【世界情勢まるわかり】
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2018年にアメリカが事実上の新冷戦の開戦宣言をして以来、これまでの世界の秩序が揺らいでいます。
国内の世論も親米派と親中派で真っ二つに分かれており、ひさびさに世界情勢への関心が高まっています。
そんななか、ベストセラーとなっているのが、本日ご紹介する一冊『サクッとわかるビジネス教養 地政学』。
イラストや地図を見ながら、最小限の解説で地政学の基本や現在の世界情勢、各国の思惑がわかるようにまとめられており、ニュースの裏にある「事情」がよくわかる内容となっています。
「道」と「要所」を押さえるという地政学の基本から、ランドパワー(大陸国家)とシーパワー(海洋国家)で異なる戦略の基本、各国の歴史とこれからがコンパクトにまとめられており、ビジネスパーソンの教養にピッタリの一冊です。
なぜ北方領土はロシアから返還されないのか、なぜ沖縄がアメリカにとって重要なのか、なぜ新型コロナウイルスによって中国が台頭するのか、なぜEU各国が苦境に陥るとドイツの経済が良くなるのか、なぜイギリスにとってEU離脱がチャンスなのか…。
投資にもビジネスにも役立つ、地政学の「常識」が書かれた、超おすすめの内容です。
さっそく、本文の中から気になったポイントを赤ペンチェックして行きましょう。
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世界の覇権国は、常に“近海の争い”を制覇したのちに世界の海に展開しています。つまり、対馬や尖閣をめぐる争いは、拠点を得て日本海や東シナ海を制覇したいランドパワーの中国と、それを阻止したい日本・アメリカのシーパワー勢力の覇権争いの一環なのです
ロシアの進出ルートの最前線にあるのがトルコとポーランド
世界第3位の広大な国土を有するランドパワー国家の中国は、古くから陸続きの周辺地域からの侵略に悩まされてきました。長年、攻められる恐怖があったため中国には周辺国を取り込もうとする傾向があります
ランドパワー国家の中国は海も陸と同じように「面」で考えます。それが表れているのが、?小平が提唱した「第一列島線」「第二列島線」という概念。第一列
島線とは、南西諸島~台湾~フィリピンを結ぶライン。この列島線内に尖閣諸島もあります
河川の上流にある中国は、いくつものダムを建設し、水の流れを東側に向かわせようと画策しています。これは下流にあるインドやバングラデシュ、ラオス、タイなどの国々にとって水量が減ることを意味しているため、彼らにとっては死活問題です。そのため、これらの国々は、中国の動きに対して激しく反発しており、近い将来、中国との間で「水戦争」が勃発する可能性がささやかれています
急成長中のインドは、世界中の石油タンカーが通過するインド洋をめぐり、独自戦略を展開して、海洋進出をする中国と対立しています
EU内の他国の経済が低迷しユーロ安になると、高品質な商品を製造するドイツにとっては、それが追い風となり、輸出が増加
EUは、ギリシャがロシアに寝返ることへの恐怖から救済した
新冷戦の影響で日本国内は親米派と親中派という国民の分断が強まるでしょう。そして、親米派と親中派、どちらが優位性を持てるかが、将来的な日本の姿を決める別れ道になるのです
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「島国」「半島」「内陸国」で違う戦略と思考、中国、アメリカから日本がどう見えているかなど、非常に勉強になりました。
国際情勢を知る上で必要な知識を、過不足なく伝えた、コンパクトな一冊です。
政治が苦手という人も、ぜひこれは読んでみてください。
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『サクッとわかるビジネス教養 地政学』
奥山真司・監修 新星出版社
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◆目次◆
Chapter1 基本的な6つの概念
Chapter2 日本の地政学
Chapter3 アメリカ・ロシア・中国の地政学
Chapter4 アジア・中東・ヨーロッパの地政学
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