【株価上昇率日本一の秘密。5段階利益管理とは】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478113122
本日ご紹介する一冊は、化粧品や健康食品を手掛ける北の達人コーポレーションの代表、木下勝寿氏による経営書。
株価上昇率日本一、史上初の4年連続上場、一人あたり利益2332万円(2020年2月期)を実現した、超効率経営の秘密を公開した、注目の一冊です。
コロナ禍に加え、今後いっそうの人口減少が見込まれるわが国では、売上至上主義はもうとっくに限界を迎えていますが、本書はそれに代わる、「売上最小化、利益最大化」を目指す経営の実践を説いています。
不況に強い会社を作る「無収入寿命」という考え方、無収入寿命を伸ばすための方法、さらには利益を最大化するための経営管理の方法を説いています。
なかでも注目したいのは、第3章で詳述されている同社の「5段階利益管理」という方法。
売上総利益(粗利)に加え、同社の造語である純利益(売上総利益-注文連動費)、販売利益(純利益-販促費)、ABC利益(販売利益-ABC(商品ごとの人件費))、商品ごと営業利益(ABC利益-運営費)といった、計5つの利益指標を紹介しており、その緻密さに驚きます。
管理会計の方法の詳細は本書に譲りますが、徹底的に数字にこだわる経営姿勢から、学べることは多いと思います。
「売上が上がれば、単純に利益も上がるわけではない」
「同じ利益なら売上は少ないほうがいい」
「売上10倍は「リスク10倍」を意味する」
まさに、不確実性の時代の経営思想だと思います。
さっそく、本文の中から気になった部分を赤ペンチェックして行きましょう。
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売上100倍は手間も100倍。経営していれば常にトラブルが起こるが、トラブルは売上に比例して多くなる。利益が同じなら、売上が大きいほうがリスクは高い
売上はコストをかければ簡単に上がる。100億円の売上を上げたいなら大量に広告を打てばいい。しかし、変化の激しい時代、先行投資期に売上が上がっても、回収期には市場が変わって利益が回収できないことはよくある。だからこそ売上と利益をセットで管理する経営方式を採用しなくてはならない
年々、高品質商品でロングセラーを狙うビジネスモデルが主流になってきているが、当社の定期購入(サブスクリプション)による売上比率は約7割。これが利益を生み出す源泉になっている
「無収入寿命」をのばす4つの考え方
1.無収入寿命を何か月にするか目標を決める
2.月次決算時に無収入寿命を算出する
3.純手元資金の目標額が貯まるまで、大きな投資をせずにコツコツ貯める
4.純手元資金の目標額が貯まったら、安心してチャレンジする
無収入寿命=純手元資金÷月額固定費
純手元資金=「総資産」-「固定資産」-「棚卸資産」-「流動負債」
商品・サービスを「少産少死」にすること。商品は一生売り続けるつもりで開発する
5段階利益管理は、利益を商品・サービスごとに次の5段階で見える化する方法
利益1 売上総利益(粗利)
利益2 純利益(売上総利益-注文連動費)
利益3 販売利益(純利益-販促費)
利益4 ABC利益(販売利益-ABC(商品ごとの人件費))
利益5 商品ごと営業利益(ABC利益-運営費)
最も全体利益が多くなる最適な上限CPOを見つけることが大切
上限CPOを決め、それ以上は広告を出さない
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以前にも、『なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか?』で、売上を減らして利益を増やす経営論を紹介しましたが、本書は、さらに突っ込んで管理会計、マーケティングにまで言及した一冊。
企業規模を問わず、せひ読んでおきたい注目の経営論です。
ぜひ、読んでみてください。
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『売上最小化、利益最大化の法則』
木下勝寿・著 ダイヤモンド社
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478113122
<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B093L6RQ9X
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◆目次◆
第1章 売上ゼロでも生き残れる
「無収入寿命」という考え方
第2章 売上OSが利益OSに変わる!
売上最小化、利益最大化の法則
第3章 会社の弱点が一発でわかる
「5段階利益管理」
第4章 小さい市場で圧勝する商品戦略
第5章 利益率29%を実現する販売戦略
第6章 ファンの心をつかんで離さない
「演歌の戦略」
第7章 未経験者でも利益を上げ続ける
人材戦略
第8章 売上1000億・利益300億円を実
現する戦略
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