【勇気とヒントがもらえる。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798061913
ビジネス書は性質上、どうしても上手く行っている人の話を紹介しがちですが、実際には、時代の変革期にコロナ禍が重なり、苦しい状況に陥っているビジネスパーソンも多いと思います。
本日ご紹介する一冊は、そんな困難に立ち向かう勇気とヒントを与えてくれるありがたい本。
古今東西の偉人たちの失敗話、そしてそこからどう這い上がったか、なにが成功要因だったかを紹介した、『人生!逆転図鑑』です。
著者は、200冊以上の著作を持つ、早見俊さん。
ビジネス書の専門家ではなく、歴史小説、時代小説が得意な方のようですが、その分、見出しやストーリー、まとめ方が面白い。
それぞれ、「○○の逆転人生に学ぶ3つのポイント」がついているので、ビジネス書、自己啓発書として読んでも面白いと思います。
栄枯盛衰を扱う歴史小説・時代小説の書き手だけあって、長い目で見た成功と失敗を扱っているのが特長。
紹介されている人物のセレクションも、ヴェルナー・フォン・ブラウン(ロケット開発者)、山下太郎(アラビア石油創業者)、小佐野賢治(国際興業グループ総帥)、アルチーデ・デ・ガスペリ(イタリア首相)など、普段あまり紹介されない人物が取り上げられていて面白い。
さっそく、本文の中から気になった部分を赤ペンチェックして行きましょう。
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◆ヴェルナー・フォン・ブラウン
ヒトラーの恐怖政治の尖兵となったSS少佐であったことは、たとえブラウンが残虐行為に加担していなくても、批難を向けられるキャリアでした。また、母国ドイツからも「敵国であった米国に渡って、ロケット開発に従事するとは裏切り行為だ」という批難の声が上がりました。(中略)ブラウン自身は「宇宙に行くためなら、悪魔に魂を売り渡してもいいと思った」と語っています
ブラウンの逆転人生に学ぶ3つのポイント
1.夢の実現には「環境」を第一に考える
2.「環境」を手にするためには、非情になる必要もある
3.「環境」を守るためには、他人からの評価、名誉、報酬は気にしない
小佐野賢治の逆転人生に学ぶ3つのポイント
1.自分に経験や興味がない事業には手を出さない
2.誰よりも一生懸命に、かつ経営者目線で働く
3.普段はケチでも、お金を使うときは思い切って使う
◆早川種三
再建に当たって、大きな問題がありました。従業員のリストラです。(中略)誹謗中傷は会社だけでなく自宅にも及び、猫の死骸を入れた菓子箱が送られるに及び、妻と娘2人の身を案じた早川は引っ越しをします。(中略)当初は頭に血を上らせていた組合側も、次第に冷静になっていきました。早川の説得に折れ、180人が残り、事務員・技術者は2割の賃金カット、工場労働者は賃金据え置きで妥結します。その際、早川は残った社員に言いました。「みじめになるな。これが最低の状態ならば、あとは上昇するだけだ」
◆アルチーデ・デ・ガスペリ
アルチーデ・デ・ガスペリ、日本では馴染みのない名前ですが、ヨーロッパでは欧州連合(EU)創立の父の1人に数えられる有名人物です。(中略)投獄された彼は、家族への手紙に次のように記しました。「不正をおこない他人を苦しめるよりも、他人の不正によって自分が苦しんだほうがいい」
レーガンの逆転人生に学ぶ3つのポイント
1.スピーチの達人になること。読書、メモ、現地での情報収集は必須
2.停滞期には仕事を選ばずこなすことで、人生が開けることもある
3.人気を集めた者が人生を制す。あらゆるメディアを有効活用せよ
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慎重派には、転ばぬ先の杖として、既に困難に陥っている人には、人生逆転の勇気を与えてくれるビタミン剤として、活用できると思います。
ビジネスノンフィクション好きとしては、もうちょっとディテールを突っ込んで欲しいところですが、コンセプトが図鑑なので、短い時間でざっと読める、という意味では良いと思います。
秀和システムさんは、コンピュータ書メインの版元さんですが、たまに面白いビジネス書を出してくるので、目が離せませんね。
ぜひ読んでみてください。
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『人生!逆転図鑑』早見俊・著 秀和システム
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◆目次◆
第1章 執念爆発型 誰にも負けない、夢を諦めない
第2章 才気煥発型 時流を読んで人心を見る天才たち
第3章 国難逆転型 戦争、不況、国の有事を救った英雄
第4章 強メンタル型 どんな挫折にも理不尽にも折れない
第5章 大器晩成型 老いや衰えを知らない尽きぬ野望
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