【小林製薬会長、初の著書!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569851215
本日ご紹介する一冊は、アンメルツ、熱さまシート、サワデー、ブルーレット、消臭元、サラサーティなどのヒット商品で知られる小林製薬の小林一雅会長による、初の著書。
斬新かつわかりやすいネーミングと巧みなマーケティングにより、23期連続増益・22期連続増配を成し遂げた小林製薬のリーダーが語るマーケティング論ですから、これは読まない手はないでしょう。
経営トップが書く本ということもあり、話の大半は心の置き方やベーシックな戦略論、マネジメントの話なのですが、時折登場する鋭いマーケティング論が読みどころです。
はたから見ると、大成功したリーダー企業に見えるのですが、じつは愚直なまでにニッチャーの戦略を貫いていること、「ネーミング」「パッケージ」「広告」「販促」の4つにこだわってマーケティングを行ってきたことなどがわかり、中小企業の経営者として、じつに勉強になりました。
個人的に嬉しかったのは、小林会長が、土井が『20代で人生の年収は9割決まる』で使った「小さな池」の比喩と同じことをおっしゃっていること。
※参考:『20代で人生の年収は9割決まる』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532199751
この、「小さな池の大きな魚」戦略は、独自の美意識や価値観を大切にし、幸せな中小企業を築きたいと願うすべての経営者が知っておくべき戦略だと思っています。
便利な商品と華やかなテレビCMの裏に、どんな努力があったのか、知りたい方は、ぜひ読んでみることをおすすめします。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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かつての日本のトイレは「汚い場所」であり、強い悪臭を放つ「不浄な場所」で使用するトイレ用品に手を出すのは二流メーカーがやることで、一流メーカーの仕事ではないと思われていました。つまり、大手が「やりたがらないビジネス」だからこそ、小林製薬の入り込む余地があったわけです
◆「アンメルツ」のケース
「貼る」という需要に対して「塗る」という柵を立て、囲い込むことによって、「小さな池」をつくることを目論んでいたわけですが、当時の日本の技術では、使い勝手のよい製品にするのが難しく、開発は難航しました
小林製薬の製品開発では、「ネーミング」「パッケージ」「広告」、そして「販促」の大きく四つを重視します。重視するとはすなわち、それら製品開発に関わるすべての過程において、「いかにお客さまにわかりやすく伝えるか」を第一に考えるということ
あれもこれもではなく、絞り込む。そこに「わかりやすさ」が生まれます。そのうえで、効用や利便性を「シンプル」に明記する
CM決裁をするときに、「コンテ決裁」「仮編決裁」「本編決裁」の計三回のハードルを設けていました
普段からいいものを探し、学習しようという感度を維持する。そうした習慣づけをすることで、個々人のクリエイティビティを高めてもらうことが、結果として、会社全体のクリエイティビティを引き上げていくことになる
当社では、全国的に大きく発売を展開することが決定するまで、新しい生産設備はつくりません
「大きな池」を柵で囲い、「小さな池」をつくる戦略もある
「あと一週間考えろ」「あと一日だけ時間をあげる」と言い続けること。このシンプルな要望が、社員のクリエイティビティのみならず、執念を引き出すための秘訣
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消費者に訴求する商品、広告を作るために、現場でどんな苦労があったのか、社長と社員の間にどんな苛烈なやり取りがあったのか、その舞台裏をのぞくことができる、興味深いビジネス書です。
マーケティング志向の会社を作るためのマネジメントも、大いに勉強になりました。
小林会長が初めて本を書いた、という時点で「買い」ですが、内容も読み応えがありました。
これはぜひ、読んでみてください。
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『小林製薬 アイデアをヒットさせる経営』小林一雅・著 PHP研究所
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569851215
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◆目次◆
序章 すべては「“あったらいいな”をカタチにする」ために
第I部 アイデアをヒットさせる経営
第1章 「わかりやすさ」への挑戦
第2章 「サムシング・ニュー、サムシング・ディファレント」の追求
第3章 新製品開発に生きる
第II部 社員の幸せを第一にする会社へ
第4章 アイデアを生みだす仕掛けづくり、その源流へ
第5章 よき社風の創造と継承
第6章 全社員経営の道を歩み続ける
第III部 逆境と失敗を未来の糧とする
第7章 「為せば成る」の執念が道を拓く
第8章 失敗から学んだ経営の心ーー驕らず、謙虚に
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