2020年4月24日

『なぜ儲かる会社には神棚があるのか』 窪寺伸浩・著 vol.5503

【創業百年のキッチン用品店を支えるもの】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860635205

エリエスの長崎オフィスの近くには、東京でも通用しそうなオシャレなキッチンウエアのお店があるのですが、そこでサラダボウルを買った時、おつりをもらって驚きました。

「パラリンピックを応援しようと思って、お買い上げいただいたみなさまにお配りしているんです」

なんと、お釣りのなかに一枚、パラリンピックの記念硬貨(100円)が含まれていたのです。

ふとレジ脇に目をやると、「おかげさまで創業100年」の文字が。

このキッチンウエアのお店は、「かまどの神様 やすなが」さんというのですが、どうやら1912年創業の会社のようです。
https://www.okagesan-y.com

「ここ、創業100年超の会社なんですね」と聞くと、「ご先祖様のおかげで、今も商いを続けられています」とおっしゃる。

ああ、この素敵なお店は、そんな感謝の気持ちで成り立っているんだ。

そう思って感動していたら、ちょうど購入した古民家の神棚を思い出しました。

神棚って、どうやって祀るんだろう…。

前の所有者が持っていたものでもあるし、場合によっては撤去しようぐらいに思っていたのですが、気になって調べようと思ったら、ちょうど良い本があることに気づきました。

本日ご紹介する一冊は、神棚の販売を生業とする著者が、『なぜ儲かる会社には神棚があるのか』、その理由と神棚との付き合い方、設置方法などをまとめた一冊。

オフィスに神棚を設置したい経営者、社風を良くしたい経営者には、ちょっと面白い本だと思います。

さっそく、本書の中から気になったポイントを赤ペンチェックして行きましょう。

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神棚を祀っている会社は、地域に根差した会社という見方ができます。(中略)会社が地域に根付くと、地域の目が気になって悪いことができなくなるんですね。社員の態度、風体、車輌の駐車の仕方、会社の業績までぜんぶ見られている。だからきちんとしようと、地域の人々の目を通して考えるようになるんですね

「お天道様が見ている」この言葉ほど、日本人の倫理観をよく表現しているものはないかもしれません

神棚の標準的なサイズは、長さ(間口)一一〇〇ミリ、幅(奥行)三六〇ミリです。この大きさにも意味があります。この寸法を和寸に換算すると、長さ三尺六寸五分、幅一尺二寸。「三六五日、一二カ月お祀りします。お参りします」という意味の語呂合わせです

お客様の目に触れるところだけではなく、お客様に見えないところでもきちんと仕事をする

米も、水も、塩も、酒も祀りの場で、人間から神様にお供えするものという形をとります。つまり「人間から神様へ」差し上げる形をとっています。しかし、米
・水・塩・酒は、人間が元々つくった物なのでしょうか。これらはすべて、自然のなかから生まれたのです。自然の産物、賜り物です。神様からの恵みによりできたものを、神様に感謝してお供えします

自分のためだけでなく、人のため、世の中のためになること、役立つことならば、神様は叶えようとしてくれるし、叶うのです

びんぼう神が自分でも驚くことがあった。このみすぼらしいボロ家も、雨風からこの家族をけなげに守っているのだと思うと、御殿のように見えるのじゃった。(中略)ボロ家も立派な御殿も、見る人の視点で、その価値が変わる。感謝できない人には、御殿もボロ家です。人間は、満たされていることが多くても不満のほうから数え上げるものです

木は、商品化までの期間が長すぎて、最初から最後まで関わる人がいないのです。樹齢三〇年の木なら、まだ植えた木が育ったあとに出荷できる人がいるかもしれませんが、樹齢数百年の木を植林から出荷まで扱える人はいません

お客様から感謝のお手紙をいただいた、ほかにも会社が表彰を受けた際などは、ぜひそのお手紙や賞状を神棚にお祀りしてください。それにより、「自分たちは、世の中の役に立つことで、生かされている存在である」と実感することができます

神社本庁の総長・田中恆清氏は著書『神道のちから』(学習研究社)のなかでこうおっしゃっています。「共同体であればこそ、その中心になるものが必要です。社員の心を一つにする、同じ方向を向いてなにかしていく、その中心となるものが必要なのです」

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長崎に来て、シロアリ駆除サービス、洗車、庭師さんなどの仕事を見て、「なんて丁寧な仕事なんだ!」と感動しましたが、きっとその根底には、「感謝」の気持ちがあるのだと思います。

「見られている」と思えば、自然と仕事は丁寧になり、仕事が丁寧だとリピート客がつくから会社がサステイナブルになる。

結果、働く個人にも誇りが生まれる、という好循環なのだと気づきました。

利己主義を嫌う新型コロナウイルスが創り出す新しい世界は、きっと利他主義でサステイナブルなはず。

新しい時代へのヒントをくれる、温故知新の一冊です。ぜひ読んでみてください。

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『なぜ儲かる会社には神棚があるのか』
窪寺伸浩・著 あさ出版

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860635205/

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◆目次◆

第一章 なぜ儲かる会社には神棚があるのか
第二章 神棚で、会社が変わる、社員が変わる
第三章 会社に神棚をどう取り付けるか
第四章 木でつくられた本物の神棚を

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