【世界の優良企業が実践する経営理論とは?】
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本日ご紹介する一冊は、ニューノーマル時代の経営の背骨となり得る経営理論を、経営コンサルタントがまとめた一冊。
著者の森泰一郎さんは、東京大学大学院経済学研究科経営専攻を卒業後、大学院にて経営戦略を研究。経営コンサルティングファームを経て、IT企業の経営企画マネージャーとして業界・DX変革のための経営戦略策定をリードした人物で、その後、IT企業の取締役COO/CSOとして経営戦略、DX新規事業の立ち上げ、人事・IT管轄も経験しています。
「Business Insider japan」などのメディアでも執筆されているので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。
本書は、そんな著者が、経営戦略論の歴史や学術研究の結果を紐解き、何が現在有効な理論なのかをまとめた、経営者のための経営理論書です。
ビジョンやミッションは本当に業績向上につながるのか、両利きの経営は有効なのか、レッドクイーン論はどう使えばいいのか、多角化はどうやれば正解なのか、組織のフラット化やダイバーシティは本当に業績向上につながるのか…。
まことしやかに囁かれている経営理論の実際を検証しながら、ニューノーマル時代に実践すべき理論を紹介したもので、大変有用な内容です。
田中道昭さん、伊藤羊一さんが推薦するのも頷けますね。
経営戦略の歴史を概観したい方、経営理論を勉強し直したい方にも、コンパクトにまとまっているので、おすすめです。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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好業績な企業と低業績の企業との有意な差は、「自社の経営哲学」「経営のコンセプト」「公的なイメージ」に含まれる要素であることが明らかになった
「ターゲット顧客や市場」や「主要な製品やサービス」といった要素は、むしろ低業績の企業のほうが多く記載していることがわかる
マクロ経済の動向は、ポーターがポジションニングアプローチを提唱したように、新しい市場が拡大していく1970年代後半に似ているように思える。このような変化の早い環境においては、1つの事業に縛られることなく新しい事業を積極的に行う必要がある
既存の事業を行うために必要な知識の「深化」だけでなく、新しい事業に踏み出すための知識の「探索」も必要である。そして、それらを行うためには、企業は自社の経営資源の配分を柔軟に変化させながら、ダイナミックに経営資源を入れ替えていくことが必要になる
メーカーやIT企業など何らかの強みのある技術をもとに、30%から40%を本業以外で稼ぐ事業を作り上げていく多角化戦略が最も好ましい
多角化された事業間の相互依存度合いが高い集約ー関連企業では、好ましい経営陣の布陣は、オペレーション、製造、設計、マーケティングなど主要な機能のトップがそれぞれそろうことであり、一方で、それ以外の相互依存度合いが低い企業では、経営管理、ファイナンス、法務などの機能面に詳しい経営陣がそろっているべきという結論を得た
既存の主要顧客だけにとらわれず、カニバリゼーションを重視せず、規模の小さな顧客からの声もきちんと把握している企業は、頻繁に破壊的なイノベーションを起こすことができる
海外での学問経験、前職の勤務経験や自身の生まれなどの地の利がある経営者ほど、ボーングローバル企業を設立する
優良企業は多額の現金を持つことを好み、節税効果を重視して借入を増やすことはしていない
ワーク・ライフ・バランスと株価の関係は、ハイテク産業や女性の雇用率が高い業界ではより顕著
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表紙まわりから受ける印象は「最先端理論」ですが、実際には新旧織り交ぜながら、使える経営理論を紹介しています。
引用元を示しながら、経営論の系譜を丁寧に追っているので、これまで経営学を学んだことのない方でも、問題なく読めると思います。
何が変化の時代に使える理論なのか、知りたい方には、おすすめの一冊です。
ぜひ読んでみてください。
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『ニューノーマル時代の経営学』森泰一郎・著 翔泳社
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◆目次◆
Part1 世界最先端の経営戦略理論
Chapter1 変化に対応する戦略創造
Chapter2 新規事業の成功確率
Chapter3 イノベーション理論の実際
Chapter4 ニューノーマル時代のグローバル戦略
Chapter5 成長戦略とファイナンス戦略
Part2 世界最先端の経営組織論
Chapter6 組織のあり方と生産性
Chapter7 ダイバーシティと企業業績の関連性
Chapter8 不確実下におけるリーダーシップ
おわりに ニューノーマル時代の経営に必要な背骨となる理論を身につける
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