【注目の一冊。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4815605378
本日ご紹介する一冊は、会社組織から個人、肩書から実績という、新たな時代のキャリアルールを、既に実践している著者が解説した注目の一冊。
著者の尾原和啓(おばら・かずひろ)氏は、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現在のKlab、取締役)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Google、楽天(執行役員)の事業企画、投資、新規事業に従事してきた人物。
経済産業省対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターアドバイザーなどを歴任しており、まさに最先端の働き方を実践している方です。
本書では、そんな著者が『あえて数字からおりる働き方』を提案。
<あえて数字を追う世界からおりることで、「意味のある自分」を見つける>ことの重要性を説いています。
相手視点に立ったギブをすることで、相手の視点を獲得し、経験を増やしていく。そうすることで、やがて何者かになれる──。
これなら、誰にでも実践できそうです。
実戦のテストの中で勝ち抜いて実力が証明されていることを「バトル・テスティッド(Battle Tested)」と言うそうですが、本書では、まず目の前の相手に貢献することで、この「バトル・テスティッド」の状態を目指す。そこからネットやソーシャルでの評判を獲得し、経験の拡大再生産を繰り返すというモデルを提唱しています。
これから求められる思考法であり、演繹と帰納のちょうど中間にある考え方、「アブダクション」についてもケースを用いながら説明されており、心構えだけで終わらない内容となっています。
さっそく、本文の中から気になったポイントを赤ペンチェックして行きましょう。
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「役に立つ」から「意味がある人」が生き残る時代
かつてなら遠くに離れていた個人とサービス、需要と供給を、物理的距離や時間に関係なくインターネットがつないでくれるようになったことによって、企業を主体としなくても、個人が寄り集まってサービスを展開したり、仕事をしたりできるようになったのが、今の時代の大きな流れ
ソーシャルの発達によって、アメリカではすでに10代の若者が、大学に入ることなく、ネット上での活躍や、多数の人からの推薦が可視化されて、グーグルにスカウトされるようなことが起きています
本来の人のあるべき助け合いとは、自助、互助、共助、公助の4段階で行なうもの
これからの時代は、「互助・共助のつながり」をいかに個人がつくっていけるか
目の前の誰かにとっての“何者か”になることを、幾通りも繰り返すことによって、“みんなにとっての何者か”になれる
相手が何を必要としているかを理解する
これからは、この演繹と帰納の、ちょうど中間にある考え方が求められます。それが「abduction(アブダクション)」です。少数のデータから帰納法で特徴の仮説を出し、その仮説に基づいて小さな演繹法で他の異なるグループに転用することで、仮説を検証する。そうやって変化の時代に合った高速なループを回すことが大事
着想は、自分より遠いものに恋することで生まれる
エフェクチュエーション実践の4原則
(1)手の中の鳥の原則
当たり前の能力や、できることから
(2)許容可能な損失の原則
(3)レモネードの原則
実は酸っぱいレモンのほうがレモネードとして売れる
(4)クレイジーキルトの原則
自分にできることからアイデアをスタートさせると、だんだんと人脈ができていく
モノではなく、システムに焦点を合わせること
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学歴や有名企業での役職に変わる、新たなキャリアの原理とは何なのか。
じつにすっきりと説明しており、これからのキャリアの考え方のスタンダードになる内容だと思いました。
なお、巻末には、ベストセラー『メモの魔力』の前田裕二さんと著者との対談も載っています。
※参考:『メモの魔力』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344034082/
ぜひ、読んでみてください。
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『あえて数字からおりる働き方』
尾原和啓・著 SBクリエイティブ
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4815605378/
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B088WHGL4T/
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◆目次◆
はじめに
序 章 「組織から個人」の時代に本当に必要なこと
第1章 「ギブ」を仕事の基本にする
第2章 オンラインで自然につながりをつくる僕の方法
第3章 オンラインファーストの時代に自分の武器を見つける
第4章 変化の中で自分らしい生き方を設計する
第5章 対談 自分の「価値」の見つけ方
前田裕二氏×尾原和啓氏
あとがき
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