【中毒になります】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478067309
新型コロナウイルスに感染した市議が自宅療養中にパチンコに行ったり、国会議員が風俗に行ったり、挙句の果てに検事長が賭博をしたり…。
人間というのは、どこまでいっても「依存」から逃れられないものです。
本日ご紹介する一冊は、そんな人間を依存症にする仕組みを、ニューヨーク大学スターン・スクール・オブ・ビジネスのマーケティング学科准教授であり、行動心理学を専門とするアダム・オルター氏が明らかにした一冊。
ダニエル・ピンク、マルコム・グラッドウェル、アダム・グラントが推薦し、世界中が絶賛した注目作です。
さまざまな実験の成果をもとに、人間を依存症にしてしまう原理や仕組みを解き明かし、さらに実際のゲームやビジネスにそれがどう実装されているか、解説しています。
人間が「ハマる」仕組み、ハマった人がそこからどう抜け出せばいいのかが書かれており、依存ビジネス全盛の今、大人は全員読むべき本だと思います。
ラット34番が明らかにした依存の真実、ベトナム戦争の帰還兵がヘロイン常習から脱却できた理由、愛と依存の共通点、現代人が陥る「目標」の呪い、「不朽の名曲」の秘密、テトリスがすごいゲームである理由、フェイスブックやネットフリックスが使っている中毒性になる仕掛け…。
これだけの大ボリュームにも関わらず、まったく飽きさせない本書にも、中毒性を感じました(笑)。
さっそく、本書の中から気になったポイントを赤ペンチェックして行きましょう。
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◆「依存症ビジネス」が人を操る6つのテクニック
1.ちょっと手を伸ばせば届きそうな魅力的な目標があること
2.抵抗しづらく、また予測できないランダムな頻度で、報われる感覚(正のフィードバック)
3.段階的に進歩・向上していく感覚があること
4.徐々に難易度を増していくタスクがあること
5.解消したいが解消されていない緊張感があること
6.強い社会的な結びつきがあること
スマートフォンは1日1時間以内にしましょう、と一般的に推奨されているが、それに準拠するとしたら、モーメントのユーザーの88%が使いすぎだ。目覚めている時間のうち、平均4分の1をスマートフォン画面を眺めて過ごしている(中略)平均寿命で計算すれば、なんと11年間だ
幼い子をもつ大人が携帯電話やタブレット端末を頻繁に触るのは、そうでない大人が同じことをするよりも害が大きい。頭部装着型のカメラを使った実験では、幼児が本能的に親の目線を追うことがわかっている。しょっちゅう何かに目移りしている親は、そうした視線のパターンを、そのまま子に教えていることになるのだ。集中できない親は、子どもを集中できない人間にする
多幸感には強い依存性がある
兵士たちがヘロイン常習から回復できた理由は、彼らが依存症になった環境を離れたからだった
脳はドーパミンの放出を快感と解釈するので、最初は「よい」が「悪い」を大きく上回っている。だが、ほどなくして脳はこの奔流を誤作動と解釈し、ドーパミンの生成を減らす。すると最初と同じだけのハイを感じるために、薬物や体験のほうを増やさなければならなくなる
依存症になるリスクがもっとも高いのは成人になりかける頃
心理的な苦痛をなだめると思わせるものならどんな体験でも依存症になりうる
人間は意思決定をするときに、好きかどうかということよりも、欲しいという思いを優先させる
目標追求があなたを「慢性的な敗北状態」にする
人間は確実性のないフィードバックほど欲しくてたまらない気持ちになる
直前のハズレから変化が起きて当たりになったという体験が、人の気持ちをわきたたせる
「すぐ近くにある勝利」──負け続けているにもかかわらず、勝ちは目の前だと信じている状態──は、非常に依存性が高い
人間の依存症や強迫行動を考えるにあたっても、本当は停止規則──「どうすれば止めるのか、なぜ止められないのか」──が大きな意味をもっている
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この手の本にありがちな話ですが、悪用したら他人を中毒にできるので、くれぐれも使用にはご注意を。
悪い習慣をやめて良い習慣を根付かせたり、健全な方法で中毒から抜け出すために、ご活用いただきたいと思います。
過食や恋愛依存、トラウマ、あらゆることに効くヒントが書かれており、これは「買い」の一冊だと思います。
ぜひ読んでみてください。
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『「依存症ビジネス」のつくられかた 僕らはそれに抵抗できない』
アダム・オルター・著 上原裕美子・訳 ダイヤモンド社
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478067309/
<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07SBYLY13/
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◆目次◆
プロローグ 自分の商品でハイになるな
──ジョブズと“売人”に共通する教え
第1部 新しい依存症「行動嗜癖」とは何か
第1章 物質依存から行動依存へ──新しい依存症の誕生
第2章 僕らはみんな依存症──何が人を依存させるのか
第3章 愛と依存症の共通点──「やめたいのにやめられない」の生理学
第2部 新しい依存症が人を操る6つのテクニック
第4章 〈1〉目標──ウェアラブル端末が新しいコカインに
第5章 〈2〉フィードバック──「いいね!」というスロットマシンを回しつづけてしまう理由
第6章 〈3〉進歩の実感──スマホゲームが心をわしづかみにするのは“デザイン”のせい
第7章 〈4〉難易度のエスカレート──テトリスが病的なまでに魅力的なのはなぜか
第8章 〈5〉クリフハンガー──ネットフリックスが僕たちに植えつけた恐るべき悪癖
第9章 〈6〉社会的相互作用(ソーシャル・インタラクション)
──インスタグラムが使う「比較」という魔法
第3部 新しい依存症に立ち向かうための3つの解決策
第10章 〈1〉予防はできるだけ早期に
──1歳から操作できるデバイスから子どもを守る
第11章 〈2〉行動アーキテクチャで立ち直る
──「依存症を克服できないのは意志が弱いから」は間違い
第12章 〈3〉ゲーミフィケーション
──依存症ビジネスの仕掛けを逆手にとって悪い習慣を捨てる
エピローグ まだ見ぬ「未来の依存症」から身を守るために
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