【出前館のマーケティング思考】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478113718
本日ご紹介する一冊は、ダウンタウンの浜田雅功さんが躍るテレビCMで一躍有名になった「出前館」のCOO、藤原彰二氏が書いた、マーケティング本。
2006年からマーケターとしてのキャリアをスタートし、複数のウェブコンサルティング会社で実務責任者を歴任。その後、サンフランシスコでO2O事業の投資とR&Dに従事。2015年にLINEに入社し、ショッピング、グルメ、トラベルの領域で6サービスの立ち上げ推進、その後LINE Pay株式会社CMOとして活躍した著者が、出前館COOに就任して、何をやったのか。
本書には、その詳細が書かれています。
著者なりのデリバリービジネスの捉え方、データ分析して見えてきたビジネスのセンターピン、業績アップのための社内改革施策、指名検索を増やすために考案した広告戦略…。
テレビCMを手掛けた電通クリエーティブディレクター、見市沖氏との対談も読み応えある内容です。(巻末には、ダウンタウン浜田雅功氏との対談も収められています)
マーケティングには、常識を疑い、挑む姿勢が求められると思いますが、その姿勢を表したのが、タイトルの『それっておかしくね?』です。
疑うことと、新たな仮説を立てること、そして調べ、試すこと。
本書には、そんな生きたマーケティングの実例が書かれています。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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2020年8月のCM放映開始後、出前館の認知率は57.2%から79.9%(21年1月)にアップ。検索数も飛躍的に上がり、会員数は21年3月に582万人を突破。21年3月時点での四半期売上は62億円で昨年同期比3.1倍、加盟店舗数は5.9万店で同2.79倍
おおむね上位3社しかプレイヤーとしては残れず、残りは撤退するという傾向にあります。ちなみに、インドではウーバーイーツがこの3強に入れず撤退しました。なぜこうなるのかというと、シェアを左右するような大手の加盟店(アメリカで言うと、マクドナルドやケンタッキーフライドチキンなど)が、あまりたくさんのサービスに加盟したがらないから
日本のおけるデリバリーは決して日常使いではなく、まだまだ「ハレの日の贅沢」としての利用が多い
出前館の配達品質の定義
・料理が崩れず、熱々・できたてのままお届けする
・配達員の身だしなみがきちっとしている
・時間どおりにお届けする
データによると、予約はだいたい1週間くらい前から入りはじめ、一番多いのは1、2日前。つまり「外食は1~2日後のニーズ」
内食とは「3時間後、もしくはそれより先のニーズ」
テイクアウトって、その店に立ち寄ったとき、“今すぐ”受け取りたいんですよね。(中略)つまり「0分後のニーズ」です
「出前館」というキーワードで指名検索した人のほうが、その他のキーワードで出前館に行き着いた人より、ずっとコンバージョンレートが高い、つまり実際に注文してくれる率が高いことが判明しました。指名検索は10%、その他のキーワードでは1%です
出前館はリターゲティング広告をやめました。その分、再現性の高い「アプリのクーポン」と「ブランド検索(指名検索)」に予算を思い切り寄せた
店のチョイスは、最初は売上が高い店としていたのですが、2021年3月からは出前館限定メニューがあることを紹介の条件としました。これだったら、視聴者が出前館でオーダーする「理由」ができます
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後半は、著者の半生の記録や社会への意見が主ですが、マーケティングに興味のある方は、前半だけでも勉強になると思います。
ヒット広告の裏側にあった出前館のマーケティング思考、知りたい方はぜひ読んでみてください。
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『それっておかしくね?』藤原彰二・著 ダイヤモンド社
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478113718
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◆目次◆
第1章 古い体質を一掃せよ!
第2章 デリバリー戦国時代に立ち向かう
第3章 「再現性のない広告はいらない!」出前館のマーケティング
特別対談 出前館のCM制作の舞台裏 見市沖×藤原彰二
第4章 「それっておかしくね?」の原点
第5章 チャレンジする人が常に“正しい”
第6章 DX時代のフードデリバリー
巻末対談 浜田雅功×藤原彰二
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