【名言で学ぶ処世術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837928129
本日ご紹介する一冊は、日本生命を経てライフネットを設立、現在は立命館アジア太平洋大学学長を務める、出口治明さんによる、教養のための名言集。
著者によると、教養とは「人生を面白おかしく、そしてワクワクさせてくれるツール」であり、名言とは、「教養を一言にシンボライズしたもの」。
であれば、われわれは名言を学ぶことで、人生をもっと面白おかしく、ワクワクさせることができるはずです。
本書では、ベルナール・ド・シャルトルの「巨人の肩に乗っているから、遠くを見ることができる」という名言に始まり、不幸を遠ざけるためのダンテの名言、運を味方につけるためのマルティン・ブーバーの考え方、人間関係をラクにしてくれる孟子の言葉など、古今東西の名言が紹介されていますが、何と言っても面白いのは、そこに付された著者自身の経験と考え方。
左遷や加齢、困難な人間関係や非常事態など、人生のネガティブな出来事をポジティブに変えてしまう考え方がとても新鮮でした。
「歴史の教科書で名前を知っているけれど読んだことはない」名著のエッセンスにも触れることができ、読書ガイドとしても有効です。
それではさっそく、本文の中から気になったポイントを赤ペンチェックしてみましょう。
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教養とは、人生を面白おかしく、そしてワクワクさせてくれるツールです(中略)「自分の辞書」が1つ、また1つと豊かになっていくことで、自分の世界が広がっていくのです。そしてそれはまた、自分の「生きる選択肢」「人生を楽しむ選択肢」が増えていくことであり、選択肢が増えれば、人生の面白さや生きやすさがまるで変わっていきます
今も残る古典作品の多くは、その作者が左遷されているときに書かれていたりする
左遷されて時間があったからこそ、優秀な彼らが十分な時間をとって、後世に残るすばらしい作品が書けたのです
「運がいい」というのは、フィンレイソンが指摘しているように、「適切なときに適切な場所にいる」こと
私たちの人生は、ブーバーのいうように、そのときどきの出合いによって変化し続けていきます。そうしたいわば川の流れに身を任せる生き方が一番すばらしいと僕は思っています。変化を受け入れ、川の流れのままに流されて生きていく。なぜなら、人間の力では、そのときどきの流れを変えることは難しいからです
風が吹いていないときは、凧は揚がらない
「うれしいことプラス100」が、「悲しいことマイナス100」でオフセットされるのではない。絶対値を足して200になる
過ぎてかえらぬ不幸を悔やむのは、さらに不幸を招く近道だ(ウィリアム・シェイクスピア『オセロー』)
順調なときこそ「身の丈を知る」
人間は、そのときどきの関係性によって、いい人にも悪い人にもなる
「相手の心に任せる」と、人生、意外にうまくいく
いつ気づいてくれるのかもわからない「他人」は、はなからあてにはしない。それよりも、天と地と自分が「知っている」ということに満足する。「この3つがあれば、十分じゃないか」と考える
私が人生を知ったのは、人と接したからではなく、本と接したからだ(アナトール・フランス)
仕事は人生を楽しめてこそ、がんばれる
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堅苦しい名著・名言の解説にとどまらず、それを処世の術にまで噛み砕いてくれているので、誰が読んでも楽しめると思います。
教養を身につけるためのヒントとして、また古典名著のガイドブックとしても有用な一冊です。
ぜひ読んでみてください。
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『人生の教養が身につく名言集』出口治明・著 三笠書房
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◆目次◆
1章 人生について考えが深まる名言集
2章 人間関係の心得を教えてくれる名言集
3章 読むだけで「考える力」がつく名言集
4章 より賢く生きるための名言集
5章 「仕事の極意」を教えてくれる名言集
6章 「生きる知恵」を教えてくれる名言集
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