【起業の実現可能性を高める。】
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16年前、起業する時、アマゾン時代の上司に、ジェフ・ベゾスの言葉を引用して、こう言われました。
Idea is easy.
起業は、アイデアだけあってもどうにもなりません。
大切なのは、「実現可能性」なのです。
ではどうすれば、起業の実現可能性を高められるのか?
そのヒントとなるのが、本日ご紹介する『Pitch 世界を変える提案のメソッド』です。
Pitch(ピッチ)とは、本書の言葉でいえば、「相手の決断を引き出す提案方法」。
エレベーターに乗っているわずかな間で投資家を口説く「エレベーター・ピッチ」などという言葉が流行ったので、ご存知の方も多いと思います。
本書では、シードアクセラレーター事業(起業して間もないスタートアップを支援し、成長を加速させるビジネス)を営むオープンネットワークラボが、投資家を口説くためのピッチのメソッドと、実際に成功したスタートアップの事例を紹介した一冊。
荒削りなアイデアをどうやって実現可能なビジネスにまで磨き上げるか、どうすれば投資家を口説き、資金調達あるいは上場まで持っていけるのか、そのリアルが書かれています。
さっそく、本文の中から気になったポイントを赤ペンチェックして行きましょう。
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起業家に向けたピッチでは、彼らが必ず注目する「成長性」を明確に示すために、「トラクション(直近の顧客需要の伸び。定量的指標で事業推進力を測る)」や「グロース(事業成長率)」を伝えることが重要です
(わたしのアイデアは)
・誰の
・課題を
・解決する
・なぜ今
・既存代替品
・市場規模
・なぜあなた
この7項目のフレームワークは、プロダクト(アイデア)に本当に価値があるかを見極めるためのチェックシートであると同時に、ピッチに「人を動かす」力を持たせるための重要なツールでもあります
「既存代替品」は、プロダクトの競争力を量る項目です。課題を抱えている人は現時点でどう対処しているのか? すでに誰かが提供している解決方法はないのか? 例えばそれが不完全なもの(課題を完全には解決できないもの)だとしても利用する人にとってそれはどれだけ重要な問題なのか? 自分たちのプロダクトを代替品と比べたらユーザーにとってどこに優劣があるのか? 代替品からわざわざ乗り換える(手間やコストを払う)動機になり得るか?
プロダクト全体を作るのには期間や費用がかかるので、まず、課題の核心に絞り込んだ部分的なプロダクトを作って検証するのが一般的です。この「課題の核心に絞り込んだ部分的なプロダクト」は、スタートアップの間で「MVP(Minimum Viable Product)」と呼ばれています
「ユーザーに利用してもらえるか」は、事業として取り組む以上、「どれだけ多くのユーザーに利用してもらえるか」が評価の指標になりますが、その数は、延べ人数ではなく、期間ごと(週次や月次)の数値を重視します。過去からの積み上げの「延べ人数」だけを見ていては、成長の鈍化や衰えに気づくことができないからです
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著者らが重視している「7項目のフレームワーク」を読むだけで、プロダクトやビジネスの実現可能性をチェックできますが、より理解を深めたいなら、ぜひその後の具体例まで読み込んでください。
オープンネットワークラボ卒業生であるスマートHRやキャンセル、プレカル、ギフティがどうやって当初のアイデアから成功にまで至ったのか、その詳細がわかります。
起業のカギを握るのは、結局のところどこまで実現可能性、そして参入障壁を考え抜いたか。
本書は、その生きた事例を学べる一冊です。
ぜひ読んでみてください。
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『Pitch 世界を変える提案のメソッド』
Open Network Lab・著 インプレス
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◆目次◆
第1章 ピッチとは何か?
第2章 スタートアップがピッチで「人を動かした」事例
第3章 ピッチで人を動かすために/アイデアの具体化
第4章 ピッチの組み立て方
第5章 オンラボ卒業生インタビュー
第6章 未来を切り拓くピッチ
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