【無駄なく活用。人生100年時代の保険術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569845908
いつの時代もビジネス書は世相を表すものですが、最近は、賢くお金を使う、稼ぐコツがトレンドになっています。
本日ご紹介する一冊は、「人生で2番目に高い買い物」と言われる保険に関する指南書。
家計経済のパイオニアとして知られる、経済ジャーナリストの荻原博子さんが、生命保険の仕組み、賢い活用法を説いた、今売れている新書で、確かに面白い。
複雑な生命保険商品をシンプルにまとめ、何が本当のメリットなのか、デメリットなのか、何が無駄で何が必要なのか、合理的なアドバイスがなされています。
個人的に一番パンチがあったのは、<ほとんどの病気は、「健康保険」でカバーできる>という内容。
われわれは、つい不安から無駄な保険に入ってしまいますが、じつは日本の健康保険はかなりの病気をカバーしており、家計への負担も少ない。
この部分を読むだけでも、「掛けムダ」をなくすことができるでしょう。
他にも、<「持病があっても入れる医療保険」は割高><「老後のために、個人年金に入る」なんて、おやめなさい>など、歯に衣着せぬ物言いが気持ち良い。
本は有料のコンテンツなのだから、これぐらい本音を言ってくれると嬉しいですよね。
さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。
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元気で病気1つしない人や、病気をしても貯金がしっかりある人には、「生命保険」は必要ありません
じつは、生命保険は、条件が同じなら、保険料の安い商品が、一番いい商品
普通の“クジ”には、年齢や男女別などの限定はありませんが、「生命保険」の“クジ”は、同じ年齢、同じ性別でグループをつくり、そのグループに入った人たちで“クジ”を引きます
複雑そうに見える生命保険ですが、じつはこの“不幸クジ”を引き当てて得られるもの(保障)は、たった2つだけです。その2つとは、「死亡保障」と「入院(通院)保障」です
死亡保障の“クジ代(保険料)”は、「生命表」という、日本人が死亡する確率から算出されます。「生命表」とは、年齢別、男女別になっていて、日本人が、どの年齢で何人死ぬかという統計を表にしたもの
「生命表」では、10万人がオギャーと生まれたら、そのうち毎年何人ずつ死んでいくかがわかります。たとえば平成30年の簡易生命表によると30歳の男性の場合、10万人のうち、0歳から29歳までのあいだに亡くなるのは954人で、生き残っているのは9万9046人。この9万9046人のうち、1年間に亡くなる方は54人です。ですから、9万9046人から年間1人1万円の“クジ代(保険料)”として集めた9億9046万円を、その年に“不幸クジ”に当たってしまって亡くなった54人に保険料として渡すとすれば、1人約1800万円になります(実際には、保険会社の経費を差し引くので、もっと少なくなります)
ズバリ言うと、「貯蓄型の保険」はやめたほうがいい。どうしてでしょうか。生命保険は、加入時の運用利回り(予定利率)が、最後まで続きます
運用利回りが高いタイミングで「貯蓄型の保険」に入っている人は、できれば保険を解約しないこと
保険会社が倒産しても引き継がれる「掛け捨て保険」
まず、サラリーマンや公務員のケース。仮に妻が専業主婦で幼い子どもが2人いたとすると、夫が他界したら、子どもが18歳になった年度の3月31日まで月々15万円前後が「遺族年金」として支給されます
ほとんどの病気は、「健康保険」でカバーできる
老後の医療費を心配する人が多いですが、じつは、70歳を超えたら、「高額医療費制度」があるので、ほとんどの人が現役時代よりも医療費の負担が軽くなります
「持病があっても入れる医療保険」は割高
高齢者だと、三大疾病になる確率は上がりますが、当然、特約保険料もその分だけ高くなります。なんとなく、あると安心そうな特約ですが、最も使えそうな65歳以上になると、保険料の値上がりを受けて解約者も多い
「老後のために、個人年金に入る」なんて、おやめなさい
会社の「健康保険」に2ヶ月以上加入していた人は、会社を辞めたり、リストラされても、最長2年間は、引き続き会社の「生命保険」に加入し続けることができます
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お金に関する本というと、つい「増やす」本ばかりに目が行ってしまいがちですが、(収入-費用)×運用という、「お金の方程式」からすれば、年収アップと節約は等しく重要で、運用は一番最後。
本書には、みなさんが日々稼いだお金をいかにして防衛するか、ムダな出費を防ぐか、じつに実践的なアドバイスが書かれています。
ぜひ、読んでみてください。
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『保険ぎらい』荻原博子・著 PHP研究所
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◆目次◆
はじめに 「生命保険」を、シンプルに考える。
第1章 「よくわからない」では、保険会社の思うツボ!
意外と知らない「生命保険」の基礎知識
第2章 「生命保険」加入の前に、公的保険をチェック!
“超使える”公的保障フル活用術
第3章 「老後の不安」に付け込むセールスに騙されるな!
ケース別「入ってはいけない保険」
第4章 膨らむ介護費も公的保険でOK!
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第5章 病院をとことん使い倒せ!
医療費を抑えるコツ大全
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