【変化に備える。】
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本日ご紹介する一冊は、元日本マイクロソフト代表取締役社長の成毛眞さんと、経営共創基盤(IGPI)グループ会長の冨山和彦さんとの対談本。
タイトルに『2025年日本経済再生戦略』とあるように、これからの日本への提言と、変わりゆく経済環境のもと、われわれビジネスパーソンがどう生きていけばいいのか、キャリア・人生設計のアドバイスをしています。
「横並びの価値観」から「自分だけの幸福感」へのシフト、「人々がどんなものに価値を見出し、何にお金を払うのか」というビジネスの原点に立ち返ること、上場企業よりユニコーン、東京より地方から一気にグローバル、学歴主義から職歴主義…。
にわかには受け入れがたい人もいると思いますが、迫りくる変化に対応したシフトの必要性が説かれています。
また、今後有望なビジネス領域や学び方についても書かれており、ミドルのこれからのキャリア設計、学び直しにも役立つ内容です。
提言は、実行が難しいものが多く、当事者にどう受け取られるか疑問ですが、内容は少なくともサラリーマン、中小企業経営者が今後どこに活路を見出すかのヒントになっていると思います。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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たとえばドイツ。中小企業の数は約350万社で、民間企業の実に99.5%を占める。特徴は、6割が輸出をしていることだ。ドイツの中小企業全体の輸出額は年間2140億ユーロにも上り、「隠れたチャンピオン」の異名をとる中小企業が多い。研究費に投じる資金も100億ユーロ以上と多額だ。一方の日本はどうか。中小企業の数は約420万社、民間企業に占める割合は99.7%である。ここまではドイツと同等だが、輸出している中小企業が3割程度に留まっているところが大きく異なる(成毛)
中小企業のうち、個人消費でしか食えない企業が7割もいることが問題(成毛)
「横並びの価値観」から「自分だけの幸福感」にシフトせよ(成毛)
多くのホワイトカラーの皆さんに対して、正直、この路線でがんばることを必ずしもお勧めしない。ほとんどの場合、ハイリスク・ローリターンなキャリアになっていくからだ(冨山)
企業も個人も、「人々がどんなものに価値を見出し、何にお金を払うのか」というビジネスの原点に立ち返ること(冨山)
若者は上場企業よりユニコーンを目指せ(成毛)
「東京が最先端」は都市伝説。光明は地方企業にある(成毛)
水産業では急速に高齢化が進んでいる。今後、日本の漁師は加速度的に減り、漁業権が半ば不可抗力的に有名無実化して、新規参入障壁が低くなると考えられるのだ。起業を考えている若い人にとっては、大きなチャンスがめぐってくる(成毛)
以前の学歴主義は、今は「職歴主義」になりつつある。最初に入った会社が、昔でいう「○○卒」に代替されつつあるのだ(成毛)
大学の機能を「グローバル人材養成」「ローカル職業訓練」に二分せよ
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言い尽くされた内容も多く、よく勉強している方にとっては多少物足りないかもしれませんが、今の日本が置かれた状況を整理し、これからのキャリア、生き方を考える上でヒントになると思います。
ぜひ読んでみてください。
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『2025年日本経済再生戦略』成毛眞、冨山和彦・著 SBクリエイティブ
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◆目次◆
はじめに(成毛眞)
第1章 「100%自己責任時代」が始まる
第2章 日本経済再生戦略
第3章 これからの日本をどう生きるか
第4章 日本経済を救う処方箋
おわりに(冨山和彦)
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