【仕事のストレスがなくなる?】
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本日ご紹介する一冊は、精神科医・産業医の奥田弘美さんが書いた、メンタルヘルスの本。
約10年前から産業医を中心に活動し、現在、約20社を担当、これまでに2万人以上をメンタルケアしてきたという著者が、職場ストレスの原因や対処法、働き盛りが陥りやすい罠について述べています。
著者は冒頭で、こう述べています。
<自分自身で決定権を持つフリーランスや経営者とは違い、組織の一員となって働く人には常に大きな「組織ストレス」がつきまといます>
そのストレスの内容については、各年齢層とも「仕事の質・量」がトップだそうで、次いで「対人関係」「仕事の失敗責任の発生」がトップ3を占めるのだそうです。
会社で働く人には、どんな「心の危機」があるのか、どう考え、行動すればストレスから身を守れるのか、具体的に述べられているので、転ばぬ先の杖として、重宝すると思います。
特に、経営者、企業の人事は読んでおくと良いでしょう。
昔、著者に直接会って教えてもらったことですが、人間はたとえうれしいことでも、重なるとストレスになる。
変化自体がストレスになるということで、現在、仕事がとても充実している、という人も、気をつけるに越したことはありません。
さっそく、本文の中から気になった部分を赤ペンチェックして行きましょう。
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長年、精神科医、また産業医として働く人のメンタルサポートに携わってきた経験から、しんどさの正体を突き止めるための「6つのキーワード」を発見しました。それが、【同調圧力】【過緊張】【変化ストレス】【成果ストレス】【人間関係ストレス】【リモートワーク】の6つです
アメリカ・バージニア大学のトーマス・タルヘルム博士の研究チームは、米を栽培する地域の人々は、小麦を栽培する地域の人々に比べて、集団的で全体主義的な傾向が強くなるという研究結果を2014年に科学誌「サイエンス」に発表しました。米を栽培するほうが労働量が多く、近隣の人々と協力する必要があるために相互依存性が強くなり、逆に小麦を栽培する地域は自立的・分析的に考える傾向が強くなる、と結論づけています
大阪大学社会経済研究所(当時)の西條辰義教授らが行った実験の結果、日本人は米国人や中国人より「自分の取り分を減らしてまでも、相手の取り分を減らそうとする傾向」が強いという結果が出た
“つかず離れず”のスタンスでグループに属さないでいることのほうが、長い目で見ればストレスは少ない
同調圧力をかけてくるグループと一緒に働かなければならなくなった場合、ときには「嫌われてもよい」と開き直ることも有効
物事に几帳面で神経質な人、何事にも妥協したくない完璧主義な人は、特に過緊張が起きやすい体質かもしれない
緊張感を感じる習い事はキャンセルする
「春」は誰もが変化ストレスで苦しむ季節
心身がストレス状態にあるときに、人生を左右する大きな決断はしてはいけない
「タフな社員がメンタルを病む」3つのパターン
1.終わりのない過重労働に陥ったとき
2.家族が大きな病気になったとき
3.クレーム対応や陰湿ないじめが長引いたとき
寝る3時間前からはアルコールを飲まない
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表紙からは、若い働き手向けの本を想像させますが、中身は子育ての話があったり、更年期障害の話があったり、いまいちどのターゲット・年齢層に向けて書いたのか、不明瞭なところがあります。
職場のメンタルヘルス全般について知りたい方には、広く網羅されていて、良いかもしれません。
興味ある方はチェックしてみてください。
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『「会社がしんどい」をなくす本』
奥田弘美・著 日経BP
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296109502
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◆目次◆
第I部 「会社がしんどい」のはなぜ?
1章 同調圧力 「和」を大切にするからストレスがある!
2章 過緊張 「仕事が気になって眠れない」はキケンなサイン
3章 変化ストレス 「うれしいこと」も重なるとストレスに
4章 成長ストレス ギリギリの人数で仕事を回すから過労に!
5章 人間関係ストレス 身近にあるパワハラ・セクハラ
6章 リモートワーク 家で仕事をしてもストレスがこんなに
第II部 危機は3回訪れる!
7章 若手 「学生気分」を引きずると、こころのトラブルに
8章 中堅 公私ともにのしかかる責任がストレスに!
9章 ベテラン 体力が落ち、健康不安もストレスになる
第III部 カラダとココロがラクになる!
10章 睡眠 ストレスが続いたら睡眠を最優先に!
11章 食事 「いい加減な食事」が不調とうつを招く
12章 運動 忙しくてもできる「ながらウォーキング」
13章 こころ 心のエネルギー不足をいち早くキャッチ
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