2020年9月4日

『仮想空間シフト』尾原和啓、山口周・著 vol.5591

【仮想空間シフトで、変わるもの】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4295200166

本日ご紹介する一冊は、ベストセラー『アフターデジタル』の尾原和啓さんと、『ニュータイプの時代』の山口周さんが、『仮想空間シフト』によって変わる働き方や生き方、経済の変化を論じた対談本。

※参考:『アフターデジタル』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296101625/

※参考:『ニュータイプの時代』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/447810834X/

コロナの影響について書かれた本は山ほどありますが、本書ほど変化の本質と働く世代への影響をズバリ論じた本もないでしょう。

リモートワークの先にある「リゾートワーク」、モノを保有するコストの低下、変幻自在のアイデンティティ、ファッションのデジタル化、東京の仮想空間化、出生率の変化、輸送の最小化など、これから起こる変化を大胆に予測しています。

目端が利く人なら、この対談から、きっと多くのビジネスチャンスを見つけることでしょう。

個人的には、アイデンティティを示すための手段がファッションからデジタルに変わるという話が面白く、思わず美大に通う長女に即メールしてしまいました。

コロナが収束し、社会変革が一通り進んだ時に、時代について行けるのかどうか。

本書の後半では、「これからの世界を生き抜く一〇のアクション」と題して、これから求められる働き方、考え方へのシフトを促しています。

さっそく、本文の中から気になったポイントを赤ペンチェックして行きましょう。

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インターネットという仮想空間では、素材の手触りやその場所の匂い、食べ物の味覚といった身体感覚を伴う情報はやりとりできませんから、それが必要なときだけ物理的に動く。そうでないときは仮想空間で十分だ、となっていくはずです(山口周)

これまではオンとオフで考えた時に、オンは仕事で都市、オフの日はレジャーでリゾートに、という物理空間の使い分けをしていましたよね。それがこれからは、オンのときはリゾートにいて、どうしても実際に会わないといけない用事があるときやオフのときだけ都市に行く、というように「オンとオフ」と「都市とリゾート」の関係が逆転する(尾原和啓)

仕事そのものがエンターテインメントとして消費される時代(山口周)

これからは問題提起がおいしい時代になると言えそうですね。良い問題提起をすると、そこにリソースが集まって良い仕事ができる、という(尾原和啓)

どうせ仮想空間でしか仕事をしなくなるなら、そもそもデジタルアイデンティティを持てば良いわけです(山口周)

そうなると、人は仮想空間上のアイデンティティを作るためにお金を使うようになりますよね。今でも好きな洋服を買ったり、高級な車に乗ったりという形で、アイデンティティを作るためにお金を使っているわけですから、その対象がデジタルに向く(中略)ラルフローレンとかルイ・ヴィトンというブランドも、デジタルコスチュームを販売するようになるでしょうね(山口周)

これからはどうなっていくかというと、安定というのは遠くにいる人と繋がりあって網の目のように協力し合うことなんです(尾原和啓)

東京という都市は、仮想空間上で作れる(山口周)

エネルギーにせよ、食べ物にせよ、「外から東京に集めて」みたいなことをやるから余計なコストがかかっているわけで、日本が均一な細切れの地域の集合体になって、すべてがその細切れ地域の内部で完結すれば、それが一番環境には良いはずです(山口周)

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読めば読むほど、原宿のビルを売り、長崎に古民家を買って低コスト・地産地消生活を送りながら平日でも各地でワーケーションする自分は仮想空間シフトできている気がするのですが(笑)、ここに書かれたシフトが本格化されれば、社会全体が大きく変わり、資産の持ち方や働き方にも影響が出る気がします。

現在の働き方やあり方にリスクはないのか、未来のチャンスをとらえるために今から何をすればいいのか、考える絶好の材料だと思います。

ぜひ、読んでみてください。

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『仮想空間シフト』尾原和啓、山口周・著

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◆目次◆

序 章 仮想空間シフトがもたらす未来図
第一章 仕事が変わると暮らしが変わる
第二章 人間と社会が変わる
第三章 人生が変わる
第四章 国家や行政が変わる
第五章 これからの世界を生き抜く一〇のアクション
終 章 「何者かへ」のなり方が変わる

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