【すべてがオンラインになった世界のビジネスは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296101625
約1年間、世界中の都市を視察して思ったことは、「やはり中国の時代が来る」ということでした。
とりわけ、深センを始めとする中国のITの発展には、目を見張るものがあります。
本日ご紹介する一冊は、このIT先進国・中国の動向から、オンラインとオフラインが融合した「アフターデジタル」の世界を読み解こうとする意欲作。
著者は、ニューズピックスの中国ビジネスプロピッカーであり、株式会社ビービットの東アジア営業責任者、藤井保文さんと、『ITビジネスの原理』著者である尾原和啓さん。
本書では、現在世界中で進行しつつあるOMO(Online Merges with Offline、またはOnline-Merge-Offline)のコンセプトを説明し、現在中国で成長している具体的なビジネス、社名を併せて紹介しています。
著者も言うように、中国のITのすごさは一回視察旅行をしたぐらいでは見えてきません。
ITによるサービスの進化やUX、UIの向上は、何度か訪れて初めて実感できるもののため、本書には視察旅行5回分ぐらいの情報が織り込まれていると見ていいでしょう。
中国を見れば、「アフターデジタル」のビジネスチャンスが見える。
さっそく、ポイントをピックアップしてみましょう。
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スウェーデンではもはやキャッシュレス決済は当たり前で、QRコードすら過去の産物になりつつあります。今では、人間の体内に注射で埋め込んだ
中国ではインターネット人口が8億人を超え、その97%がスマートフォンを保有し、都市部に至っては、スマートフォン保有者の98%がモバイル決済を行っているとの調査結果があります
今まではデータとして取得できなかった消費者のあらゆる行動が、オンラインデータになって個人のIDとして結びつくのです
シェアリング自転車は「生活拠点と移動をデータ化する」
(シェアリング自転車の)モバイクは「美団」という会社に買収されたのですが、この会社は日本の「食べログ」のようなサービスや、デリバリーフードサービスを手掛けています
「ジーマ・クレジット」と呼ばれるこのスコアは基本的に「支払い能力」を可視化したもので、評価軸は「個人特性」「支払い能力」「返済履歴」「人脈」「素行」で、スコア幅は350点~950点です。スコア精度は高く、ユーザーから信頼されています。ジーマ・クレジット機能の利用者は、アリペイ公式サイトによると5億2000万人
なぜ、多くのユーザーが自ら情報提供してまでスコアを上げることにやっきになっているかというと、点数に応じてアリババ・グループやその提携企業、団体が提供するサービスを利用する際に特典を受けられるからです。例えば、賃貸の敷金やホテル、レンタルカーサービス、海外旅行時のWi-Fiレンタルのデポジットが不要になるとか、街中で傘や充電器を無料でレンタルできるなどといった特典が受けられます。さらに、海外の渡航ビザの取得プロセスが短くなる、賃貸物件を借りやすくなる、個人融資を受けやすくなる、婚活でモテる……など、信用スコアの普及と共に、様々なメリットが波及しているといわれています
◆平安保険グループ
2018年末の株式時価総額ランキングでは、私企業の中ではアリババとテンセントに次いで第3位にランクインしています
高頻度データでUXとプロダクトを高速改善せよ
いまでは「フーマーの店舗の3km圏内の住宅物件は値段が上がっている」と言われるほど、中国都市部に住む人にとってメリットがあり、欠かせない存在になっています
OMO型で成功しているビジネスの多くに存在する共通点として「ゲーム的にインセンティブ獲得が設計されている」という点が挙げられます
人に自慢できるような体験の提供が差異化要因になり、それがエンゲージメントにつながっていく
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ここ数年で深センに2回、上海に2回、北京に1回行っているので、それなりに知っていることもありましたが、中国ITの最新事例とこれからのトレンドをうまくまとめた一冊だと思います。
どこまで活字で伝わるかわかりませんが、遅れに遅れている日本が何をやればいいか、明確になる一冊です。
ビジネスにつながるヒントもたくさんあるので、ぜひ読んでみてください。
オススメの一冊です。
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『アフターデジタル』藤井保文、尾原和啓・著 日経BP社
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◆目次◆
第1章 知らずには生き残れない、デジタル化する世界の本質
第2章 アフターデジタル時代のOMO型ビジネス~必要な視点転換~
第3章 アフターデジタル事例による思考訓練
第4章 アフターデジタルを見据えた日本式ビジネス変革
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