【故・一倉定氏による名著が復刊!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296106775
本日ご紹介する一冊は、1万社近くの企業に指導したと言われる伝説の経営コンサルタント、一倉定氏による名著の復刊。
「郵便ポストが赤いのも電信柱が高いのも社長の責任」という強烈なひと言で知られる方ですが、本書はそのマネジメント論です。
著者は、「序にかえて」で、こう書いています。
<これは挑戦の書であり、反逆の書である。ドロドロによごれた現実のなかで、汗と油とドロにまみれながら、真実を求めて苦しみもがいてきた一個の人間の“きれい事のマネジメント論”への抗議なのである>
その宣言通り内容は過激で、とはいいながら、本質を突いた議論になっています。
書かれているのは、要は精神論ですが、おそらく読み終えた頃には、「精神論じゃ何もできない」が「精神論なしには何もできない」に変わっているはずです。
どう計画するか、どう決定するか、どう評価するか、どう徹底させるか、社長の責任とは何なのか…。
ガツンと頭を殴られた気がしました。
さすが、ファーストリテイリングの柳井正氏はじめ、数多くの経営者が学んだという「社長の教祖」、じつにパワフルな一冊です。
さっそく、本文の中から気になったポイントを赤ペンチェックして行きましょう。
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計画は“できるだけ主義”ではいけない。「いつまでに完成する」、「これだけ安くする」というように、“これだけ主義”でなければならないのだ
過去の実績をもとにしていたら、そこには進歩もなければ、革新も生まれないのである。進歩や革新は過去の実績をのりこえ、過去の理論を否定するところに生まれるのである
“トップの夢”こそ、革新の推進力なのである。“トップの意志”、“トップの夢”に期限をつけて、未知のものに取り組んでいるのだ。期限をきって、それまでに何がなんでも達成しようというのだ。計画とはこういうものなのだ
川崎製鉄の西山弥太郎氏の計画した千葉製鉄所の建設は、当時飛ぶ鳥も落とすといわれた「法皇」日銀総裁一万田尚登氏から、「千葉にペンペン草をはやしてみせる」とまでいわれながら、とうとうやり遂げただけではない。従来の常識を破った数々の新機軸を生みだしているのである
会社が“生きぬくため”には、不可能なものを可能なものに変質させること以外にないのである。これをやり遂げるために、経営者が必要であり、経営担当者や専門技術者の存在価値があるのだ
「どんな馬鹿でも予算を守ることはできる。しかし、守るだけの価値ある予算をたてられる人は、めったにいるものではない」(ニコラス・ドレイスタッド)
バランスした組織とは、なんという保守退嬰的な考え方であろうか。すぐれた会社、成長する企業は、組織面だけでなく、いろいろな面でつねにバランスをやぶって前進している。アンバランスが成長途次の姿なのである
根性とは、自分自身を管理する能力
経営担当者にとって、ほんとうにたいせつなことは、下を向くことではなくて、まず上を向くことである。経営者が上を向く、ということは、顧客のほうを向くことである
優先順位をきめる尺度はいったいなんであろうか。それは、会社全体にとって何が必要か、何が会社の将来の業績をあげるものであるか、ということであって、自分の関心の深さでもなければ、現在困っている問題でもないのである
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読み終わって感じたのは、現在の経営をめぐる議論では、老いも若きもみな間違っているのは、ということです。
「年寄りは古いから」「若者は青いから」ではなく、みんな斜陽の日本経済にあって、考え方が萎縮しているのでは、と本書を読んで気づかされました。
著者は、大中小1万社の経営者を「まるで小学生をしかりつけるように厳しく指導」したと言われていますが、本書の内容も、まるで甘えを許さない内容です。
叱られたい社長は、ぜひ、読んでみてください。
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『マネジメントへの挑戦 復刻版』
一倉定・著 日経BP
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296106775/
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◆目次◆
まえがき
序にかえて
1章 計画は本来机上論である
2章 実施は決意に基づく行動
3章 統制とは目標を達成しようとする執念
4章 組織は目標達成のためのチーム・ワーク
5章 有能な経営担当者への道
6章 お金(財務)に強くなる法
7章 時代おくれの教育訓練
8章 破産しかかっている人間関係論
9章 労務管理の基礎は賃金
父・一倉定を想う
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