【アイデア体質になるプロの技法】
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コピーライターの世界では、「100案出す」というのは常識のようですが、エリエスでも合宿では、100本のタイトル案、100本のコピーを書いてもらいます。
雑誌の仕事をしていた時に、プロのカメラマンから教わったこと。それは、「量が質を担保する」ということです。
プロの写真が美しいのは、腕が良いのもさることながら、「たくさん撮っているから」なのです。
ただ、問題なのは、どうすればたくさん撮れるか、たくさん書けるか、ということ。
たくさん作るには、表現する際に、複数のバリエーションを持っていなければいけない。
そう、「100案作るには、100案作るための切り口」が必要なのです。
本日ご紹介する一冊は、電通のコピーライターである著者が、その100案出すための「切り口」を紹介してくれる一冊。
・インプットを日常化する「6つの方法」
・「思考の壁」を突破する「19のスキル」
・「最高の1案」の選び方
などが、実践できるレベルまで詳細に書かれており、仕事でアイデア・企画が必要な方には、重宝する内容です。
時間がなく、100案出すための実践だけを学びたいせっかちな方は、228ページ「新しいハンバーガーのアイデアを100案考えてみた」を読むだけで、アイデアのバリエーションを増す方法がわかる、目からウロコの内容です。
人に勧められた本ですが、確かにこれは読み応えがありますね。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きます。
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「ルンバ」は「掃除機」と「宇宙探査ロボ」(発売元の「アイロボット」は、もともとNASAや軍事産業向けのロボットをつくっていました)。「Netflix」は「レンタルビデオ」と「インターネット」。『スター・ウォーズ』は「SF」と「神話」。「画期的」「斬新」と賞賛されたものであっても、既存の要素の組み合わせや一部を変えただけであることがわかります
「新しいこと」は重要ではない
大切なのは、「いいアイデアを思いついたら書く」のではなく、「頭に浮かんだことはなんでも書く」こと
とある著名なクリエイティブ・ディレクターは、コピーにダメ出しをする際、「君はいいコピーライターだけど、このコピーはちっともよくない」と言うそうです。これこそがアイデアを選ぶときの基本的な態度です
漠然と「観察しよう」と思うのではなく、より注意深く「○○を観察しよう」という具体的な意識を持つ
「当たり前」の裏側には、往々にして「そんなことないぞ」と思う人々がいます。彼ら彼女らのその思いをすくいとることは、爆発的なヒットにつながる場合があるのです
その後しばらくして、「ANA」の広告制作を担当する機会がありました。広告の目的はビジネスクラスの快適さを伝えること(中略)どうしたものか……と悩むうちに、『ツバメのたび』のことを思い出しました。ツバメたちが命がけで飛ぶ一方、人間はふかふかのシートに包まれて、機内食や映画を楽しみ、ぐっすり熟睡しながら外国まで行ける。ツバメたちに比べてなんて贅沢なんだろう……と気づいたのです。そこで広告には、次のコピーを使いました。「人間だけが、時速900キロで熟睡できる。」
アイデアは、あなた以外の誰かにとって価値がなければいけません
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ノウハウはもちろんのこと、著者に影響を与えたクリエイティブ・ディレクターたちの名言、名エピソードも読ませてくれます。
文章を書く人だけでなく、新商品・新サービスを考えたい人、何かを改善したい人にも役立つ内容で、広くビジネスパーソンにお勧めしたい一冊です。
ぜひ読んでみてください。
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『100案思考』橋口幸生・著 マガジンハウス
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◆目次◆
はじめに 「アイデア」は才能ではない。ノウハウである
1 なぜ「100案」が大切なのか
2 インプットを日常化する「6つの方法」
3 「思考の壁」を突破する「19のスキル」
4 「最高の1案」の選び方
5 実践編「100案思考」でここまで広がる
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