【『イシューからはじめよ』著者が説く、日本のこれから】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4910063048
昨日、今日は日経平均株価が続落。
新型コロナウイルス関連の報道がない日はないというほど混迷を極めています。
しかしながら、こうした大きなショックの時は、これまでのやり方を見直す絶好のチャンス。
これによって日本企業のIT化は一気に進むでしょうし、そこで得た知見でまた新たなチャンスが見えてくるに違いありません。
悲観することなく、前向きに捉えていきたいものです。
本日ご紹介する一冊は、そんな日本を刷新するための方策を、慶應義塾大学環境情報学部教授で、ヤフー株式会社CSO(チーフストラテジーオフィサー)の安宅和人さんが提言した一冊。
安宅さんは、25万部を超えた名著『イシューからはじめよ』の著者としても有名です。
※参考:『イシューからはじめよ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862760856/
本書では、著者の冷静な分析による日本の課題と解決策、そしてそのための熱い提言が示されており、まさに”Cool Head,but Warm Heart”。
次世代に美しい日本を残そうとする著者の思いに心打たれる本です。
さっそく、気になる部分をチェックして行きましょう!
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これからはむしろ「系」のパフォーマンスを見ながら、系そのものをチューニングすることが業務の中心になる
何もかもをブラックボックス化して作ることで競争優位、競合の参入障壁を築く時代は終わりつつある
多くの商品やサービスは売り切るだけでなく、このように販売後もサービスからの収益が発生するようになる
これまでは「スケール」を取り、大きな売上、付加価値、そして利益を生めば企業価値につながるのが、富を生む基本方程式だった。しかし、この非連続的な変化に富む局面では、そもそも「未来を変えている感」が企業価値になり、これをテコに投資し、最終的に付加価値、そして利益につながるという真逆の流れになった
もう一度ゲームチェンジを仕掛けよう
これからは誰もが目指すことで一番になる人よりも、あまり多くの人が目指さない領域あるいはアイデアで何かを仕掛ける人が、圧倒的に重要になる。こういう世界が欲しい、イヤなものはイヤと言える人たちだ
世の中を本質的に刷新したと言える人たちを俯瞰してわかるのは、驚くほど若い人が多く、30代前半までに挑戦の開始が集中しているということだ
教える人が足りなければ連れてくるのが基本
実は「仕事」の定義については、社会科ではなく、中3か高1ぐらいの理科で基本的に全員が習う。そう、仕事=力×距離だ。単なる努力、試み自体には意味がなく自己満足、浪費に過ぎない。生み出す変化がなければゼロ、完遂されない仕事は意味の持ちようがないということだ。(中略)同じく古典力学的には「力」の大きさは「質量×加速度」で計算できる。すなわち生み出す仕事の大きさは、「どれだけ大きな存在に対して、どれだけ勢いよく、どれだけの変化(距離)を引き起こしたか」だ。現実世界における仕事の定義として考えてみても十分に味わい深い
ガリレオの時代から今に至るまで、自然からパターンを見出すことがサイエンスの根源であることは変わらない。しかし、このことがこの国では教養層の多くにすら理解されていない
実は世界の主要国でPhD取得に明示的にまとまったお金が必要な国は日本しかない
かつて日本は相当数の科学・技術分野のフロンティアを切り広げる、グランドチャレンジと言うべき大型プロジェクトをコンスタントに立ち上げていた。だが、バブル崩壊後その手は緩み、そうこうしているうちに日本の十八番だったはずの国家プロジェクトを立て続けに出すのは米国になった
若い人に投資する国へ変わろう
我が国はかなり立派な額の予算を組みながら、その多くがシニアと過去に使われている
10年を超えるリスクを取れる機関は国や公的機関しか存在しない
土地の求心力の視点で僕らが大切だと考えていることの1つに「土地の記憶を活かす」ことがある
宮坂学さんがヤフーの社長だった頃よく話されていた「来たときよりも美しく」という言葉をよく思う。この「とき」はタイミングであり、時代だと考えること
もできる。自分が生まれたのは1960年代の終わりだ。そのときと比べて、自分は素敵な未来を残せているのか。そう考えると、なかなかに胸が痛い
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<生み出す仕事の大きさは、「どれだけ大きな存在に対して、どれだけ勢いよく、どれだけの変化(距離)を引き起こしたか」だ>
という言葉にしびれました。
30代(マインドが30代含む)のみなさんはチャレンジを。そして40代~60代は彼らを邪魔せず、見守るように。
既得権益者からの反発もあり、実行は大変だと思いますが、世界と比べた日本の現状分析、これからの日本の方向性がバッチリ書き込まれた一冊です。
ぜひ、読んでみてください。
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『シン・ニホン』安宅和人・著 NewsPicksパブリッシング
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◆目次◆
1章 データ×AIが人類を再び解き放つ
ーー時代の全体観と変化の本質
2章 「第二の黒船」にどう挑むか
ーー日本の現状と勝ち筋
3章 求められる人材とスキル
4章 「未来を創る人」をどう育てるか
5章 未来に賭けられる国に
ーーリソース配分を変える
6章 残すに値する未来
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