【起業家必読の一冊】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296106716
本日ご紹介する一冊は、世界最先端のフードテックビジネス動向を、「スマートキッチン・サミット・ジャパン」関係者と専門記者がまとめた、起業家必読の一冊。
以前、『クリーンミート 培養肉が世界を変える』という本を紹介しましたが、こちらはより広い範囲を扱っており、世界700兆円ともいわれる新産業として、「食」を扱っています。
※参考:『クリーンミート 培養肉が世界を変える』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822288617/
さまざまなデータを元に、食ビジネスのどこに参入の可能性があるのか、現状、どんなベンチャーが勃興しているのか、興味深い事例が、記憶し切れないほどたくさん載っています。
フランパンや鍋の温度を把握できるIoT調理器具のへスタン・スマート・クッキング、センサーとスマートフォンアプリを活用して味噌の発酵過程を見える化したパナソニックの社内アクセラレータープログラムGCC、菓子業界のネットフリックスを目指すスナックミー、飲食店で余った料理やパンを消費者と結びつけるコークッキングのTABETE、DNA検査の結果をもとに、食品スーパーの来店客が最適な商品を選んで購入できるシステムを開発したディーエヌエーナッジ、自販機3.0を牽引するチョボティクス、ヨーカイエクスプレス、アルバーツなど、どれを読んでもワクワクする事例ばかりです。
興味深いのは、フードテックはまだ始まったばかりで、いずれの企業の試みもまだ黎明期のものであるということ。
つまり、まだまだ参入のチャンスがあるのです。
コロナですべてがシャッフルされる時に、こんなにワクワクする本が出るなんて。これは読まない手はありません。
起業家にとっては、新規参入のヒント、投資家、食関連企業の関係者にとっては、投資銘柄あるいは提携先開拓のヒントとなる一冊だと思います。
さっそく、本文の中から気になったポイントを赤ペンチェックして行きましょう。
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17年に行われた米SKSでは、50年以上続く未来研究のシンクタンクである米Institute for the FutureのRebecca Chesney氏が、「効率性」「おいしさ」「利便性」という従来の概念を超えて、現代における食の価値として「発見する喜び」「コミュニティーの育み」「個性の表現」「信頼」「協力」など12項目の新しい価値を提示した
レストランでは、これまで「場」に集約させていた機能をアンバンドル化する傾向が見られる。(中略)フードデリバリーのプラットフォームによっては、それぞれのレストランのメニューを分解し、例えばスープはレストランAから、ハンバーガーはレストランBから、デザートはレストランCから、といった注文方法も可能だ
我々はもともと油脂技術に強みを持つ会社なので、これが大きな差別化につながります。例えば、牛肉も脂のジューシーさがないものはおいしくないですよね。料理にしても、マーボ豆腐で考えると最初に唐辛子や山椒を油でいためて、油に味を付けてから豆腐やひき肉を混ぜるから風味がよくなるわけです。要するに油脂は舌に味を届けるキャリアであり、プロテイン由来のアミノ酸と両方そろうことが、特に植物性のサステナブルフードの味わいを構成するうえでは非常に大きな意味を持ちます(不二製油グループ本社 代表取締役社長 清水洋史氏)
シェフステップスのIoT低温調理器は、アプリで肉の種類、重さを入力するうえ(スキャンすれば自動で読み取る方式もある)、それがベーコンになるということまで分かる
食のパーソナライズに必要な3つのデータ
1.調理に関する情報:調理実績(何を作ったか)、食材情報、評価情報
2.ヒトに関する情報:心身の状態、体内の状態、好き嫌い・アレルギー
3.食材に含まれている情報:栄養素・効果、流通経路、賞味期限、おいしさなどの可視化
Personalized Nutritionが食の世界へ
食べられないものがある人の外食を救うことを目標に掲げるキャンイートは、19年創業のスタートアップだ。食べられない・苦手なもの、好きなものを事前にWEB上に記録し、友達や飲食店にシェアできるサービスを提供している
AIが未然に回復食を提示する世界
外食産業を変える4つのトレンド「フードロボット」「自販機3.0」「デリバリー&ピックアップ」「ゴーストキッチン&シェア型セントラルキッチン」
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これからの食のテーマとトレンド、テクノロジー、主要プレイヤーの情報がきちんとまとめられているので、起業家にとっては、新規参入あるいは投資の参考になるでしょう。
日本の大企業の責任者のインタビューも載っていますが、正直、世界の動きからは大きく取り残されている印象。
逆に言えば、若い起業家、テクノロジー企業にとってはチャンスかもしれません。
ひさびさにワクワクする起業本です。
ぜひ読んでみてください。
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『フードテック革命』田中宏隆、岡田亜希子、瀬川明秀・著
外村仁・監修 日経BP
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<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08DFXTMLB/
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◆目次◆
序章 フードテック革命に「日本不在」という現実
Chapter1 今、なぜ「フードテック」なのか
Chapter2 世界で巻き起こるフードイノベーションの全体像
Chapter3 With&アフターコロナ時代のフードテック
Chapter4 「代替プロテイン」の衝撃
Chapter5 「食領域のGAFA」が生み出す新たな食体験
Chapter6 超パーソナライゼーションが創る食の未来
Chapter7 フードテックによる外食産業のアップデート
Chapter8 フードテックを活用した食品リテールの進化
Chapter9 食のイノベーション社会実装への道
Chapter10 新産業「日本版フードテック市場」の創出に向けて
おわりに 改めて思う「日本はすぐ動かねばならぬ」
巻末収録 アフターコロナ時代の羅針盤「フード・イノベーション・マップ2.0」
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