【クリエイター15人の発想の秘密】
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本日ご紹介する一冊は、新進気鋭のトップクリエイター15人に、編集家・松永光弘氏がクリエィティブのヒントを尋ねる、インタビュー集。

登場するのは、以下の15人です。

水野学　クリエィティブディレクター
川村真司　Whatever Inc.CCO
岩佐十良　『自遊人』編集長
鳥羽周作　sioオーナーシェフ
龍崎翔子　ホテルプロデューサー
藤本壮介　建築家
伊藤直樹　PARTY CEO
齋藤精一　Panoramatiks主宰
三浦崇宏　The Breakthrough Company GO
篠原誠　篠原誠事務所
川田十夢　AR三兄弟（長男）
明石ガクト　ONE MEDIA　動画プロデューサー
佐藤尚之　ファンベースカンパニー創業者
佐渡島庸平　コルク代表
柳澤大輔　面白法人カヤック代表取締役CEO

それぞれのクリエイターに、発想の作法を尋ね、それが自身の作品にどう反映されているか、詳しく述べてもらったもので、実際に何かを創ろうと思っている人には、ヒントとなるインタビューだと思います。

この手の本をたくさん読んでいる人には、王道の作法もあると思いますが、各人がどう考え、アイディアにつなげていったかが、最大の読みどころだと思います。

個人的には、川村真司さんの「Google翻訳がなければ注文できないレストラン」、自分のゴーストと並走しながら競争できる「Nike Unlimited Stadium」、sioオーナーシェフ、鳥羽周作さんの味うつりを利用する考えあたりが、勉強になりました。

さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。

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【水野学氏】
表現やコンセプトにかかわるアイディアを考えることが多いのですが、そこには大きく分けて２つの軸があると考えています。ひとつは「見つけてもらうためのアイディア」、話題になる広告をつくる、目立つパッケージを考えるといったことがそうです。もうひとつは「信頼してもらうためのアイディア」。文字どおり、その企業や商品の信頼、信用につながるアイディアです

【川村真司】
まずやるのは、クライアントからの課題を疑うことですね。たとえば広告なら、こういうメッセージで、こういうＣＭをやりたい……といった課題があるわけですが、本当にそれで抱えている問題を解決できるのか、ということを考えます

「Nike Unlimited Stadium」でいえば、「自分と競争する」だけなら、ストップウォッチでタイムを計ってもできます。それが、巨大な陸上トラックの横にＬＥＤスクリーンを立てて、自分のゴーストと並走しながら競争できる、というデザインになってはじめて独自性のあるアイディアになります

【鳥羽周作】
ほかに味うつりさせたくないもの、たとえばフォアグラのハンバーグなんかはキャベツでくるんでロールキャベツ仕立てにしたり、逆に味うつりを利用して、新しい味わいが生まれるようにしたり……

【龍崎翔子】
大事にしているのは４つの視点での「問い」です。「消費者の視点」と「経営者の視点」、「メディアの視点」、それに「神の視点」。この４つの視点のすべてで課題を解決できるものこそが、本当にいいアイディアや企画

【伊藤直樹】
PARTYではクリエイティビティを４つの領域でとらえています。それが「言葉」と「数字」と「コード」と「ビジュアル」

【明石ガクト】
見てもらえるのは「文法的に正しいから」

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オムニバスのインタビュー形式ということもあり、話が通り一遍になってしまっていますが、ところどころにクリエイティブのヒントがあり、楽しめました。

各人の作品の例も出てくるので、インスパイアされること、間違いなしです。

ぜひ、チェックしてみてください。

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『ささるアイディア。』松永光弘・編　誠文堂新光社

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◆目次◆

はじめに　アイディア観をもつということ
第１章　アイディアの「意志」
第２章　アイディアの「経験」
第３章　アイディアの「論理」
第４章　アイディアの「姿勢」
第５章　アイディアの「視点」
おわりに