【起業家・投資家におすすめ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798165247
本日ご紹介する一冊は、世界屈指の投資会社、ブラックストーンを作ったスティーブ・シュワルツマンが、自らの半生を語った自伝。
優れた起業家であり、投資家であり、交渉マンである著者が、人生でどんなことを学んできたのか、何を教訓としてビッグディールをまとめてきたのか、その人生哲学とビジネスノウハウが学べる一冊です。
自らが手掛けてきたディールの詳細、一流ビジネスパーソンとのやり取り、彼らと交わした会話などが、いちいち勉強になる、充実の内容です。
ジャック・ウェルチ、エリック・シュミット、レイ・ダリオ、クラウス・シュワブほか、世界を代表するリーダーたちが推薦の辞を寄せていることからも、著者の政財界に与える影響の大きさが伺い知れるのではないでしょうか。
ビジネスノウハウだけを手っ取り早く知りたい人には、巻末にまとめられている「仕事や人生に役立つ25のルール」がおすすめですが、まるでドラマのような著者の人生やディールを追体験しながら読むことを強くおすすめします。
小さなリネン店に生まれ、大学受験に失敗し、就職してからも失敗続き。我が強くて人間関係も上手く行かなかった著者が、なぜ金融の世界で大成功を収めたのか。
チームやコミュニティ、コラボレーションの重要性が叫ばれる今日、著者の成功のスタイルは、これからの起業家、投資家のモデルになると思っています。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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目標は大きかろうが小さかろうが達成するむずかしさに変わりはないというのがわたしの信条だ。唯一のちがいは大きい目標のほうがはるかに大きな結果をもたらすことだ。人は一度にひとつのことしか本気で取り組めないのだから、成功のために必死になる価値がほんとうにある目標を追求しなければならない
「電話交換機を目指しています。無数に入ってくる情報を選別して、世界中に送り返したいと思います」面接官は変人を見るような目でわたしを見たが、わたしはそうなりたいと確信していた
問題がむずかしいほど競争はかぎられる
わたしたちの考えでは、ほかの会社はみずからを狭い範囲に限定しすぎ、新機軸を打ちだす自己の能力に限界を設けていた。自分たちをアドバイザリー会社、投資会社、クレジット会社、不動産会社と決めつけてしまっている
金融業界には「時間はどんな取引も傷つける」という格言がある。長く待てば待つほど予想外の手痛い事態に見舞われやすくなる
支払う額をできるだけ安くおさえることにこそ価値があるという人もいる。このタイプの投資家は、取引そのものや、取引の文言をこねくりまわすことや、交渉の場で相手を打ち負かすことに夢中になる。わたしにはこれは目先にとらわれた考えかたに思える。資産を所有したあとに実現できるすべての価値を無視しているからだ
景気の波を見きわめる方法
1.市場の天井は比較的見わけやすい。買い手はたいてい自信過剰になり、ほとんどの場合「今回はちがう」と考える。通常それはまちがっている
2.好況な市場では常に買収や投資の資金を融通する比較的安価な借入資本が余剰となる
3.何人の知り合いが金持ちになりはじめたか
たとえ自分の行動指針に完全に合致することでなくても新しい経験には常に心を開いておくことが大切だ
困難な立場にある人は自分の問題にばかり目を向けがちだが、その答えはたいてい他人の問題を解決することにある
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数多くの著名人との交遊録が、数十ページにのぼるカラー写真で収められており、著者の自己顕示欲を伺わせますが(笑)、載っている方々があまりに著名なので、ミーハー心をくすぐられます。
基本は自伝ですが、ビジネス書として読んでも、役立つ人生訓・ビジネスノウハウが詰まった、充実の一冊です。
ぜひ読んでみてください。
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『ブラックストーン・ウェイ』
スティーブ・シュワルツマン・著
熊谷淳子・訳 翔泳社
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798165247
<Kindleで購入する>
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◆目次◆
Part1 障害をとりのぞく
Part2 価値ある夢を追求する
Part3 まがり角の先を見通す
Part4 タッチダウンをねらって
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