【シンプルな論理思考の技術】
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映画になったマイケル・ルイスの『マネー・ボール』はじめ、スポーツのハック物は、読んでいてじつにワクワクします。
※参考:『マネー・ボール』
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オークランド・アスレチックスのゼネラルマネジャー、ビリー・ビーンが「出塁率」に注目して目覚ましい成果を上げたように、常識で凝り固まった世界に新しい基準を持ってきて、まったく違った戦い方をする。
考えてみれば、ビジネスの歴史もそうかもしれません。
本日ご紹介する一冊は、蘭和女学院高校女子サッカー部のメンバーが、これ以上シンプルにできない「論理思考」の技術、「わける」と「つなぐ」を使って、強豪校に挑むという物語。
実力で劣る、明らかに寄せ集めのチームだった女子サッカー部が、「わけるとつなぐ」を使ってどう変わるか。
ストーリーを楽しみながら、ビジネスで役立つ論理思考が身につく、ユニークな一冊です。
著者は、「ビジネス数学検定」国内初の「1級AAA」(最高ランク)認定者であり、ビジネス数学教育家の深沢真太郎さん。
サッカーの例を使って、成功の要素をどう分解し、勝利へのプロセスを導き出すか、その過程が丁寧に書かれています。
「わけるとつなぐ」
結論だけ言われるとシンプルな手法ですが、これが人生に与える影響は大きい。
そういう意味では、教育者にこそ読んでいただきたい一冊です。
さっそく、本文の中から気になったポイントを赤ペンチェックして行きましょう。
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ちゃんと考える=「わける」と「つなぐ」
それは、いくつの要素に分けられるか?
数学を勉強するという行為は何でできているか、に対するアヤの答え
「えっと、まずは教科書。そして教える先生、かな」
「わける」とポイントが見える
「つなぐ」と答えが出せる
「つまり、スマートフォンの故障という事象の原因は細部にあるはずです。だから、本体を細かく分解することで原因を特定できる。原因を特定できるから故障は治るんです(以下略)」
「ありがとうございます。ところでアヤさん、1つ確認してもいいですか」
「なんですか?」
「ユニフォームがかわいくない、は、このチームが弱い理由になるのでしょうか?」
「やっぱりそこ突っ込みますよね」
必要のないものを「考えない」と決める
「やりたいこと」と「適していること」は違う
「(前略)サッカーは得点しなければ勝てない。ではこのチームでもっとも可能性がある得点シーンとは、どんな場面なのでしょう?」
「ドリブルとパス。どう考えても敵陣にボールを運ぶのはこの2つしかないよね」
「言われてみればそうね」
「でさ、コーナーキックが取れるときって、敵陣のゴールライン近くでドリブルしたときに、相手の足にボールが当たって外に出たときが多いよね」(中略)
「つまり、セットプレーをもらうためには、相手陣内では出来るだけドリブルをたくさんするほうが有効なんじゃないかな」
アヤはサンドロの返答を待たず、黒板にある数式を書いた。
応援に来てくれる人数
=(誘う人数)×(来てくれる確率)
わけるには『要素のわける』と『比較のわける』の2種類がある
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ネタバレになるので、サッカーの試合の結論は書きませんが、不覚にもちょっぴり感動しました。
子どもたちにも、考える力を与えれば、必ず成果を出せる人になれる。
不確実な時代に一番必要なのは、こういうスキルなのだと思いました。
ビジネスパーソンに役立つのはもちろんですが、子どもの成長を願う教師と親に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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『わけるとつなぐ』深沢真太郎・著 ダイヤモンド社
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◆目次◆
第1章 考える=「わける」と「つなぐ」
第2章 「わける」とポイントが見える
「つなぐ」と答えが出せる
第3章 「考える」の先にある宝物
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