【人生は還暦からが本番だ。】
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本日ご紹介する一冊は、2020年6月の月間総合ランキングで8位(日販調べ)に躍り出た、注目のベストセラー。
発売から1カ月足らずで15万部を突破した、APU(立命館アジア太平洋大学)学長・出口治明さんによる人生指南書です。
著者は、還暦でライフネット生命を開業し、古希を迎えた2018年にAPUの学長に就任した、本テーマを語るのにうってつけの人物。
<年齢に意味はない>に始まり、<「敬老の日」を廃止せよ><定年を即刻廃止し、健康寿命を延ばす>など、人生100年時代の制度づくり、そして個人の生き方・働き方を説いています。
歴史に詳しい著者ならではの社会制度への意見、そしてビジネスパーソンとして大企業での左遷も起業も経験したからこそ語れる労働観・人生観が示されており、じつに興味深い。
いわゆるノウハウ書ではないですが、著者の見方・考え方に触れているうちに、長い人生を生き抜く知恵やヒントが見つかるはずです。
読み終わった頃には、「オレなんてもう終わりだ」と思っていた人も、俄然勉強する気になること、請け合いです。
さっそく、本文の中から気になったポイントを赤ペンチェックしてみましょう。
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4世紀の中国の僧、法顕は仏教を深く学ぶために399年に長安(現在の西安)を旅立ったとき、すでに60歳を超えていました。砂漠や高地を越える困難な長旅の後、インドで学び、帰国したときには70歳を超えていました
還暦からの底力を発揮するうえで重要なポイントは、色眼鏡(その人の価値観や人生観)をできるだけ外して、フラットに周囲の物事を見ることです。「数字・ファクト・ロジック」で、エピソードではなくエビデンス(証拠)で世界を見ることです
動物と同じように、朝起きて元気だったらそのまま仕事に行けばいいし、しんどくなったら仕事を辞めればいいだけの話
自然界をみたときに、若い個体が老いた個体の面倒をみている動物はいるでしょうか。そんな動物はいません。ということは、それは自然界の摂理ではないのです
そもそも働くということは、昔、何をやっていたのか、何ができたのかは関係がなく、現在の能力と意欲、体力に応じてそれにふさわしい仕事をするというのが世界の常識
人間が大人になるということは、自分の食い扶持は自分で得るということです。だから人間は一生働くのが自然の姿であり、実は働き続けることによってのみ健康寿命が延びるのです
「飯・風呂・寝る」の低学歴社会から「人・本・旅」の高学歴社会へと切り替えなければならない
棚からぼたもちが落ちそうなとき、その周囲にいることが運
新しい世界に入るには先達に教えを乞い、関係法規を学ぶ
何か新しいものをつくるとき、僕には一つの基準があります。それは「天の時、地の利、人の和」です
教養は「おいしい人生」を楽しむためにある
人間の頭はたいしたことがないので、長く続いた伝統や慣習はできるだけ大事にしたほうがいいでしょう
男女差別が日本を衰退させている
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売れている本には、何らかの「パワー」があるものですが、本書には間違いなくそれを感じました。
新しい分野に挑む時の勉強の手順、世の中を理解するために必読の古典など、学び方に関するアドバイスも豊富で、勉強になりました。
日本の課題への意見・提言もあるので、こちらも併せて読んでおきたいところです。
強くおすすめしたい一冊です。
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『還暦からの底力』出口治明・著 講談社
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◆目次◆
第一章 社会とどう向き合うか
第二章 老後の孤独と家族とお金
第三章 自分への投資と、学び続けるということ
第四章 世界の見方を歴史に学ぶ
第五章 持続可能性の高い社会を子供たちに残すために
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