2021年12月29日

『今を生きるあなたへ』瀬戸内寂聴、瀬尾まなほ・著 vol.5910

【後悔のない2022年にするために】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4815612765

本日ご紹介する一冊は、2021年11月9日に99歳で亡くなった、小説家・僧侶の瀬戸内寂聴さんの、最後の語りおろし。

秘書であり、著者でもある瀬尾まなほさんとの対談で、瀬戸内寂聴さんが世を去る3カ月前に、京都の寂庵にて行われたインタビューをもとに、加筆・修正したもののようです。

内容は、恋愛のことに始まり、人間関係、我欲との付き合い方、他人に優しくなれる考え方、自分らしく生きる方法、幸せになれる考え方、苦しみを乗り越える視点、死と向き合う方法などなど。

まとめて言えば、後悔しない人生を送るための処世術が書かれた本、と言って良いと思います。

著者の体験と、仏教の教えに基づき、人生アドバイスがなされており、読者にとって気づきのある内容だと思います。

ちなみに、目次は以下の通り。

【目次】
第一章 愛は見返りを求めません
第二章 周りの人の幸せを考えなさい
第三章 思うがままに生きなさい
第四章 この世は有り難いことばかり
第五章 ものごとは必ず変わります
第六章 やりたいことを貫きなさい

奔放な恋愛や生き方を世間から叩かれ、賛否両論あった著者ですが、それだけに自分らしく生きる方法についてはよく書かれていると思います。

社会が大きく変わる時は、これまでの常識や行動様式、価値観に縛られず思い切って行動することが大事ですが、本書はそのための考え方を教えてくれます。

もちろん、人間関係や人生で悩む人にとっても、役立つ内容ではないでしょうか。

さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。

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本当の愛情というのは、「してあげたいから、してあげる」というものです。それに対して見返りを求めるのは、ちょっと卑しいです

人間関係において見返りを求めないほうがいいと思うのは、それが「もっと、もっと」とエスカレートするからです。例えばこちらが十あげたら、その見返りとして、十二とか、十三とかが欲しくなってきます。まるで銀行に預けたお金に利子がつかないと怒るようなものです。そして、お互いに苦しくなり、その関係がこわれてしまいます

好きになるということは、すべてを許すということです。ダメなところも含めて好きになるということです。だから、「ここは好きだけれども、ここは嫌い」なんて言うのは、本当に好きではないのです

若いときの苦労はつらいかもしれませんが、若いときはそれを癒やす力、治す力があるから大丈夫です。だから「若き日に薔薇を摘め」なのです

この世界のどこかで、嘆き、悲しみ、苦しんでいる人がいる限り、人は「自分が幸せならばそれでいい」というわけにはいかないと思います。それは人間であることの証しでもある、人を思いやる想像力が欠如しているということです

人間というのは、優しいということが一番の美徳なのではないでしょうか

親は、それぞれにすばらしいものを与えてくれています。それに気がつかないのは、その人がバカなのか、努力をしていないからです

いい波が来たら見逃さずに乗りなさい

大事なのは、すべては変わるということを覚悟しておくこと

観音様は正式なお名前を「観世音菩薩」といいます。これは世の中の悩める人々が発する音声を観ずる、世の中の人々の救いを求める声を聴いて救済する菩薩という意味です

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来年以降の生き方を考えるのに役立ったのは、以下の言葉。

<こうあるべきだとか、何とからしさといったものは、そのときの権力者や為政者や、その取り巻きのような連中が決めていることにすぎません。それに人々が従っているだけです>

来年以降、アグレッシブに生きていくために、ぜひ参考にしたい言葉ですね。

また、個人的には、<すべては変わるということを覚悟しておく><世の中の悩める人々が発する音声を観ずる>という部分が刺さりました。

ぜひ、今年の最後に読んでみてください。

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『今を生きるあなたへ』瀬戸内寂聴、瀬尾まなほ・著 SBクリエイティブ

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◆目次◆

第一章 愛は見返りを求めません
第二章 周りの人の幸せを考えなさい
第三章 思うがままに生きなさい
第四章 この世は有り難いことばかり
第五章 ものごとは必ず変わります
第六章 やりたいことを貫きなさい

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