【GAFAが狙うボイステック市場とは?】
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本日ご紹介する一冊は、GAFAを始め、世界の名立たる大企業が狙うネクストマーケット、「ボイステック市場」に関するレポート。
著者は、音声プラットフォームVoicyを開発運営する株式会社Voicyの創業者、緒方憲太郎さんです。
2021年1月末に大ブームとなったClubhouseの影響で、にわかに注目されているボイステック市場ですが、本書ではその可能性と現状各社が展開しているサービス、今後有望な領域について、データを交えながら解説しています。
巻末には、著者とボイステックスタートアップの代表の座談会も掲載されており、各プレイヤーがどんなことを考えているのか、何に着目しているのか、貴重な視点が手に入ります。
なかでも、音声広告を手掛ける株式会社オトナルの八木太亮氏の視点は斬新で、音声広告の未来と、そこに潜むビジネスチャンスについて、たくさんヒントが得られました。
また、音声合成技術を活用した声のプラットフォーム「コエステーション」の立ち上げをした、コエステ株式会社執行役員・金子祐紀さんが言う、音声のエンタメ化にも可能性を感じました。
もちろん、ボイステックはまだまだ日本では小さな市場ではあり、かつ勢いのあったClubhouseもここに来て失速してはいますが、音声市場全体のなかからは、きっと大成功するサービスがいくつか生まれてくるはずです。
さっそく、本文の中から気になった部分を赤ペンチェックして行きましょう。
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人類は『情報を入力したり表示したりする「画面」に縛られた生活』から解き放たれるかもしれない
世の中は、情報を得るために起こる「生活の犠牲度」が減少する方向に動いている。人は、できるだけ楽に情報を得て、生活を豊かにしたいと願う。インターフェースは、こうした人間の「楽に情報を得たい」という欲求に合わせて、急速に進化してきたのだ
情報には大きく分けて2種類ある。テキストや画像、動画などの「手で作って目から入れる情報」と、音声という「口で作って耳から入れる情報」だ。前者については、ネット上にあるものをクローリング(機械的に読み取って収集)するグーグルが一気に押さえた。しかし後者の音声は、まだ誰も押さえていない
ここ数年で、音声を解析する技術が飛躍的に進み、デジタル音声データの内容を機械的に「理解」できるようになってきた
2016年にボイシーがサービスを開始しているほか、2017年には中国発のヒマラヤ、エキサイトの社内ベンチャーとして生まれた「Radiotalk」が始まった。2018年には韓国の「Spoon」が上陸、ライブ配信やコミュニティ機能を持つ「stand.fm」も開始した。2020年になると、HIKAKINなどの人気ユーチューバーを抱えるUUUMが、「REC.」を立ち上げている
イギリスの放送局BBCが2019年に行った調査によると、ポッドキャストを聴いている人の94%が、ほかのことをしながらの「ながら聴き」だったそうです。ということは、聴きながらやっている「ほかのこと」にマッチさせた広告訴求をすると、すごく刺さる。効果が高いんですよね。普通はなかなか、「何をしながら聴いているか」はわからないですが、例えばスポティファイの音楽配信では、いろいろなシチュエーションに合わせたプレイリストがあって、ランニングをしているときに聴くのにぴったりの音楽リスト、寝る前にリラックスしたいときに聴きたい音楽リスト、などがあるので、ターゲティングができます(八木太亮氏)
AIと会話する中で自然に広告が差し込まれるようになるでしょうね。「お疲れのようですから、コーヒーを買っておきましょうか」「よろしく」と(金子祐紀氏)
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著者がボイステックに関して当事者ということもあり、贔屓目に見ている感は否めませんが、新市場の今を知る上で、貴重な一冊だと思います。
ぜひ、読んでみてください。
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『ボイステック革命』緒方憲太郎・著 日本経済新聞出版
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◆目次◆
Prologue ボイステックの未来
voice1 なぜGAFAはボイステックに注目するのか
voice2 「本物」しか残らない
voice3 ボイステックで未来はどう変わるのか
voice4 革命レベルの変革が起きている
~ボイステックスタートアップ座談会~
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