2022年4月21日

『20代で得た知見』F・著 vol.5984

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本日ご紹介する一冊は、ベストセラー『いつか別れる。でもそれは今日ではない』の著者、Fさんが、『20代で得た知見』をまとめた一冊。

いまは30代となった著者自身の経験に加え、著者が「二十代の内に知っておいた方が良いこととはなんですか」と数百名の方々に訊ねた内容がベースとなっており、人生で大切なことを知る、良いきっかけになると思います。

※参考:『いつか別れる。でもそれは今日ではない』
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ビジネス書、自己啓発書のように正解を教えてくれる本ではないですが、真剣に向き合えば、人生を考えるヒントとなる一冊です。

仕事や対人関係、恋愛、生き方というド定番のテーマに加えて、自分の感情とどう向き合うかが多様性の視点もふまえて書かれており、極めて現代的な書だと思います。

社会や恋愛に関する見解には、いろいろ意見がありそうですが、逆に言えば、若さゆえの尖った知見が示されていて、面白いと思います。

<ベストセラーなんか人に読ませておけばよろしい。まだ誰も読んだことのない本にたくさん触れ、誰も気づいていないことを読み抜けばよい>と書いている本を、ベストセラーになった後紹介するのはちょっと気が引けますが(笑)、純粋に面白いと思ったので、紹介することにします。

極めて現代的、都会的な内容ですが、都会でもがく人、孤独や不安と向き合う人には、とくに刺さる内容だと思います。

さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。

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己の心を捧げてもいい特別なものに出会うためにはまず、お友達や流行りものと群れていては決して見つからない。だからこそ「孤独であれ」。ただし「私はここにいると叫び続けろ」。取り急ぎ、以上です

人間関係で「~~してほしくない」「~~されると嫌だ」といった期待は、大抵大いに裏切られるものです。しかし「~~してほしい」「~~されると嬉しい」のような期待は細々口にしていると時折叶ったりする

好きって美味しいものを一人で食べた時、あの人にも食べさせたかったなと思えることだと思っています

「幸せって大きく分けて二種類あると思う。ひとつは日常に帰ってくるための非日常の幸せ。もうひとつは、非日常に行くための日常の幸せで」と言う友人がいた

「いま私が持っているものは、私の遺品になり得る」ということを忘れてはならないと思う。私たちはいつかなにかを誰かにさらっと与えるために生まれてきたのです。せっかくならば最高の遺品に囲まれてくたばりたい

なにかを「嫌いだ」「下手だ」と気づくことは才能です。もっと言えば「どうしてこの人はこんな簡単なことができないんだろう」と思うことは、あなたの得意分野である

感性・センスとは、審美眼のことではないかと考えられます。そして審美眼とは違和感のことである。違和感への試行錯誤である。なにかひとつに秀でて上手くなるには、この小さな違和感と戦い続けねばならない

自分の心を動かしたものだけが、真のインプットである。誰かの心を動かしたものだけが、真のアウトプットである

「暴言暴論のひとつも言えないならいますぐ学生証を置いて、学生なんか辞めなさい」(演劇文学の女性教授の台詞)

より大きな、より極端なもののために、小さな信用を犠牲にするのはやめなさい

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文章にはややムラがありますが、言葉がよく練られている印象です。

個人的には、著者の友人のキャリアを書いた80番、演劇文学の女性教授の台詞を書いた126番が印象的でした。

タイトルを見て、生き方の答えを期待する人に、人生の答えには多様性があることを教えてくれる本です。

20代の頃、こんな本に出合いたかったと純粋に思いました。

ぜひ、読んでみてください。

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『今すぐ転職を考えていない人のためのキャリア戦略』
田中研之輔・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン

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◆目次◆

ご挨拶
第1章 不完全からの出発
第2章 現実に関する幾つかの身も蓋もない事実
第3章 アンチ・アンチロマンチック
最終章 愛に関する幾つかの殴り書き
友人に宛てた結婚式祝辞全文
最後に

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