2020年9月23日

『YouTube作家的思考』長崎周成、白武ときお、 谷田彰吾、山口トンボ、カツオ・著 vol.5602

【人気YouTube作家の頭の中】
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本日ご紹介する一冊は、最近にわかに注目を集めている、「YouTube作家」たちの思考を紹介した一冊。

登録者73万人の「フワちゃんTV」、97万人の「しもふりチューブ」、209万人の「カジサック」、11万人の「上原浩治の雑談魂」、40万人の「Mr.都市伝説 関暁夫の情熱が止まらない」などを仕掛けた放送作家5人が持論を語る、興味深い内容です。

いずれもプロの放送作家であり、やはりYouTubeも、本当に実力のある有名チャンネルは、プロが手掛けているということがわかりました。

逆に、これまで目新しさだけで勝負してきた第1世代の一部は、これから淘汰されてくるのかもしれませんね。

本文では、ヒット動画がどうやって生まれたのか、クリエイターとして普段からどんなことに気をつけて生活しているのか、これからコンテンツで食っていくためのヒントなどが、ざっくばらんに語られています。

現在、YouTubeをやっている人、これからやろうと思っている人、芸能人や放送作家で新しい仕事を探している人には、刺さる内容ではないでしょうか。

個人的には、放送作家たちのストイックなまでのインプット魂と、彼らの情報源が勉強になりました。

さっそく、本文の中から気になったポイントを赤ペンチェックしてみましょう。

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例えば、フワちゃんが人気YouTuberグループのアバンティーズと初めてコラボするってなったとき。(中略)相手のブランディングを意識して「1万円分のUber Eatsを食べる」みたいな無難な企画に落ち着くのではなく、「絶対に迎合したくないな」「食ってかかりたいな」っていう意識が芽生えたんですよね。結果的にそこでやった企画が「【ドッキリ】女子の乳首が浮き出てたらアバンティーズは注意するのか」です。アバンティーズ自体が割と純粋な男の子たちっていうイメージがあったので、あえてそこに合わせず、フワちゃんのキャラクターでぶち壊すということをやりました(長崎周成)

ネット言語にはテレビのテロップなどで使われるワードとはまた違う特徴があると思っていて、情報が流れるスピードがとにかく速いので、0.5秒でおもしろさが伝わらないとダメなんですよね。「すごい」っていう言葉を意味する表現も、テレビではシンプルに「最高」と表現するところも、ネットでは「超絶」や「鬼○○」みたいなことになるかもしれません。だから、最初にひらめいた企画に対して、それをちゃんとネット言語に置き換えることを意識しています(長崎周成)

欠かさずチェックしているのはTwitterのトレンドやYouTubeの急上昇ランキング。それに加えて、もちろん普遍的なニュース、NewsPicksなど経済メディア、
信頼してくれた人が「おもしろい」とすすめてくれたコンテンツは全部観るようにしています(長崎周成)

僕は基本的に寝ているとき以外は、あまり余暇時間をつくりません。恋人といる時間は別ですが、仮に恋人と一緒にいてもNetflixを観たり、デートも映画館や美術館に行くことが多いのでインプットの時間と言えるでしょう(白武ときお)

ただ野球情報を話すだけでは野球好きの人にしか観てもらえませんが、「ゲーム」という企画性を加えることでゲーム好きの人にも観てもらえる。多くの人に芸を届けるには、間口を広げることが重要。これはジャンルが細分化されているYouTubeでは特に大事なことです(谷田彰吾)

僕が作家として常に意識していることは、「その人がかわいく見えるかどうか」です。演者さんにドッキリを仕掛けるにしても、ドッキリに引っかかったときの負け顔がチャーミングに見えるとか、人間味みたいなものがちゃんと伝わる企画にしたい。「この人いいヤツなんだろうな」と思える部分が見えたら、その人のことを好きになるじゃないですか(山口トンボ)

実用書に代わる存在という意味では、美容系、料理系といったジャンルが目立ちますが、書籍、雑誌で扱われるあらゆるジャンルは動画になっていくんじゃないでしょうか(カツオ)

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著者らは放送作家という仕事上、有名人に直接アプローチできる立場にあるため、正直、一般人には参考にならない部分もありました。

ただ、企画を作る時にどんなことを考えているのか、インプットをどう心掛けているのかは、万人に役立つ内容だと思います。

「個人メディアをどう作るか」

その視点を学びたい方は、ぜひチェックしてみてください。

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『YouTube作家的思考』長崎周成、白武ときお、
谷田彰吾、山口トンボ、カツオ・著 扶桑社

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◆目次◆

1章 長崎周成の思考
2章 白武ときおの思考
3章 谷田彰吾の思考
4章 山口トンボの思考
5章 カツオの思考

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