2019年5月27日

『実行力』橋下徹・著 vol.5280

【橋下徹氏、リーダーシップを語る】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569842976

本日ご紹介する一冊は、橋下徹・元大阪府知事、大阪市長が、「実行力」について語った注目の一冊。

発売以来、アマゾンではずっとランキング上位が続いています。

2008年に38歳で大阪府知事に就任し、その後2011年に大阪市長に就任。大阪府庁1万人、大阪市役所3万8000人を動かしてきたリーダーシップの秘密が、本人の口で語られています。

これが面白くないわけがありません。

もちろん、著者の現役時代の評価には時間がかかるでしょうし、現時点でも賛否両論あるでしょう。

ですが、「何を行ったか」ではなく「どう行ったか」に着目してみれば、本書はお宝だらけの本だと思います。

ビジネスの世界以上に利害関係の調整が難しく、リーダーシップが大事になる政治の世界。

そこで大きな組織を率いるために、どんな思考、意識、配慮が必要か。

じつに勉強になる一冊です。

さっそく、いくつかポイントをピックアップしてみましょう。

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トップが仕事をする上で一番大事なことは、「部下ができないこと」をやれるかどうか

年上の人に威張ったり、怒鳴りつけたりすれば、彼らのプライドを傷つけます。それよりも、穏やかに接して、「最後は人事権を行使すればいい」と考えておいたほうがいい

反対派は、あえて積極的にそばに置くこと

「最後は従う」を守ってもらうと、多様な意見を取り入れられる

反対意見を聞いたうえでの決定は、反対者の不満を和らげ、適度な修正がかかってその後の運営がうまくいくことが多い

人間関係や好き嫌いでチーム内の人事を決めていくと、そうした姿勢は必ず部下や組織に伝わりますし、本当に実行力のある組織は作れない

最初にリーダーのポストに就いたとき、考えるべきことは、「現場の仕事」と「リーダーの仕事」の仕分けです

リーダーが現場の実務の細かなことに口出しをすると、たいがい失敗します。細々としたところにまで、「これは違うんじゃないか」「あれは違うんじゃないか」と口を出すと、現場から「何も知らないくせに」と思われますし、実際リーダーは現場のことをそこまで知りません

リーダーの仕事は、部下が気づかない大きな問題点を見つけること

プレッシャーに押しつぶされないようにするためには、リーダーは割り箸役なんだと割り切ればいい。「そこまで組織で徹底して議論しても結論が出ない問題は、どちらに転んでもメリットもリスクもほぼ同じ。そうであれば自分は割り箸役になって、右か左に倒れるだけでいい」と

「最初の衝撃」で、組織の意識は劇的に変わる

絶対にできないと思っていたことが実際にできてしまうと、その他にもこれまでは「できない」と諦めていたアイデアがどんどん出てきます

「通る提案」は、「比較優位のロジック」と「熱い思い」の合わせ技

他部門・他業界の情報を集め、「トップの視界」に近づく

トップは、「比較優位」がパッと分かる資料が欲しい

業務能力以外のおかしな政治力を行使できないようにするには、巨大組織であればあるほど情報をフラット化することが必要

まずい情報があがってきたときに、リーダーが「現場で対応しろ」と言ってはならない

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土井は政治を語る立場ではありませんので、その点は一切考慮せずに書評しますが、組織を率いるためのノウハウとして、じつに参考になる本だと思います。

なかでも、<「最後は従う」を守ってもらうと、多様な意見を取り入れられる>という部分は、今すぐ取り入れられる工夫だと思いました。

ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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『実行力』橋下徹・著 PHP研究所

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569842976/

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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07QL69YMJ/

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◆目次◆

第1章 まずは、人を動かす
    実行のための人間関係、人事の要諦
第2章 本当に実行すべき課題はどう見つけるか
    橋下流・問題解決のノウハウと、マインドの持ち方
第3章 実行し、信頼される人の条件とは
    部下は結局、上司の背中を見て動いている
第4章 実行のための「ビジョン作り」と「チーム作り」
    結果を出す「仕組み」はこう作る
第5章 上司を動かし、提案を通す
    「トップの視界」を想像しながら仕事をする
第6章 情報を制する者は、組織を制す
    強い組織は、情報共有の横串がしっかり入っている
第7章 日本と大阪を「実行できる組織」にするために
    徹底的に考え抜かれた大阪都構想の実行プロセス

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