【コロナ禍でも勝つ経営のヒント】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866672781

本日ご紹介する一冊は、『日本でいちばん大切にしたい会社』シリーズなどで著者累計100万部を突破した経営学者、坂本光司さんによる一冊。

※参考：『日本でいちばん大切にしたい会社』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860632486/

コロナ禍において、「商売繁盛」という概念が死んだ今、実践したい「高付加価値経営」「非価格経営」のヒントが書かれた、中小企業必読の一冊です。

2016年に著者が書いた、『さらば価格競争』から５年間の変化を踏まえて同書を全面改訂・加筆修正したもので、新たに十数社の事例を加えています。

著者は現在、千葉商科大学の大学院商学研究科で中小企業人本経営（ＥＭＢＡ）プログラムのプログラム長を務めていますが、本書はそのプログラム生が、全員参加の「全体研究」のひとつとして行ったもののようです。

個性的経営を実践する計24社の事例が、経営の転機、新商品開発、値づけ、非価格化実現のポイントなどを踏まえて書かれており、じつに参考になります。

なかでも、時代のニーズを取り入れつつ、伝統技法を守る「ふらここ」の日本人形の事例は、日本の技術継承のヒントとなる事例であり、多くの企業に学んでいただきたい内容だと思いました。（長崎でも、同様の試みをしている波佐見焼が大ブレイクしています）

コロナ禍の今、「密」や「価格競争」を避けて商売をするには、いったいどうすればいいのか。

高付加価値でゆとりある経営、社員や取引先、お客様にやさしい経営、さらには技術の継承にも貢献できる経営を実現するために、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

さっそく、本文の中から気になった部分を赤ペンチェックして行きましょう。

—————————-

中小企業は、小回りやスピードが活かせる分野、小ロットや短納期が要求される分野、顧客の顔が見える分野、他社がやれない・やりたくない分野で生きるべき

価格競争や価格の決定に苦しまない経営をするためには、「常に供給不足・需要超過の分野で生きる」ことが鉄則

◆東京都中野区の美容室　トランスフォーム
アレルギーのある人でも安心して通える美容室

◆日本人形をネットで販売する　ふらここ
同社の人形の４つの特徴
１．ふっくら丸くかわいらしい「赤ちゃん顔」
２．「手のひらサイズ」で飾りやすい
３．衣装や道具、屏風がパステルカラーやナチュラルな淡い色調で、洋風の部屋にもなじむ
４．製造方法は伝統技法を守る

◆タオル製造販売　ホットマン
2013年にブランド強化のため、上質で吸水性が高いタオルを「１秒タオル」と表現してプロモーションを推進。その結果、主要タオルの売上げが１年で約1・5倍に増加しました

◆食品工場に特化した工場建設　三和建設
設計事務所が設計したものを建設するだけであれば、価格で比較されてしまいます。設計施工だからこそ独自の提案ができ、理由ある価値提示が可能となります。現在、同社では設計施工比率74・1％

◆究極のビニール傘で脱競争　ホワイトローズ
・雨天時の演説でも顔が見える「シンカテール」
・お坊さんが雨の日にお経を読む時に袈裟が濡れないための大きな傘「テラ・ボゼン」
・風速30メートルに耐えてしかも持ちやすい山ガール向けの小型の傘「カテール・ピッコロ」

◆栃木県那須塩原市　パン・アキモト
街にある普通のパン屋さんとして、毎日店頭に焼きたてのパンが並びますが、実は売上高全体の約７割を占めるのは、備蓄用に開発された缶入りのパン、「パンの缶詰」

—————————-

価格競争に陥らないために、中小企業が心掛けるべき原理原則、それを各社がどう実践しているのかが書かれた、良質なケーススタディです。

ぜひ、読んでみてください。

———————————————–

『もう価格で闘わない』坂本光司・著　あさ出版

＜Amazon.co.jpで購入する＞
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866672781

＜Kindleで購入する＞
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B094CT1PQJ

———————————————–
◆目次◆

非価格経営を進めるために必要な８つのこと
PART1　ブランディングで非価格経営を実現する
PART2　ニッチ市場で非価格経営を実現する
PART3　商品力・技術力・サービス力の「差別化」で非価格経営を実現する
PART4　「いい会社」として価格以外の価値観経営を実践する