驚きではないでしょうか。
本書では、まずスピーキング、それからリスニング、スピーキングとリスニングの練習法、そしてコミュニケーションというように、英語学習を進めています。
また英語が苦手な人でもすぐに使える通訳のスキルとして、以下の4つを挙げています。
1.意訳
2.ダウントランスレーティング
3.スキップリスニング
4.サマリーリスニング
「ダウントランスレーティング」とは聞き慣れない言葉ですが、<難しい日本語をそのまま難しい英語で考えるのではなく、英語にしやすいように簡単な日本語に直してから、英訳する方法>です。
「スキップリスニング」は、<「聞かなくても問題ないところ」は聞き流し、「聞くべきところ」に集中するリスニング法>のことだそうです。
本書では、これらのテクニックを使いながら英会話の実践を学んでいくのですが、確かにユニークかつ実践的。
英語の成績はいいのに実践で話せない、という方に、ぜひおすすめしたい一冊です。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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直訳=「客観的な事実」を訳す
意訳=「その人の心の中にある思い」を訳す
I’ll give you a rain check.
(ぜひ、次は来てくださいね!/残念ですが、次は来てね!)
「また来てね」と、言いたいがために、「次は無料になる券をあなたにあげる」という言い方をしているだけなのです
1.彼は病床に伏している。
↓ダウントランスレーティング!
彼は病気で寝込んでいる。
→He is sick in bed.
2.その小説は若年層の間で流行している。
↓ダウントランスレーティング!
多くの若者がその小説を読んでいる。
→Many young people read the novel.
ネイティブが聞いたときにしっくりくるのは、「場所」→「時間」の順番
5つの「思う」
(1)I believe~/(絶対的自信を持って)~だと思う
(2)I assume~/(当然)~だと思う
(3)I think~/(じっくり考えた結果)~だと思っている
(4)I suppose~/(自分的には)~だと思うんだけど
(5)I guess~/(根拠はないがなんとなく)~だと思うよ
He got lost on the way, for he had never been to the town.
(彼は途中で道に迷ってしまった。というのは、彼はその町に来たことがなかったからだ。)
forは、「というのは」という意味で、。理由などについて述べる接続詞になります。forの後ろで一拍おいて喋るのがコツです
スキップリスニング=「聞かなくても問題ないところ」は聞き流し、「聞くべきところ」に集中するリスニング法
1.リスニングの成否は「動詞」が9割
2.最初の3語(主語+述語+α)を力を入れて聞く
3.「同じ音声」を繰り返し聞く
英会話が上手な人は、会話のスキルが高いというよりも、話題が豊富
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本書のやり方をマスターすれば、確かに英語を話すのがラクになりそうですね。
もちろん、本当にエリート層と話す時には、簡易的なやり方だけではダメだと思いますが(発音、語彙など)、「まず話せるようになる」には有効だと思います。
何年学んでも話せるようにならない日本の英語教育は明らかにおかしいので、本書で書かれているようなことがもっと普及するといいですね。
ぜひ、読んでみてください。
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『一度読んだら絶対に忘れない英会話の教科書』牧野智一・著 SBクリエイティブ
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◆目次◆
序 章 通訳者が使っている英会話のスキル
第1章 スピーキング
第2章 リスニング
第3章 スピーキングとリスニングの練習法
第4章 コミュニケーション
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