【これはすごい学習法だ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866430885
本日の一冊は、オークランド大学教授で、2018年度ミシガン州優秀教授賞を受賞したバーバラ・オークレー氏と、ノルウェー・オスロにある教育テクノロジーのスタートアップ企業、エデュカスの創業者兼CEO、オラフ・シーヴェ氏が、科学的根拠のある学習法をまとめた一冊。
共著者のオラフ氏は、既に『ノルウェー出身のスーパーエリートが世界で学んで選び抜いた王道の勉強法』で、世界的ベストセラー作家になっていますが、今回の著書は、システム工学の博士号を取ったバーバラ・オークレーとの共著。
※参考:『ノルウェー出身のスーパーエリートが世界で学んで選び抜いた王道の勉強法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4813271553/
そのため、紹介されている勉強法も、著者の体験にとどまらず、より科学的で客観性のある内容となっています。
よく知られる勉強法のなかで本当に有効なのはどれなのか、音楽や雑音は本当に学習にプラスなのか、瞑想やヨガは本当に集中力を向上させるのか、どうすれば新しいことを効率よく学習できるのか、寝ている間に学習を促進するにはどうすればいいのか、(速読のプロには本当に申し訳ない内容ですが)本当に速く読むにはどうするか…。
目からウロコの事実が書かれており、教育関係者、受験生、受験生の親は読むべき一冊だと確信しました。
瞑想やヨガの信奉者、速読指導者は、ここに書かれたことを理解して、効果・効能を謳わないと、今後まずいことになりそうですね。
既出の情報も多いですが、食事や睡眠、休憩についても丁寧にまとめられており、これ一冊で、効果的な勉強のためのメソッドがひと通り学べるのが魅力的です。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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学習の世界におけるもっとも単純でもっとも強力な知的活動のツールを紹介しよう。それはポモドーロ・テクニックだ
休憩中に携帯電話をいじると、携帯電話にまったく触れずに休憩時間を過ごすのと比較して、頭脳の回復が効果的におこなわれないことが明らかになった
音楽によって、学習速度を落としてしまう学生がほとんどだ。それが顕著なのは数学だ
奇妙なことに、頭を休める時間をつくると、それが数時間でも一晩でもその時間の長さがどれほどであっても、しばしば不思議なことが起こる。これが拡散モードの魔法だ。取り組んでいた課題に改めて集中し直すと、“なんだ、そういうことか”という洞察が得られるものだ。このおかげで、それまで悩まされていた課題への取り組みに道が開ける
問題の答えを見るのは禁物
情報を長期記憶の領域“へと”入れ込むための最良の方法は、ただ答えに注目するのではなく、長期記憶から情報を回収しようと努力することだ
たとえばマネの絵を見ると次にはファン・ゴッホ、そしてゴーギャン。この学習スタイルはでたらめのように思われるかもしれない。しかし、これによって、画家の流儀の違いがはっきりとわかる幸運に恵まれる機会がずっと多くなるのだ
一日に一〇時間詰め込みで学習をした場合、一〇日間かけて間隔を置きながら合計で一〇時間学習をしたときほどの効果は得られない
目標=ゴール、の設定は、意欲をわかせてくれる絶好のツールだ。長期的なゴール、マイルストーンとなるゴール、そしてプロセスのゴールを設定することを勧めたい
もっと速く読みたければ、単語の認識と概念への変換のスピードを上げなければならない。そのためには、豊富な語彙、教養知識、そして豊かな読書経験が必要になる
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読書や記憶については、「よくぞ言ってくれた!」と思う痛快な内容で、BBM読者にはぜひ読んでいただきたい内容です。
事例も、文章上達の秘訣から数学、芸術、外国語学習まで幅広く、あらゆる学習に対応しています。
ぜひ、読んでみてください。
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『ライフシフト2 100年時代の行動戦略』アンドリュー・スコット、リンダ・グラットン・著
池村千秋・訳 東洋経済新報社
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◆目次◆
第一章 どこまでも集中し、そして怠けぐせに打ち勝つには
第二章 行き詰まりを克服するには
第三章 より深く学習するには
第四章 作業記憶を最大にして、上手にノートをとるには
第五章 記憶し内在化するには
第六章 自律心がないときでも、それを発揮するには
第七章 自分自身をその気にさせるには
第八章 効率よく読書をするには
第九章 試験で好成績をあげるには
第一〇章 戦略的な学習者になるには
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