【日本の課題】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4496054566
本日ご紹介する一冊は、「マネジメントの父」と呼ばれた故・ピーター・F・ドラッカーの教えの中から、後継者育成に関する部分を取り出し、まとめた一冊。
著者は、CEOに対して後継者の育成、経営チーム構築の支援を行っている、トップマネジメント株式会社の代表取締役、山下淳一郎氏です。
ドラッカーの言葉に加え、著者自身の経験や、日本を代表する経営者の後継者育成・経営チーム構築に関するコメントから、事業承継の原理原則を導いています。
日本企業の多くは、経済的な困難に加え、後継者不足により、存続が危ぶまれていますが、だからといって誰でもいいわけではありません。
間違った後継者を選んだ組織は、急速に衰退し、最悪滅亡してしまうのが、歴史が教える現実です。
本書では、後継者としてどんな人物を選べばいいか、後継者候補にどんな経験を積ませればいいか、リーダーシップの本質は何なのか、詳しく書かれています。
事業承継の失敗によって、せっかくの経営理念やサービス、技術が死んでしまっては、日本の未来はない。
そろそろ、日本全体で後継者育成の議論をしてもいい頃なのではないでしょうか。
さっそく、本書の中から気になったポイントを赤ペンチェックして行きましょう。
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仕事オンリーでは、会社だけが人生であるために会社にしがみつく。空虚な世界へ移るという恐ろしい退職の日を延ばすために、若い人たちの成長の妨げになってでも自らを不可欠の存在にしようとする。(『現代の経営』)
成果をあげることは学ぶことはできるが、教わることはできない。つまるところ、成果をあげることは教科ではなく修練である。(『経営者の条件』)
世代交代は引退ではなく、メンターとして継続的に関わり続けること
高齢の役員は、ラインの長ではなく、独立して行える仕事、専門家として大きな貢献ができる仕事、助言、教育、基準の設定、紛争の解決などの仕事に移るべきである。マネジメントの仕事を行わせるべきではない。(『マネジメント・フロンティア』)
間違いや失敗を犯したことのない者というのは、単に無難なこと、安全なこと、つまらないことしか、やってこなかっただけである。逆に優れている者ほど、数えきれない間違いを犯すものであり、これは常に新しいことに挑戦している証拠である。(『経営者の条件』)
してはならないことは簡単である。辞めていく人のコピーを後継にすえてはならない。(『非営利組織の経営』)
1.あなたの組織にとって、5年後における最大の仕事は何でしょうか。
2.その種の仕事について最高の実績をもっているのは誰でしょうか。
将来性ある若い者を、指揮を執ることのできる地位につけなければならない。失敗しても組織全体に大きいな害を与えることのない小さな部門のトップの地位につけることができなければならない。たとえ補佐役として優秀であっても、リーダーとしての力が試されたことのない者をリーダーにするほど危険なことはない。(『企業とは何か』)
従業員が50人くらいになったら経営チームが必要
委譲した権限の内容、目標、期限を明確にしなければならない。委譲した者と委譲された者の間に期待と責任についての理解がなければならない。(『非営利組織の経営』)
後継者の仕事は、新しい路線を創り出すこと
後継者が押さえておくべき経営5つの基本
1.キャッシュフローを見ていく
2.3年後に必要な資金を準備しておく
3.将来重要となる情報をはっきりさせておく
4.成果があがることにエネルギーを使う
5.経営はチームで行う
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最近、『ディズニーCEOが実践する10の原則』、『起業家の勇気』などを立て続けに読んで、事業承継の重要性を感じていただけに、非常に刺さる内容でした。
※参考:『ディズニーCEOが実践する10の原則』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/415209933X/
※参考:『起業家の勇気』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163910824/
コロナショックで虚業の多くが吹っ飛んだ今、真剣に後世に残すべき事業は何か、日本全体で考えるべきだと思っています。
ぜひ読んでみてください。
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『ドラッカーが教える最強の後継者の育て方』
山下淳一郎・著 同友館
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4496054566/
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◆目次◆
第1章 トップの責任を担う者を育成する
第2章 後継者の育成とは経営チームをつくること
第3章 後継者育成がまくいかない9つの原因
第4章 経営の承継7つの要諦
第5章 世代交代のマネジメント
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