【ネットでバズる文章術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4801400671
本日ご紹介する一冊は、はてなブックマーク年間ランキング2位(2016年)に輝いた文筆家・書評家、三宅香帆さんによる注目の文章術。
サブタイトルに「文芸オタクの私が教える」とありますが、実際には、文芸から実用書、テレビショッピングのスクリプトまで、人を動かすありとあらゆる文章を著者がピックアップし、そこに使われている文章テクニックを解説するユニークな内容です。
占い師、しいたけさんの「最初に意味不明な言葉を放り込む」テクニックに始まり、「問いを共有する」星野源さんのテクニック、勢いで読めてしまう村上春樹さんのリズムなど、ありとあらゆる有名作家の文章術を取り上げ、詳細に分析しています。
題材が一流の文章で、解説が文体オタクの著者による解説。これが面白くないわけがありません。
じつは本書、はてなの方にご紹介いただいたおすすめ本なのですが、これは思わぬ掘り出し物でした。
なかでも、突然語りかけてくる阿川佐和子さんのテクニック、上橋菜穂子さんの読点のテクニックは、本書で初めて気づいたもので、どこかでチャンスがあれば使ってみたいと思いました。
プロの書き手ならずとも、読んで参考にしたい内容です。
さっそく、ポイントをチェックして行きましょう。
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いったん「文章で的確に伝える」という“技術的”な考えをわきに置いてみて……そして「文章で楽しんでもらう」という“文芸的”な目線で書いてみませんか?
すごく実り大きな2泊3日になって、改めて、なんで「合宿」というものに参加しようと思ったかと言うと、合宿ってポロリが多いんですよね。ポロリとは何かについて説明したいんですけど、(中略)「読み手がひっかかる」→「書き手がそのひっかかりを取る」
いくら考えても、いい書き出しが見つからないときはどうするか。そんなときおすすめなのが、「ごく日常的な習慣」から書き出すことです。毎朝、必ず梅干しを食べている。通勤時間にはKポップを聴いている。休日の朝にはB級ホラーを鑑賞している。心が疲れたときは激辛料理を食べることにしている(それは私)などなど。
古い話である。僕は偶然それが明治十三年の出来事だと云うことを記憶している。(森鴎外『雁』より)
ポイントは、はい、これ。
>桐の花とカステラの時季となった。
「ふたつの言葉を並べる」ただそれだけです。
同じ語句を「あえて」続けることで、リズム感が出る
語尾って意外と削れるんです
文章では型通りじゃない表現をする。それによって、より本物っぽい場面を再現されてるんです!
>「いたたたた、足に乗っかられちゃったわよ!」
ひらがなって漢字よりも「ゆっくり読ませる」ものなんです。「大人」よりも「おとな」のほうが、テンポとして遅く読んじゃう感じがするでしょう。反対に、漢字のほうがするすると速く読むことができます
話している途中、言い方を変えることで聞き手の注意を引くことができるように、書いている途中、文体を変えることで読み手の注意を引くことができます
読点が多いほど、テンポが落ちて、親身になって話しているように読めるんです。一語、一語、丁寧に、語りかけている、雰囲気に、なるのです(これはやりすぎですね)。
尊敬する人物と考えが一致するなら、その人の言動を借りて書いてみるのはおすすめです
「想定される反論の、フォローを先回りする」こと
阿川佐和子さんという「親近感の権化」とも言える大人気エッセイストは、なんと文章を書きながら、ときどき、唐突に、読み手のほうを向いて声を発するんです。「使いませんか? 目ってときどきまくまくするでしょう」
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ブログやSNSで情報発信したい、という方は増えていると思いますが、「どうやればバズるか」は、なかなかわからないもの。
実践家かつ分析家の著者だからこそ書ける、再現性の高い文章ノウハウが書かれており、これは「買い」の一冊だと思いました。
ぜひ、読んでみてください。
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『バズる文章教室』三宅香帆・著 サンクチュアリ出版
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4801400671/
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07SQZJ1F8/
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◆目次◆
CHAPTER1 バズるつかみ
CHAPTER2 バズる文体
CHAPTER3 バズる組み立て
CHAPTER4 バズる言葉選び
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