【リーダーのための「軸」の作り方】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492558039
本日ご紹介する一冊は、2019年末まで外資系コンサルティング会社、カーニー日本代表を務め、2020年末までグローバルの取締役会メンバー、2021年初めからは、ラッセル・レイノルズ日本代表として活躍中の岸田雅裕さんによる一冊。
本書がテーマとする「インテグリティ」は、「高潔さ、誠実さ、真摯であること」といった意味ですが、リーダーとしてぶれない一貫性、軸といった意味も含まれます。
リーダーにインテグリティが備わっていれば、重要な局面で後悔しない意思決定ができる。また、企業として、人として正しい判断ができる。そういう意味で、本書は、リーダーにこそ読んで欲しい一冊です。
本書には、ネスレ元CEOやドラッカー、バフェットの言葉、そしてリクシル代表執行役社長兼CEOの瀬戸欣哉氏、コマツの四家千佳史氏、そして著者自身の事例が登場し、この「インテグリティ」についての理解を深めてくれます。
リクシル瀬戸氏のCEO返り咲きの話など、現場に関わったコンサルタントだからこそ語れる、ビジネスの舞台裏がもう一つの本書の魅力でしょう。
名経営者と呼ばれた人々に備わっていたもの、若いながらも伸びた人々に共通する資質がコンサルタントの視点から書かれており、キャリア論としても大変興味深く読ませていただきました。
話の半分はコンサルティングファーム経営の話、コンサルティング現場の話であり、コンサルタントにとっては、特に役立つ話だと思います。
リーダーを目指す方、経営者、コンサルタントの方には、特におすすめしたいと思います。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックしてみましょう。
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街をつくる仕事には建築の要素がある。このように考えて、東大男子新卒の採用実績のないパルコに就職しました。そして、5年間、自分はいかほどのものか試してみようと。そうすることで、私は私なりに自分へのインテグリティを取り戻そうとしたのだと思います
自分が日和ってしまったと思ったら落とし前をつけるとか、失敗したと思ったらそれを認めて挽回するとか、自分の中で糸がつながるようにストーリーをつくる。そうすることでインテグリティが培われていくのだと思います
「儲かるから」「給料が高いから」を基準に動くのは残念な人
古い話ですが、その点パルコは美しさを考えていた企業だったと思います。「区役所通り」という名称を「公園通り」に変えた話をしましたが、実は車道が二車線あったのを片道一車線にしたのです。つまり、車道を狭くした。当時は車が増える時代だったにもかかわらず、車道を狭くして歩道を広くした。さらに、パリにあったような赤い木製の電話ボックスを置いた。今はもうありませんが、それらを全部パルコがコーディネートしていったのです。それはパルコという企業に、「ファッションを売っている企業」としてのインテグリティがあったからできたことでしょう。つまり、「ファッションというのはなぜ売れるかというと、見てくれる人がいるから装うんだよね。すてきな服を着て人から見られるというのに、その背景がダサい街じゃしょうがない」という考えがあったからです
インテグリティのある人の条件の一つに、「課題設定ができる」ということがあります。「自分は世の中をこういうふうにしたい。それにはここをこうする必要がある」
産業を変えたいと思っている経営者と仕事をする
歴史とテクノロジーの両方について学び続けることが、「正しい」ことが直観でわかる、意思決定におけるインテグリティには必要
損得で自分の直観を鈍らせてはいけない
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インテグリティある生き方は、人間としての理想だと思いますが、往々にして損得や打算が加わり、実現できないもの。
結果として、人は卑屈になり、その言葉も力を失うのだと思っています。
インテグリティとビジネス・キャリアの成功の両方を実現するにはどうするか。
本書には、その秘訣が書かれています。
ぜひ読んでみてください。
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『インテグリティ』岸田雅裕・著 東洋経済新報社
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◆目次◆
まえがき インテグリティを自分自身の軸とする
序 章 インテグリティを追求する私自身の旅
第1章 インテグリティとは何か
第2章 課題設定におけるインテグリティ
第3章 意思決定におけるインテグリティ
第4章 クライアントの信頼を得るインテグリティ
第5章 チームの力をまとめるインテグリティ
第6章 次世代リーダーを育てるインテグリティ
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