2019年11月12日

『1兆ドルコーチ』エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル・著 櫻井祐子・訳 vol.5394

【シリコンバレー伝説のコーチ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478107246

本日の一冊は、スティーブ・ジョブズ(アップル共同創業者)、エリック・シュミット(グーグル元会長兼CEO)、ラリー・ペイジ(グーグル共同創業者)など、シリコンバレーの巨人たちの「共通の師」、ビル・キャンベルの教えをまとめたもの。

ビル・キャンベルは、アメフトのコーチを経て、40代でシリコンバレーに入り、「伝説のコーチ」と呼ばれるようになったようですが、本書ではなぜ彼が名立たる起業家たちに支持されたのか、なぜ彼らを成功させることができたのか、その理由を明らかにしています。

氏が指導した企業の時価総額の総計は、1兆ドルをはるかに超え、今も伸び続けています。

本書では、この「1兆ドルの教え」を、現場のリーダーが活用できるように、丁寧にまとめています。

ビルがスタッフとの1on1ミーティングをどうやっていたのか、一緒に働く人たちとどうやって信頼関係を築いていたのか、どうやってチームを構築したのか、どうやって職場に愛や思いやりを持ち込んだのか。

率直な物言いでみんなの能力を引き出し、鼓舞し、結果として愛されたビル・キャンベル。

不世出のコーチの教えが読みたいなら、本書は「買い」です。

さっそく内容を見て行きましょう。

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取締役会はCMが気に入らなかった。これはひどい、というのが彼らの総意だった。コストがかかりすぎるし、物議を醸しすぎる。CM枠をどこかに売り払えないか? 手を引くにはもう遅すぎるのか?数日後、アップルのセールス責任者がビルとフロイドに、枠の買い手が見つかったと言ってきた。フロイドはビルに聞いた。「どうする?」「やっちまえ! 放映するぞ」がビルの答えだった

スティーブ・ジョブズが1985年にアップルを追放されたとき、ビル・キャンベルはそれに抵抗した数少ない同社幹部の一人だった。当時のビルの同僚デイブ・キンザーは、ビルがこう話すのを聞いたという。「スティーブを会社にとどめなくては。あんなに才能のあるやつを手放すわけにはいかない!」

成功している企業の幹部はマネジメントを、すなわちオペレーショナル・エクセレンスの実現を第一に考えなくてはならない、というのがビルの持論だった

チームメンバーの連帯感を生み出し、高めるために、旅の報告など仕事以外のプライベートな話題からスタッフミーティングを始めよ

議論すべき「トップ5」を挙げよ

エリックはチームがむずかしい決断を迫られたときは、いつも「二頭体制」と名づけた方法を採った。決定に最も深く関わる二人にさらに情報を集めさせ、二人で協力して最適なソリューションを考えさせるのだ

コンセンサスではなく、最適解を得ることを重視した

その状況における「第一原理」、すなわち会社やプロダクトを支えている不変の真理を明らかにし、その原理をもとに決定を下せ

「会社の存在意義は、プロダクトのビジョンを実現することにこそある」と、あるカンファレンスでビルは言った。「それ以外の全要素──財務、セールス、マーケティングなどは、プロダクトを世に送り出し、成功させるためのものだ」

財務やセールス、マーケティングのチームが、プロダクトチームに対してやるべきことを指図してはならない

重要なのは短期目標の達成ではない。オペレーショナル・エクセレンスが少しでも欠けた状態を許さない文化を醸成することだ

最高のチームとは「心理的安全性が最も高いチーム」なのだ

「率直さ+思いやり」の方程式には効果がある

ペイニアミーの創業者でCEOのダニ─・シェイダーは、GOでビルと働いた。「ビルとのミーティングで僕がいちばん得たものは、勇気だ。ミーティングが終わるといつも『自分にはできる』と思わされた。僕が自分でできると思っていないことでも、ビルはできると信じてくれた」

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ビル・キャンベルの人柄やエピソードを回想する部分が多く、若干冗長ですが、優れたコーチの資質・行動とは何かがよくわかる内容です。

優れたチームの作り方を知りたい方にも、おすすめできる内容です。

ぜひ読んでみてください。

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『1兆ドルコーチ』エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル・著
櫻井祐子・訳 ダイヤモンド社

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◆目次◆

序文 シリコンバレー最大の伝説(アダム・グラント)
Chapter1 ビルならどうするか?
Chapter2 マネジャーは肩書きがつくる。リーダーは人がつくる
Chaptet3 「信頼」の非凡な影響力
Chapter4 チーム・ファースト
Chapter5 パワー・オブ・ラブ
Chapter6 ものさし

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