【大投資家ジム・ロジャーズが語る未来】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296105477
本日ご紹介する一冊は、世界的に有名な投資家のジム・ロジャーズ氏が、コロナ後の世界の変化と、そこに潜むリスク・チャンスを論じた一冊。
ジム・ロジャーズ氏と言えば、ジョージ・ソロス氏と共同で立ち上げ、驚異的リターンを上げたクォンタム・ファンドが有名ですが、ジム・ロジャーズ氏自身は、さまざまな国を旅する「冒険投資家」として、その見聞に支えられた予言が有名。
2019年から「2008年秋のリーマン・ショックを超える危機が迫っている」と警鐘を鳴らしていましたが、それが奇しくもコロナで実現しました。
本書の出版は5月後半であり、この時期に出されている多くの本同様、内容のほとんどはコロナ以前のものであり、またいつでも使える普遍的な歴史からの教訓や心構えが中心です。
とはいいながら、本書には危機にあたり、どんな姿勢で投資・ビジネスに臨むべきか、これから有望なセクターは何かが具体的に書かれており、まさに「一行で儲かる」類の本だと言えます。
アフリカにおける中国人向け観光ビジネスや香港の失敗による上海の台頭、農業やブロックチェーンの可能性など、著者が考えるあらゆるリスク・チャンスに言及しています。
コロナ後の世界を見据えてビジネス・投資を考える人は多いと思いますが、本書はその大きなヒントになると思います。
さっそく、本文の中から気になったポイントを赤ペンチェックしてみましょう。
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2020年秋の米大統領選ではトランプが勝つだろうと、新型コロナの問題が起きるまでは考えていた。しかし、今は正直、少し自信がなくなった。トランプが、物事を悪い方へ悪い方へ進めているからだ。与党が選挙に負けるのは、世界中のどこの国でも経済政策の失敗が原因だ
私は金、銀、米ドルなどを所有している。また、農業関連にも投資している。それから状況次第で、ロシア、中国の株を買いたいと思っている
インド経済の危機はもっと深刻だ。2019年11月には、同国の中央銀行が、デフォルトを起こした住宅金融会社の破綻処理に踏み切った
人々はカサンドラを笑った。より多くの人々が笑うことほど、実は正しいことがよくある
金利は最終的には通常の水準に戻ると私は確信している。すでに巨額の負債が存在する。そして、借金が増えれば増えるほど、金利に対する圧力は大きくなる
どの国も開かれたジャーナリズムと言論の自由を持つべきだ。しかし戦争の時代を象徴する有名な格言がある。「戦争の最初の犠牲者は真実である」というものだ
すべての常識は15年で劇的に変わる
特に困難な時期は、自分が知っていることにフォーカスし、自社の借金を減らし、多くの借金を抱えている企業と取引しないように気をつけるべきだ。不必要な資産があるなら売却して、手元資金を増やしておくことも有効な手段になる
誤解しないでほしいが、アマゾンは間違いなく良い会社だ。ただ私が指摘したいのは、アマゾンの株を保有するリスクだ。株式市場は常に崩壊するものである
未来の素晴らしい産業の1つは、アフリカを訪れる中国人観光客向けの旅行ビジネスだろう
香港経済が衰退すれば、上海が経済拠点としてより重要になるはずだ
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ビジネス・投資の役に立つのはもちろんですが、不確実な時代にどうキャリアを築くかについても言及しており、すべてのビジネスパーソンにおすすめできる内容です。
この時期にこれだけ踏み込んだ内容が出せたということは、著者がそれだけ普段から未来をよく考えているということでしょう。
やはり、賢者は歴史に学ぶ。そして本書には、賢者が歴史から学んだビジネス・投資の教訓、ヒントが書かれています。
ぜひ、読んでみてください。
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『危機の時代』ジム・ロジャーズ・著 日経BP
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◆目次◆
はじめに
第1章 リーマンを超える危機が到来する必然
第2章 過去の危機では何が起きたのか
第3章 危機の際にどう行動すべきなのか
第4章 お金持ちになるために大事なこと
第5章 私の生き方
第6章 世界はどこへ行くのか
第7章 未来の正しい見方──社会の常識を疑え
訳者あとがき
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