【高速読書のここがすごい!】
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昔から、速読術や読書術の類には興味がないのですが、その理由は、「速く読んでどうするんだ」ということと、「読書の目的はそれぞれ違うんだから、読み方を指図される理由はない」というもの。
大事なことは、インプットすることでアウトプットの質を上げること、ハイパフォーマンスを上げることなのですが、どうもその辺の主張が抜けている気がしてならないのです。
本日ご紹介する一冊は、多摩大学客員教授・上岡正明さんによる、『高速読書』のすすめ。
<じっくりと1回読書するよりも、読書時間を分散して同じ本を速く複数回読むほうが、脳に記憶がとどまる>という科学的見地をもとに、1回目を15分、2回目を10分、3回目を5分で読む新しい読書法を提案しています。
<いくら眼球の動かし方が人より上達したところで、本当の意味でビジネスでは成功しないし、教養人にもなりません>と身もふたもないことを書いており、従来の速読術の先生方には脅威的内容。
とはいえ、書いていることは正論であり、なかなか筋が通っています。
読書後のアウトプットノートの書き方についても述べられており、速く読むだけではなく、「忘れない」技術についても紙幅が費やされています。
さっそく内容をチェックしてみましょう。
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じっくりと1回読書するよりも、読書時間を分散して同じ本を速く複数回読むほうが、脳に記憶がとどまることが脳科学の研究でわかっています。加えて、それぞれ別の場所で読書するとさらに効果が高まります。また、人間が高い集中力を保てるのは15分が限界です。この根拠から、高速読書では、1回目を15分、2回目を10分、3回目を5分で読みます
2016年にカリフォルニア大学は速読に関する論文を発表しました。これは200におよぶ速読研究や実験データをまとめたもので、ページをカメラで撮るように読み取ったり、眼球をすばやく動かしたりするテクニックは科学的に根拠がないと断言しています
いくら眼球の動かし方が人より上達したところで、本当の意味でビジネスでは成功しないし、教養人にもなりません
心理的な負担を抱えていると、脳の働きは鈍くなってしまいます(中略)「3回読んで理解すればいいや」と思えばどうでしょう。心理的負担がぐっと軽くなるのは言うまでもありません
何かを学習するときは、どんなにいい本や教材であっても、まず楽しまなければ意味がない
「速く読まなきゃ」と焦るのではなく、読書に没頭していることを楽しむことが前提として大切
高速読書を始めるときは、まず読書の目的を明確にすることが大事
本を探すときは、基本的にまず自分の目的に沿うもの、自分の課題に沿うものを選ぶこと
本に書かれていることをインプットする必要はありません。主役は本ではなく、あなた自身なのです
目的をきちんと持って読めば、正直、目次なんか読む必要はありません。(中略)目次に書かれている大見出しも小見出しのタイトルも、全部、本の中に書いてある
漢字で構成された文章と、平仮名だけの文章では内容を理解するのに20倍もの差があるというデータがある
漢字を中心に読めば、平仮名を多少飛ばして読んでも、意味は9割理解できる
どんな本でも著者の主張は1つしかない
きれいに本を読む人には欠点があります。それは、内容が記憶に残りづらいということです
エッセンスをまとめて、5つか6つ、あるいは多くて10個程度にして、箇条書きで書き出す
アウトプットノートを書く作業の中でも、最も重要なのは「行動プラン」
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目的意識を持って読むことや、没頭すること、行動プランを書くことなど、主張のほとんどは土井と同じであるため、異論はほぼありませんが、「だから何を読むのか」という視点が欠けているように思えました。
とはいえ、従来の速読の主張に対する反論は痛快。論旨も明快で、王道の速読術を説いているので、ビジネスパーソンは読んでおいていいと思います。
ぜひ、チェックしてみてください。
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『死ぬほど読めて忘れない高速読書』上岡正明・著 アスコム
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◆目次◆
巻頭特集
第1章 高速で読めて、記憶に残る!
脳科学が認める最強の読書術「高速読書」
第2章 高速読書を成功させるすごい読書テクニック
第3章 読書を成果に変える! アウトプットノートの書き方
第4章 高速読書で脳力をあげれば、人生まで豊かに変わる!
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