【竹内謙礼さんによる、痛快お仕事小説】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041111633
本日ご紹介する一冊は、ECを得意とする経営コンサルタントでありながら、ビジネス小説もベストセラーとなっている竹内謙礼さんによる新刊。
著者が公認会計士と共著で書いたビジネス小説『会計天国』は、会計入門書のベストセラーとなりました。
※参考:『会計天国』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569760678/
今回、著者がテーマに選んだのは、ズバリ「働き方改革」。
滑稽な「残業禁止コンテスト」に挑むハマヤ水産の子会社で米菓メーカーの「亀岡堂」を舞台に、真の生産性とは何かを考えさせる内容となっています。
なぜ「生産性の向上」は難しいのか、なぜ社内の仕事は増える一方なのか、なぜ残業禁止は苦しいのか、本書を読めば、その理由がわかると思います。
社内の働き方改革担当はもちろん、中小企業の経営者も、読むと生産性向上のヒントが見つかると思います。
相変わらずウィットに富んだ内容で、ところどころ、笑える内容。
でも、きっと役に立つと思います。
さっそく、本文の中から、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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飯尾は「働き方改革」という言葉が好きではなかった。労働時間を短くした上で、さらに業績をあげていくのは無理な話だとずっと思っていた。例えるのなら四十五分でやっていたサッカーの試合を三十分に短縮して、今よりも点数をたくさん入れろといっているようなものである
「当日ではダメだ。前日だ」栗林が語気を強めた。「前日に資料を配れば、会議に出る前に出席者が目を通せるだろ。そうすれば話し合いもスムーズに進む」
「パワポで資料を作ると手の込んだものを作ってしまう。ページも増えるし、会議も長引く」
亀岡堂の残業が増えてしまう最大の要因は、多品種多品目の米菓を大量に生産している経営スタイルにあった。様々な米菓を取り扱うことで、多くの商品を卸すことができることは亀岡堂の強みでもあったが、半面、味や形の細かい仕様変更が頻繁に行われるため、新たなパッケージの制作やラベルの変更などの仕事が増えてしまい、現場に大きな負荷をかけていた
「たぶん……仕事の手を抜くなんて、できないからだと思います」「なぜできない?」「だって無理じゃないですか。仕事は全力でやるもんですよ」
「残業が禁止されたら僕みたいに要領の悪い人間は行き場を失います」
「残業は止めさせることが大事なんじゃない。止める方法を教えることのほうが大事なんです。それが提案できないんだったら、彼らに残業をさせてあげてください」
「サラリーマンの仕事の面白さは会社のやりたいことと、自分のやりたいことのせめぎ合いの中で結果を出すことなんだよ(以下略)」
高い目標を立てると何をすればいいのか分からなくなるが、小さな目標を立てると自分が何をすればいいのか明確になる
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コンサルタントの栗林が、建前の生産性向上の理論を語り、それに対抗して、責任者飯尾と現場の社員たちが知恵を絞るという内容で、その対決も楽しめます。
会社と自分のために働くと苦しくなるが、お客様のために働くと、見える世界が違ってくる…。
働き方改革への批判と、商売で一番大切なことが述べられた内容です。
ぜひ、読んでみてください。
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『深夜残業』竹内謙礼・著 KADOKAWA
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◆目次◆
プロローグ
第一章 残業はやめなさい
第二章 早く帰りなさい
第三章 闇残業はやめなさい
第四章 社外残業はやめなさい
第五章 残業禁止はやめなさい
第六章 無駄な会議はやめなさい
第七章 仕事は頼みやすくしなさい
第八章 誰かを助けなさい
第九章 おせんべいを配りなさい
エピローグ
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