2019年11月14日

『麹町中学校の型破り校長 非常識な教え』工藤勇一・著 vol.5396

【非常識な学習&子育て法】
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高校時代の校長先生が、高体連の大会前に壮行会をやって、スピーチでおっしゃったことが、今でも忘れられません。

「選手宣誓で、『スポーツマンシップにのっとり~』というのがありますが、果たしてスポーツマンシップだけですべての戦いに勝てるでしょうか?」

もう、大爆笑です。

起業をして、世の中の汚い部分をたくさん見てもくじけなかったのは、この時の校長先生の言葉があったからだと心から感謝しています。

教師の教えが実際的であればあるほど、生徒は社会に出てから適応できる可能性が高い。

その点で、本日の一冊は秀逸です。

本日ご紹介する一冊は、「いま子どもを入れたい中学校No.1」の誉れ高い、名門・麹町中学校の校長による、非常識な教育論。

宿題、定期テスト、頭髪・服装指導、固定担任制をすべて廃止した、そのユニークな教育法と狙いが示されています。

なるほど、子どもを自立させるには、こういう考えが有効なのかと、思わず膝をたたいた、じつに刺激的な内容です。

画一的な教育の弊害が出てきている今、社会で勝てる子どもを育てるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。

さっそく内容を見て行きましょう。

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そもそも、その漢字を知っている子や、2、3回書いて覚えられる子なら、何十回も書く必要さえありません。それなのに、「宿題をこなす」という、本来は「手段」にすぎないものを、「目的」にしてしまうのです

学習習慣とは、必要に応じて「主体的に」勉強できる子どもになってもらうことだと考えます。そのために大人がすべきは、長時間の「やらされ勉強」を強制することではありません。子どもの学習意欲を高め、かつ自分に合った学習スタイルを見つけてもらうことです。机に向かって座らせることを目的にしてしまうと、むしろ、言われたことしかやらない子どもになりかねません

20代では同世代との知識の差はないかもしれませんが、40代、50代になってくると、どれだけ主体的に勉強してきたかで大きな差が生まれます

ゲームをする、漫画を描く、筋トレに励む、ボーっとする。これは子どもにとって何者にも代えがたい「特別な時間」です。大人からは「非生産的」に見えたとしても、それらはすべて「主体的に」取り組む時間だからです

◆主体的に勉強に取り組むために
1 わかっていることはやらなくていい
2 わからない箇所があったら、ひとつでも2つでもいいのでわかるようにする

「わからないものをわかるようにしてね」と言われたら、宿題(自主学習)の目的は「わからないものをわかるようにする」、この一点にフォーカスされます

一発勝負のテストだと、意識が「他人との点数の比較」に向いてしまうので、せっかく学力が伸びていても素直に喜べない子どもたちが多いのですが、比較対象が自分になるとそれを喜べます

麹町中学校のテストの目的とは、「子どもたちがわかる・わからない」を把握する。そして、わからないものをわかるようにするためのアクションをとる。自分に適したアクションを見つけ出す……この一連の流れを、「学び方」につなげることです

「音楽・体育・美術」は一生の友だちにしよう

いま世の中で活躍している大人は何かの領域で尖っています。尖った経験を一度でもすれば、その過程で学んだ成長のプロセスや成功体験は、別の道に進んだときにも役に立ちます。私は、「狭めるほど広がる。広げると狭まる」とことあるごとに言っています

少なくとも教育方針において「従順さ」を最上位目的におくことは適切ではない

「善意は行動で示す」が世界の常識

積極的コーピングをとっている人間ほどストレスに強く、消極的コーピングばかりとっている人ほどストレスに弱い

協調性とはあくまでも目標を達成するためのひとつの手段であって、「目的」ではありません

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前半は麹町中学校の教育システムについて、後半は子どもの指導法について具体的に書かれています。

受験システムが現実とズレている今、子どもを勝利に導くのは、教師と親の責任です。

勝てる子どもを育てるために、また自分が勝つために、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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『麹町中学校の型破り校長 非常識な教え』工藤勇一・著 SBクリエイティブ

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◆目次◆

第1章 勉強の「正解」を疑う
第2章 「心の教育」を疑う
第3章 「協調性・みんな仲良く」を疑う
第4章 「子どものために」を疑う

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