【教養としての「地名」】
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世界中を旅したり、2拠点生活をしたりして、気づいたことがあります。
それは、人間は自分とゆかりのある土地が大好きで、ゆえに土地の話は絶対に盛り上がる!ということです。
本日ご紹介する一冊は、この土地の名前の由来を、歴史から紐解いた、ビジネスパーソン必読の教養本。
・エベレストはイギリス人測量士の名前だった
・ハワイ諸島は最初、「サンドウィッチ諸島」と名付けられた
・シカゴは先住民の言葉で「タマネギの野生種がある場所」
など、オビで紹介された例を見るだけでも、好奇心をそそられる内容です。
個人的には、「バービー人形」の由来が、ギリシャ人が異国の民を読んだ「バルバロイ」だったことに驚きました。
東北地方の日本海側の住民なら、ウラジオストクの名前の意味が、「東方を征服せよ」であることに不快感を示すかもしれません。
知らないとただの記号だったものが、歴史や由来を知ることにより、急に別の意味を持ってくる。
本書を読めば、世界中のビジネスパーソンと話が盛り上がること、間違いありません。
さっそく、本文の中から気になったポイントを赤ペンチェックしてみましょう。
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ポーランドとは、古スラブ語でポーレ「平地」に由来する
日本にとっても、聞き捨てならない、人を食ったような地名がある。新潟市や秋田市などと姉妹都市となり、友好をアピールするウラジオストクは、ロシアが広大な国土の東端に建設した最大の港湾都市であり、シベリア鉄道の東の起点でもある。しかし、この都市名の意味するところは、「東方を征服せよ」なのである
かつて長江は揚子江のよび名で知られていたが、これはこの河の河口付近にあった揚子橋という橋の名前だったものを、ヨーロッパ人が川全体の名と勘違いしたことで広まった。ちなみに中国で「河」といえば黄河、「江」は長江で、ただ江北、江南、江西といえば、すべて長江を規準にしてどの方角の土地かということだ
一五一九年、アメリカの南端まで来たマゼランは、そこのインディオが厚い革の靴をはいていたため、「大きな足」を意味するスペイン語「パタゴニア」と名付けたとの説がある
実はグリーンランドと名付けたのは通称「赤毛のエイリーク」、本名をエイリーク・ソルバルズソンという男である。子どもの頃からアイスランドに住んでいたノルウェー生まれのバイキングだ。彼は九八二年頃、殺人事件を起こして国外追放され、それがきっかけでグリーンランドを探検した
米ドルはボヘミアの「谷」に由来する
化学chemistryの語源は「黒い土」のエジプト
キプロスCyprusとは一説にイトスギKyparissosの産地、あるいは銅chalkosの産地だったことからついた地名らしい。とくに銅は地中海世界の各地で珍重されていたため、英語のコッパーcopper(銅)は、キプロスの地名をその語源としている
サルディニアでのイワシ漁は古くから有名だったのだろう、サーディンsardine(イワシ)の語源はこの島の名にある
フランスとは「投げ槍がうまい人の国」
シカゴとは「野生のタマネギがある場所」
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世界の地名には、元々の意味、現地後、発見した人の名前、発見した人が付けた名前など、いろんな由来がありますが、これらのうんちくが語れれば、教養と現地へのリスペクトが同時に示せます。
手軽に読めて、効果は抜群。
これはぜひ、読んでみてください。
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『地名の世界地図』21世紀研究会・編 文藝春秋
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◆目次◆
序 章 外国語地名との出会い
第1章 「自然」が生み出した地名
第2章 地名は古代地中海から
第3章 地名を変えたゲルマン民族の大移動
第4章 スラブ人たちの故郷
第5章 大航海時代が「世界」を発見した
第6章 モンゴルが駆け抜けたユーラシアの大地
第7章 ユダヤの離散とイスラームの進撃
第8章 アメリカ──新しい国の古い地名
第9章 アフリカ──「黒い大陸」の伝説
大索引 国名・首都名でわかった地名の五千年史
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