【大切な「顧客理解」の手法】
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本日の一冊は、YouTube登録者数が183万人(2022年3月3日現在)を超える、「QuizKnock」運営元のbatonのマーケティング部長、前田徹哉さんによるマーケティング書。
マーケティング活動の根幹とも言える、「顧客理解」のための切り口と手法、ヒントをまとめた一冊で、ズバリ今の時代を捉えた内容です。
売上高を、商品から考えるのではなく、顧客から考える。具体的には、「何人の顧客から、個別にいくらずつ、売り上げを上げたか」と考えるやり方で、著者はこれを「顧客勘定」と呼んでいます。
そして、この顧客勘定を活用した売り上げ&利益創出の3要素は次の通り。
1.「現状の可視化&基盤整備」(顧客勘定の見える化)
2.「目標設定」(顧客勘定のあるべき姿の設定)
3.「目標達成に向けた階段設計」(あるべき姿の実現に向けたPDCAサイクル構築)
本書も、この流れに沿って書かれています。
第5章には、顧客ロイヤルティーの向上でLTVを最大化している企業事例が載っており、富士フイルム、ピアリビングなど4社の取り組みが紹介されています。
顧客理解が進めば、販促のチャンスが見える、新商品開発のヒントが見える。
本書では、取得したデータをどう解釈し、新規事業や新商品、販促につなげていけばいいか、その考え方も示されており、経営者、マーケターが読めば、宝の山が見えるようになると思います。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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まず始めに、「売上高をいくら達成するためには、1客単価いくらの顧客が何人必要か」を決めましょう
行動属性には大きく分けて「検討段階の行動」と「購入行動」および「使用という行動」があります
顧客が“眠る”前に手を打つ
売り上げの多い顧客と利益の高い顧客はイコールではない
神戸に向かうという行動は同じでも、AさんとBさんの動機は異なります。ビジネスなのか、観光なのか。観光なら家族旅行か友人との旅か。出張は1泊か週末も含むか……。状況によって行動は変わってきます。そうした状況を踏まえて施策を打つことが、状況ターゲティングです
日中は慌ただしく、じっくりサイトを見てもらえるのは夜と考えを改め、配信時間を19時に変更したところ、セッション数、およびメルマガ経由の売り上げが共に3倍にアップしました
UX改善の3つのポイント
1.「思い込みや想定と違う文脈」に着目する
2.購入行動だけでなく「検討行動」を捉える
3.「量」を踏まえて判断する
アパレルECの場合、黒・白・グレーの服を買うことが多いAさんとBさんがいた場合、購入履歴ベースの施策なら2人は同一カテゴリーに属します。ところが、Aさんは色に迷いなく購入、Bさんはカラーバリエーションをいろいろチェックしたうえで最終的にいつものモノトーンを選択している場合、2人へのアプローチは異なってきます。カラーバリエーションのチェック行動は、「気に入った色があれば着てみたい」というBさんの「声なき声」として活用できます。Bさんがアクセスした際に派手めな色の服を提示して反応を見てみる価値はあるでしょう。これが購入履歴だけでは見えてこない面白さです
ユーザー・顧客全員の行動を観察することは不可能です。セッション数やコンバージョンまでかかった時間などのパターンから、代表的なユーザーを選んで、その行動(個票)を見る必要があります
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マーケティング、商売の王道中の王道の手法を、時代に即した形で解説しており、じつに勉強になります。
自社の「顧客理解」は十分か、他に知るための手段はないか、真摯に探っている経営者・マーケターに、ぜひおすすめしたい一冊です。
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『売り上げを倍増させる“顧客勘定”マーケティング』前田徹哉・著
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◆目次◆
第1章 「顧客勘定」とは何か?
第2章 実践!顧客勘定マーケティング
第3章 顧客別「限界利益」管理~赤字顧客を黒字顧客に
第4章 検討行動を捉える「状況ターゲティング」
第5章 顧客ロイヤルティー向上でLTVを最大化している先進企業事例
富士フイルム
オイシックス・ラ・大地
メガネスーパー
ピアリビング
第6章 ステージ別「顧客勘定PDCAサイクル」の進め方
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