【いまどきリーダーのための教科書】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569842372
本日ご紹介する一冊は、現場のリーダーたちから支持されて10万部を突破した、元フロムエーキャリア代表取締役で、現在企業研修会社の社長、伊庭正康さんによる一冊。
40代を過ぎると、「自分が頑張る」よりも「人に任せる」モードになるものですが、とはいえ「任せる」ことは難しい。
本書の良いところは、そんな悩めるリーダーがすぐに実践して、若手に支持されるノウハウを丁寧にまとめている点。
マイクロマネジメントにならず、かといって放任にもならない、バランス感あるリーダーシップが学べる良書です。
強いチーム作りの設計図「BSC(バランススコアカード)」や動機づけに使える「Will-Can-Must」の方程式、コーチングで使われているGROWモデルなど、著者が実際に使ってみて良かった理論やフレームワークを簡単にまとめてくれているので、現場リーダーの最低限の教養としても重宝するはずです。
昭和世代と豊かに育ってきた世代とでは、どうしても接し方や動機づけに違いが出てくると思われますが、本書では若手にやる気を持たせるコミュニケーションの秘訣が紹介されており、じつに勉強になります。
さっそく、本文のなかから、いくつかポイントをチェックして行きましょう。
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「厳しく伝える」のではなく、「丁寧に伝える」
◆年上部下にとって、やりやすい上司になる3つの原則
(1)“判断軸”を示しておく
(2)支援者になると決める(柔軟な姿勢で)
(3)「ぜひ、教えてもらいたい」という姿勢を持つこと
「すべてのことを“相手軸”で想像してみてほしい」と明確に伝え、その都度、フィードバックをすることです。「今の電話、良かったよ。相手の立場に立っていたね」であるとか、「今の挨拶は、ちょっとダメなんじゃない?(相手軸の視点で)」といったように
あなたが、過去の「経験」を使ってうまくやっても何の投資にもなりません。部下に仕事を任せ、失敗してもいいので、経験をさせることこそが理想のリーダーなのです
いかなる部下でも、任せる時にはひとこと伝えてほしい言葉があります。「どう、できそうかな?」です。意志を確認することで、部下に“わがこと”感を持ってもらいます
部下の意見を聞きながら、“禁じ手”と思われることも実験してみる
仕事を任せていく、一緒に仕事をしていくには、「負の感情」に寄り添うことは絶対の条件
リーダーモードでは、「私心」を出さない
夜間・休日に、部下にメールを送らない
信頼は、ミスをした時のひとことで決まる
「自己帰属」でほめてみるとこんな感じになります。
・手伝ってくれて、ありがとうね。いつも、優しいね。助かるよ。
・彼がお願いしたことをやってくれたんだね。思いやりが嬉しいよ。ありがとう。
・目標達成、おめでとう。本当に頼りになるよ。ありがとう。
最高のリーダーは「会社のため」と言わない
よく「ウチの部下には希望がない」と嘆く上司がいます。でもそうじゃないんです。「未来を語る面談の機会がない」のではないでしょうか
◆「Will-Can-Must」の方程式
・自分はいったい何が得意か(=can)
・自分は何をやりたいのか(=will)
・何をやっている自分に意味や価値が感じられるのか(=must)
BSCでは、「5つの要素」のつながりで課題を整理します。
(1)ビジョン(チームで目指す世界。「○○を通じて、○○を○○にする」等)
(2)財務の視点(営業組織なら「収益目標」、事務部門なら「生産性」等)
(3)顧客の視点(どんな価値を提供するか? どんな行動をとるのか?内勤部門なら、顧客を「社内の関係部門」に置き換えてもOK)
(4)業務プロセスの視点(戦略・戦術。1人当たりの仕事量、評価、組織体制等)
(5)学習と成長の視点(スキル、情報共有、モチベーション、チームワーク等)
感謝総量=「上司×同僚×お客様」の感謝
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リーダーとしての資質に自信がない人でも、本書のアプローチなら無理なく実践できると思います。
「理想のリーダー」になるために、何を学ぶか、どう行動するか、声掛けするか。
現場で必要なことのすべてが過不足なくまとめられた、良書だと思います。
経営者、マネジャーはぜひ、読んでみてください。
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『できるリーダーは、「これ」しかやらない』
伊庭正康・著 PHP研究所
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◆目次◆
第1章 リーダーの悩みは、「頑張るポイント」を変えるだけで解決する
第2章 できるリーダーの「部下を覚醒させる任せ方」
第3章 「この人と頑張りたい」と思われるリーダーになる
第4章 部下が「自分からやりたくなる」ように導く
第5章 一丸となって「戦えるチーム」の作り方
第6章 スパッ!と「決められる」リーダーになる
第7章 「リーダーの孤独」を感じた時こそ、勝負どころ
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