【モノを売り切るための需要予測手法とは?】
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コロナショックの初期において、マスクの調達に成功した企業は、莫大な富を手にしたはずですが、そのためには需要予測を行い、迅速に調達を行う必要がありました。
本日ご紹介する一冊は、企業活動の根幹となる「需要予測」のスキルを、プロが解説した一冊。
コロナショックや資源の枯渇・高騰、物流危機、戦争など、さまざまな変化が起こるなかで、どうやって需要を読み切るか、適正量を仕入れ、作り、販売するのか、危機に備えストックするのか…。
今だからこそ知っておきたい需要予測の手法を、資生堂ジャパン株式会社のSales & Operations Planningマネジャー、山口雄大さんがコンパクトにまとめてくれています。
第1章で著者は、S&OP(Sales & Operations Planning「販売計画とSCM」)という概念を紹介していますが、このS&OPが行うのは、<販売計画と供給制約のギャップを常にモニタリングしてリスクを想定し、先手先手でヘッジアクションを決めて実行していくこと>。
そう、ビジネスパーソンたるもの、ガソリンが高騰してから給油したり、戦争が起こってから株を売ったり、ウッドショックが起こってから家の修繕を行ってはいけないのです。
本書を読んで、需要予測のスキルをマスターすれば、仕事でもプライベートでも、未然に賢いアクションが取れ、あらゆるオペレーションがスムーズに行くはず。
自分は営業だから、マーケティングだからと言って目を背けるのではなく、経営全体、社会全体を俯瞰する意味でも、読んでおきたい一冊です。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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お金やスペース、消費期限といった様々な制約を考えると、ちょうど良い量を用意しておく、というのが重要になる
需要予測は単に過去データを分析してもできるわけではない(中略)需要の背景にある消費者の心理、行動を想像して、それが未来ではどうなるかを考えることが重要
大きな環境変化があった場合に気をつけなければならないのは、初期値やパラメータを大幅に見直す必要が出てくるということ
過剰在庫よりも品切れの方がすぐに問題になるため、品切れを防ぐ方が重要だと、無意識でも思っているビジネスパーソンは多いはず
予測モデルに沿って予測を行うと、すべての要素について検討する必要があるため、特定のものを軽視することがむずかしくなる
AIをつくるビジネスパーソンに必要なのは、“どんなビジネス課題を、AIで解決するために、何のデータを蓄積するべきか”を考える力です。需要予測で言えば、
・どんな要因が需要に影響していそうで
・それは具体的にどのデータで測ることができるか
過去の需要と影響要素の関係が実際以上に強固なものだと学習してしまうと、それが未来における予測精度を悪化させてしまう可能性がある
様々なビジネス領域でAIの活用がはじまっていますが、需要予測においては単に過去のロジックを置き換えるのではなく、より“小さく”、“迅速な”需要予測のために導入するのが一つの方向性
AHPで需要予測する際の2つのポイント
1.需要の因果関係を踏まえてAHPの評価軸を設定する
2.予測者のセンスを数字で評価し、これが一定以上の人の予測値のみを平均する
在庫保有日数や回転率は、納品率や品切れ率といったサービスレベルを評価する指標とセットでモニタリングしていく
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土井はアマゾンのバイヤー時代、まさに需要予測を行う立場にいたので、本書で最新の情報が得られて、とてもワクワクしました。
AIを需要予測に用いる際の注意点や可能性などについても言及されており、経営者、経営幹部はもちろん、AIの開発者にとっても興味深い内容だと思います。
ビジネスパーソンの教養として、ぜひ、読んでみてください。
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『すごい需要予測』山口雄大・著 PHP研究所
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◆目次◆
はじめに 重要予測が未来を創る
第1章 なぜ、いま需要予測が必要なのか
第2章 予測AIがビジネスのやり方を抜本的に変える
第3章 世界の知見が需要予測のイノベーションを起こす
第4章 需要予測で描く未来のビジネス
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