2021年1月12日

『2040年の未来予測』成毛眞・著 vol.5672

【20年後に備えよ。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822288900

本日ご紹介する一冊は、元日本マイクロソフト社長で、科学技術に詳しい成毛眞さんが、2040年の経済・社会を論じた予測本。

予測本は好きなジャンルで、頻繁にチェックするのですが、これは興味深く読ませていただきました。

2040年までの20年というスパンでは、既知の内容が多かったですが、さすが投資家としても知られる著者だけあって、2021年現在の、既に進行しつつある未来、そして2030年までの近未来予測が面白い。

現在ある技術が、どのように未来を創るのか、それがどのくらいの規模のビジネスになるのか、科学者やシンクタンクがまとめた予測本では、絶対に読めない視点が入っており、これは「買い」だと思いました。

スマート調理器具やフィードバック機能のある生活用品、全固体電池、培養肉、アフリカファッション、温暖化に伴う農業シフトなど、気の利いた読者なら、本書を読んで得られるビジネスチャンスは数多くあると思います。

想像力とリサーチ力を最大限発揮すれば、本書から、投資対象銘柄を導くことも、難しくないでしょう。(一部、記述があるものもあります)

さっそく、本文の中から、気になった部分を赤ペンチェックしてみようと思います。

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衛星で宇宙に巨大な通信網を構築し、へき地でも高速インターネット接続が可能になる。この方式では、衛星で宇宙からインターネットの信号を送る。安価で、しかも小型のアンテナさえあれば、光フ
ァイバーなどのケーブルを敷く必要がない。途上国などでも十分な通信速度になるといわれている。中心にいるのは電気自動車(EV)の米テスラを率いるイーロン・マスクだ

「こんな夜中にチョコレートを食べるんですか?」。あなたがダイエット中だったら、冷蔵庫にこう警告される日はそう遠くないだろう。2040年、冷蔵庫は、ただモノを冷やすためのものではない。中に入っているものの中から、食事のメニューを提案してくれたり、健康を管理してくれるようになっているかもしれない

2020年の時点で、うまく歯を磨けているか、どこを念入りに磨くべきかを教えてくれる歯ブラシが開発中のことを考えれば、虫歯の有無も診断できるようになっているはずだ

今、アマゾンは人間の手のひらをクレジットカード代わりにしようとしている

現在、全固体電池に熱い視線を送るのは自動車業界である(中略)電気自動車のリチウムイオン電池が全固体電池に代わると、日本のエネルギー事情は一変する。電気自動車が、その地域の蓄電に役立つかもしれないからだ。「V2G(ビークル・トゥ・グリッド)」が大化けする可能性がある。V2Gとは、電気自動車などを蓄電池としてインフラ活用する技術だ。これがあれば、地域に安定した電力の供給や調整ができるようになる

これからの時代はテクノロジーよりも政治が株価を決める

ラグジュアリーブランドにとっても次の上級顧客はアフリカ系であり、そのための布石を打ち始めているのである。2019年には若手デザイナーの世界的登竜門とされるLVMHプライズのグランプリに南アフリカのテベ・マググが選ばれた。彼の、黄土色や赤などアフリカを思わせる色を大胆に使う手法は注目を集めた

地球温暖化で、生産に適した土地が年々限られるようになる

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2040年に、団塊ジュニアの土井は65歳になっていますが、そんな団塊ジュニア世代にとっても、役立つ人生設計のアドバイスがなされています。

・マンションの価値は下がる
・民間の保険には入らない方がいい
・資産形成したいならインデックスファンド
・自分のいる場所がどんな水域か知っておくべき

書かれている未来は、決して明るいものではありませんが、知っておくことで避けられる悲劇がたくさんあることも事実。

ぜひ読んで、明るい2040年にしましょう。

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『2040年の未来予測』成毛眞・著 日経BP

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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08QTYW1B4

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◆目次◆

chapter#01 テクノロジーの進歩だけが未来を明るくする
chapter#02 あなたの不幸に直結する未来の経済
       ──年金、税金、医療費
chapter#03 衣・食・住を考えながら、未来を予測する力をつける
chapter#04 天災は必ず起こる

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